NHKで放送中の連続テレビ小説『なつぞら』(月〜土 前8:00 総合ほか)は来週放送の第26週(23日〜28日)が最終週。ヒロイン・なつの半生(18歳からを30代半ば)を演じきった広瀬すずが、1年3ヶ月及んだ撮影を振り返った。
当初、「朝ドラヒロイン」を特別に意識することはなかったと言っていた広瀬だったが、やり遂げたいまとなっては「朝ドラ100作目というのはやはり大きなことだったんだな」と、感じるそうだ。
「会う人みんなが『朝ドラ100作目』ということを知っていたり、大切に思ってくざさっていたり、わかりやすく反響が伝わってきたのは、朝ドラならではだったのかな、と思います」。
「超ハードスケジュールにも関わらず、せりふと芝居を完璧に頭に入れ、いつも前向きに現場に臨んでいた」と、関係者が絶賛していることは、冷静に受け止める。
「もともとせりふ覚えはいい方。皆さん、ほかの作品をやりながら『なつぞら』も、という方が多く、逆に私は『なつぞら』のことしか考えてなかったから…」と謙遜する。
そうは言っても、1年3ヶ月の間には人知れず多くの試練があった。「朝ドラのヒロインは撮影期間が長くて、せりふの量も膨大で、大変だ、と聞いていたので、“楽しんだもの勝ちだな”と思うようにしていました。
1年以上かけて、ひとりの人間を何十年という時の経過とともに演じられる作品はあまりないことです。そう思うと20歳になったばかり(クランクインした当時は19歳)で、自分が試されているな、と思う瞬間はたくさんありました。
これを乗り越えられたら、この先きっとなんでもできる、そう思ってやってきました。体力勝負なところはありましたけど、精神的に追い詰められることはなく、意外と飄々とやってきたかもしれません。
途中から『大変そうだね、大丈夫?』と聞かれることもなくなって(笑)。余裕があったわけではないのですが、“楽しい”がずっと勝っている感じでした」。
一方で、「座長としてみんなを引っ張るというよりは、私は毎日スタジオにいるので、日々、キャストの皆さんをお迎えする感覚で、
『なつぞら』の現場は楽しい、行くのが楽しみ、と思ってもらえるようにしたいな、と積極的に皆さんとお話しするようにしていました」。
ヒロインが常にポジティブに周りと接していたから、きっと“楽しい”が伝染して、“楽しい”が集まってきていたのだろう。
「ドラマ、映画、CMなど、一度以上ご一緒している方がたくさん出演してくださったことも支えにもなりました」。
中でも、角筈屋書店の茂木社長役で出演したリリー・フランキーとは、「同じ作品に出演するのは5作目。いままでお芝居で絡むことは少なかったのですが、中学生の頃から知られているという(笑)。
逆に恥ずかくてやりづいな、と感じることもありました」。
なつの夫・坂場一久を演じた中川大志も資生堂「シーブリーズ」CMや映画『四月は君の嘘』で共演歴がある。
「同い年で、なんとなくセット感があるな、と思っていました。天陽くんとなつの関係のように、同志のような感覚もあったので、
『二十歳になって夫婦役を演じるなんて不思議だね』と話していて。大好きな人たちに囲まれた環境は幸せだな、と思いながらやってこられたから、“楽しい”がずっと勝っていたのかもしれないですね」。
大好きな人たちに囲まれていたのは、なつも一緒だ。最終週は、なつの「集大成」と「未来」が感じられるものになりそうだ。
「戦争で両親をなくして、北海道の柴田家に引き取られた奥原なつの人生としては、兄妹3人の奥原家を取り戻したいと思ってきた。第25週で約30年ぶりに千遥と再会して、2週じゃ足りないというのが本音です。
いろんな人と出会って、別れもあって、再会もあって、それがあったからこそ生まれた作品があって。北海道の人たち、東京でお世話になった人たち、いろんな人への感謝と、
これまで自分が歩いてきた道を記すような作品を、いま一番大切にしている仲間たちと作り上げる。そこには、未来も感じられるんですけど、大好きな人たちに囲まれた人生だったな、と改めて思うなつの姿もあって。
視聴者の皆さんにも自分の周りの大好きな人のことを感じてもらえたらいいな、と思います」。
https://news.livedoor.com/article/detail/17103188/
2019年9月19日 5時0分 オリコン