Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由
元サガン鳥栖 フェルナンド・トーレス(1)
今年27年目のシーズンを終えたJリーグ。現在は、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになった。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音を聞いていく。
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フェルナンド・トーレスは今、母国スペインに拠点を置きながら、サガン鳥栖のアドバイザーとしてクラブと密に連絡を取り合っている。
8月23日のヴィッセル神戸戦で現役を退き、家族と1年ほど送った日本での生活にピリオドを打った。けれど、その後も「大きなポテンシャルを宿す鳥栖が、それにふさわしいクラブになれるように手助けしたい」と思い、引き続きクラブとの関係を維持。トレーニングや育成などに関する助言をして、「時間が許すかぎり、日本にも来るようにしたい」と言う。
11月下旬、引退後初めて来日したトーレスがJリーグを訪れた際に、このインタビューが実現した。村井満チェアマンが同席する場で、まずはこの元スペイン代表FWが現役最後の舞台に日本を選んだ経緯から訊いた。
「アトレティコ・マドリードとの契約が終わり、次の所属先を考えていた時、正直に言うと、ファーストチョイスは日本ではなかったんだ。ただ、日本行きを強く勧めてくれた人がいて、少しずつ考えるようになっていった。日本を知る人に話を聞くと、誰もがすばらしい国だと言う。敬意、親切な人々、プライベートを尊重してくれるところなどがある、と。
Jリーグの映像を観るようになり、フットボールのレベルが高いこともわかった。そして妻や家族と話したら、日本がベストかもしれないね、と言ってくれたんだ。家族にとってすばらしい生活、クオリティーの高いフットボールがあるようだったからね。ただ、僕らがそれまでに知っている文化や生活とは大きく異なるはずだったから、大きなチャレンジになるとも思っていた。フットボーラーとしても、人間としても。でも今こうして振り返ると、とてもよい決断だった。1年ほどプレーして、現役を日本で終えることになって、すごくよかったと感じているよ」