まさに会心の采配で、中国サッカーきっての名門を撃破した。
水曜日に行なわれたアジア・チャンピオンズリーグ準決勝、広州恒大vs浦和レッズ戦の第2レグ。圧倒的なアウェーの雰囲気のなか、浦和は第1レグで2−0と勝利したアドバンテージを最大限に活かしながら、慎重に試合を進める。50分に興梠慎三が強力ヘッダーで貴重なアウェーゴールを決めて趨勢を定めると、その後の敵の猛攻を耐え凌いで完封勝利。2戦合計3−0とし、2年ぶりとなる決勝行きのチケットを手に入れた。
試合後、チームを率いる大槻毅監督が記者会見に臨み、「ここまでサポーターが多く来てくれて、我々を高みに押し上げてくれた。本当に感謝しかない。選手の素晴らしいパフォーマンスについても、誇りに思う」と語った。
そこで中国メディアから、「Jリーグの成績はあまり良くない。それでもACLを勝ち進んでいるが、Jリーグのほうが難しいのか?」と酷な質問を投げかけられ、ユーモアを交えながら“親分”は次のように返答した。
「Jリーグで上位にいない我々がなぜACLで勝ち残っているのか。ACLで勝ち残っている我々がなぜJリーグで勝てないのか。奇妙なクラブではあります。トレーニングで改善しようとしているが、それができていない難しい時期にあると感じています。どちらかを重視しているということはなく、すべての試合で責任を持って臨んでいる。また次の試合に向けて、全力でやっていきたい」
さらに大槻監督は、「あの1点がゲームを終わらせたと思う。相手のメンバーは予想していた範疇の中だったし、システムも戦い方も予想していた」と明言。これに対して中国人記者が「DFの33番(ジョン・ジーチャオ)は普段あまり出ていない選手だ。それも想定内だったというのか?」と迫られ、理路整然とこう切り返している。
「昨日の公開された15分間の練習で、(本来のレギュラーである)21番の選手(ガオ・ジュンイー)がランニングシューズでトレーニングをしていた。おそらく、出られないのだろうと。サイドバックの中で補充されるとすれば、33番の選手は予想の中に入っていた」
2年前のACL制覇時は、まだトップチームで指導に当たっていなかった大槻監督。指揮官として初めて挑む国際大会のビッグタイトル。運命のファイナルの相手は2年前と同様、サウジアラビアのアル・ヒラルだ。
10/24(木) 5:43 サッカーダイジェスト
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191024-00065707-sdigestw-socc
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