2019/12/31
年の瀬、一人、検索画面を前に「存在を消されそうな」気持ちを抱いている人がいます。“一発屋”芸人の髭男爵・山田ルイ53世さんが「自分探しの旅」と呼ぶエゴサーチに異変が起きたのです。紅白歌合戦が迫る中、日に日に大きくなる悩みについて、つづってもらいました。
心地よいサビに顔が強張る
先日、フォトスタジオへ出掛けた。
長女(小1)の七五三の記念に、家族写真を撮るためである。
女性カメラマンの、
「はーい!じゃあパパー、お嬢ちゃまと奥様の肩に手を置いてニッコリ、ニッコリですよー!?」
というまるでWもじもじしないで!Wと励ますような物言いに、
(いや、一応プロだわ!)
と少々自尊心を傷付けられたが、確かに、筆者は緊張していた。
一発屋とは言え、芸能人の端くれ。
撮られることには慣れっこだが、妻子も一緒にとなると勝手が違う。
身内が見守る中、ポーズを決め表情を作るというのは、思いの外恥ずかしかった。
うまく笑えぬ理由は、もう一つ。 撮影中、延々と繰り返し再生される「最新ヒット曲集」といった感じのBGMである。
最初は気にも留めず、WボーッとW聴き流していたのだが、
(あっ!) と、とある1曲にW鼓膜のピントWが合う。
(「official髭男dism」だ……)
ひと際強い世界観を持った歌詞とメロディー、心地よい歌声のサビに、顔が強張っていく・・・・・・・・のが、自分でも分かった。
爆発的に増えた「彼ら」に関する投稿
普段からWエゴサーチWをたしなんでいる筆者。
WエゴサWとはネット上での己の評判を知るべく、SNSなどで自分の名前を検索する行為である。
文字通りW自分探しの旅Wというわけだが、一発屋にとっては鬼門、もろ刃の剣だ。
「最近見ない」「消えた」「死んだ」等々、極一部の方々の手厳しいご意見に不意打ちを喰らい、スマホ画面から目を背けたくなるようなこともしばしば。
精神衛生上よろしくないのは重々承知しているが、まれにお褒めの言葉にもありつけるのでなかなか止められない。
少し前のこと。
「『学園祭に髭男くるよ!』って友達が言うから、学校のHP見たら、「ゲスト:髭男爵」って書いてあって盛大にズッコケた」
とつぶやくTwitterアカウントを発見。
実際、とある大学からオファーを受け、学園祭のお笑いステージにお邪魔する予定が近々であった。
恐らくその学校の生徒によるものだろう投稿を眺めつつ、
(またか……)
と此方も負けじとW盛大にWため息を吐く。
このW髭男(ヒゲダン)Wこそ、先述の「official髭男dism」のこと。
2018年から19年にかけて、ドラマや映画の主題歌に夏の高校野球の応援ソングと抜擢(ばってき)が続き、若い世代を中心に絶大な人気を誇るピアノPOPバンドである。
当然、彼らに関するSNS投稿は爆発的に増えた。
いや、かくいう筆者もW髭男Wは大好き。
移動中などよく聴いているし、ファンだと言っても過言ではない。
しかし、彼らの躍進を手放しでは喜べぬ事情があった。
「official髭男dism」のことを、「official髭男爵」「オフィス髭男爵」、果ては「髭男爵リズム」などと誤る人たちが続出したからである。
(……ん?)
最初の違和感、異変を感じ取ったのは、今年の春先だったか。
WエゴサWに励んでいると、
「髭男爵って良いよね?私だけ!?」
「髭男爵好きって言っても、皆に分かってもらえない!」
といった内容のツイートがチラホラと目に付くように。
(一発屋になっても応援してくれる人たちが……)
と能天気にうのみにし、
(肩身の狭い思いをさせて申し訳ないなー!)
