◇第101回全国高校野球選手権福井大会 決勝 敦賀気比3―0丹生(2019年7月25日 福井県営球場)
グレーの縦縞がマウンド付近で波打つ。大会屈指の好投手を攻略し、福井の夏を制したのは敦賀気比だ。
2年連続の夢舞台。全身に喜びが駆け抜けた。
MAX147キロを誇る左腕・玉村を擁する丹生との決勝戦。少ない好機を確実に生かした。3回1死から笠島が
四球を選び、大島がバント安打で一塁に生きる。続く中川の打球は二遊間へ。併殺を焦った相手二塁手が
ボールをはじき、満塁とチャンスを広げた。3番・杉田は初回1死二塁の場面で、変化球をひっかけ二ゴロに
凡退している。2球目は138キロのストレートが甘く入った。逆らわずにとらえた一撃は左中間を破り
「北陸のドクターK」から貴重な2点をもぎ取った。さらに二、三塁から4番・木下が右犠飛。2年生エースの
笠島には、何より心強い3点のリードが生まれた。
試合が動いても、背番号1は冷静沈着にアウトの山を築いていく。連打を許さず、勝負どころでは右打者の
外角低めに絶妙な一球が決まる。4安打完封。大事な大事な決勝戦の舞台で、大きな自信を得た。
2016年の選抜王者も、昨夏は1回戦で木更津総合に大敗。全国の壁に苦しんでいる。ドラフト候補の木下、
勝負強い杉田を中軸に据える打線、そして笠島―御簗(おやな)の2年生バッテリーと投打のバランスは悪くない。
次は深紅の大旗を――。グレーのユニホームは少し雲がかかった福井の青空に誓った。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190725-00000154-spnannex-base