羽生結弦の専属トレーナーとしてソチと平昌の2度の五輪に帯同した、仙台の整体師・菊地晃。一流のアスリートのサポートや、世界の舞台から学んだこととは何か――。体の不調や痛みに悩む誰でも応用できるように実践メソッド化した一冊、『強く美しく鍛える30のメソッド』から一部をご紹介します。
■スポーツ選手の“イズイ”に応える
結弦の試合に帯同するようになってからというもの、僕はより一層、自分の施術というものを究めてみたいと考えるようになったのです。
専属トレーナーとして、たった3カ月ばかりの活動でしたが、結弦に引っぱられるようにして五輪という大舞台を体感できました。その経験を、今度は患者さんの痛みをとることに使えないかと考えたのです。
もともとスポーツ選手を診ることの面白さはありました。
患者さんに「痛みがとれました」と言われたら、「よしよし」と僕も満足することができます。ところが、スポーツ選手やアスリートを目指している子たちは要求が違います。もっと高い所に求めるものがあるんです。
たとえば、仙台弁では「イズイ」という言葉を使います。「しっくりこない」「どこかひっかかりがある」「スムーズじゃない」という意味ですが、スポーツ選手は痛みをとるだけでは満足せず「まだイズイんだけど」と言ってきたり、“イズイ顔”で帰っていったりするのです。
開業してから2年後、ある患者さんから、
「しばらくぶりに来たけど、先生の治療、まったく変わっていないね」
と言われたことがあります。
はじめは「俺の施術がそんなに変わるわけねえじゃん」と思ったんですが、その患者さんは帰りがけに、ものすごく寂しい顔をしていたんですよね。
当時の僕の施術は、低周波療法、マッサージ、伸縮テープ、湿布やテーピング。これのどこがおかしいんだと……。
■東洋医学への探求心が芽生える
■スポーツ選手の“イズイ”に応える
結弦の試合に帯同するようになってからというもの、僕はより一層、自分の施術というものを究めてみたいと考えるようになったのです。
専属トレーナーとして、たった3カ月ばかりの活動でしたが、結弦に引っぱられるようにして五輪という大舞台を体感できました。その経験を、今度は患者さんの痛みをとることに使えないかと考えたのです。
もともとスポーツ選手を診ることの面白さはありました。
患者さんに「痛みがとれました」と言われたら、「よしよし」と僕も満足することができます。ところが、スポーツ選手やアスリートを目指している子たちは要求が違います。もっと高い所に求めるものがあるんです。
たとえば、仙台弁では「イズイ」という言葉を使います。「しっくりこない」「どこかひっかかりがある」「スムーズじゃない」という意味ですが、スポーツ選手は痛みをとるだけでは満足せず「まだイズイんだけど」と言ってきたり、“イズイ顔”で帰っていったりするのです。
開業してから2年後、ある患者さんから、
「しばらくぶりに来たけど、先生の治療、まったく変わっていないね」
と言われたことがあります。
はじめは「俺の施術がそんなに変わるわけねえじゃん」と思ったんですが、その患者さんは帰りがけに、ものすごく寂しい顔をしていたんですよね。
当時の僕の施術は、低周波療法、マッサージ、伸縮テープ、湿布やテーピング。これのどこがおかしいんだと……。
■東洋医学への探求心が芽生える