などと、やや屈折したスター気分に浸っていたのもつかの間、目を凝らすと、「official」とか「オフィス」が漏れなくくっ付いている、ということがよくあった。
「あれっ……知らぬ間に、再ブレイクした!?」
続きはこちらで↓
https://withnews.jp/article/f0191231001qq000000000000000G00110501qq000020323A
年の瀬、一人、検索画面を前に「存在を消されそうな」気持ちを抱いている人がいます。“一発屋”芸人の髭男爵・山田ルイ53世さんが「自分探しの旅」と呼ぶエゴサーチに異変が起きたのです。紅白歌合戦が迫る中、日に日に大きくなる悩みについて、つづってもらいました。
心地よいサビに顔が強張る
先日、フォトスタジオへ出掛けた。
長女(小1)の七五三の記念に、家族写真を撮るためである。
女性カメラマンの、
「はーい!じゃあパパー、お嬢ちゃまと奥様の肩に手を置いてニッコリ、ニッコリですよー!?」
というまるでWもじもじしないで!Wと励ますような物言いに、
(いや、一応プロだわ!)
と少々自尊心を傷付けられたが、確かに、筆者は緊張していた。
一発屋とは言え、芸能人の端くれ。
撮られることには慣れっこだが、妻子も一緒にとなると勝手が違う。
身内が見守る中、ポーズを決め表情を作るというのは、思いの外恥ずかしかった。
うまく笑えぬ理由は、もう一つ。 撮影中、延々と繰り返し再生される「最新ヒット曲集」といった感じのBGMである。
最初は気にも留めず、WボーッとW聴き流していたのだが、
(あっ!) と、とある1曲にW鼓膜のピントWが合う。
(「official髭男dism」だ……)
ひと際強い世界観を持った歌詞とメロディー、心地よい歌声のサビに、顔が強張っていく・・・・・・・・のが、自分でも分かった。
爆発的に増えた「彼ら」に関する投稿
普段からWエゴサーチWをたしなんでいる筆者。
WエゴサWとはネット上での己の評判を知るべく、SNSなどで自分の名前を検索する行為である。
文字通りW自分探しの旅Wというわけだが、一発屋にとっては鬼門、もろ刃の剣だ。
「最近見ない」「消えた」「死んだ」等々、極一部の方々の手厳しいご意見に不意打ちを喰らい、スマホ画面から目を背けたくなるようなこともしばしば。
精神衛生上よろしくないのは重々承知しているが、まれにお褒めの言葉にもありつけるのでなかなか止められない。
少し前のこと。
「『学園祭に髭男くるよ!』って友達が言うから、学校のHP見たら、「ゲスト:髭男爵」って書いてあって盛大にズッコケた」
とつぶやくTwitterアカウントを発見。
実際、とある大学からオファーを受け、学園祭のお笑いステージにお邪魔する予定が近々であった。
恐らくその学校の生徒によるものだろう投稿を眺めつつ、
(またか……)
と此方も負けじとW盛大にWため息を吐く。
このW髭男(ヒゲダン)Wこそ、先述の「official髭男dism」のこと。
2018年から19年にかけて、ドラマや映画の主題歌に夏の高校野球の応援ソングと抜擢(ばってき)が続き、若い世代を中心に絶大な人気を誇るピアノPOPバンドである。
当然、彼らに関するSNS投稿は爆発的に増えた。
いや、かくいう筆者もW髭男Wは大好き。
移動中などよく聴いているし、ファンだと言っても過言ではない。
しかし、彼らの躍進を手放しでは喜べぬ事情があった。
「official髭男dism」のことを、「official髭男爵」「オフィス髭男爵」、果ては「髭男爵リズム」などと誤る人たちが続出したからである。
(……ん?)
最初の違和感、異変を感じ取ったのは、今年の春先だったか。
WエゴサWに励んでいると、
「髭男爵って良いよね?私だけ!?」
「髭男爵好きって言っても、皆に分かってもらえない!」
といった内容のツイートがチラホラと目に付くように。
(一発屋になっても応援してくれる人たちが……)
と能天気にうのみにし、
(肩身の狭い思いをさせて申し訳ないなー!)
などと、やや屈折したスター気分に浸っていたのもつかの間、目を凝らすと、「official」とか「オフィス」が漏れなくくっ付いている、ということがよくあった。
「あれっ……知らぬ間に、再ブレイクした!?」
続きはこちらで↓
https://withnews.jp/article/f0191231001qq000000000000000G00110501qq000020323A