阪神の選手、スタッフの間で新型コロナウイルスが感染拡大した温床として、名古屋遠征中の9月19日夜に催された複数の会食が問題視されているが、同夜に別の飲食店で矢野耀大監督(51)と会食した1軍チームスタッフにも、25日にコロナ陽性判定が出ていたことが本紙の取材で分かった。球団は感染した選手の濃厚接触者に加え、同夜の会食で同席した陰性判定の選手にも独自の判断で10日間の隔離措置をとったが、矢野監督は“ギリギリセーフ”と判定。25日以降も継続してチームの指揮を執らせたとしている。(山戸英州)
PCR検査で一挙7人のコロナ陽性が判明した9月25日。球団はそのうち糸原、陽川、岩貞の3選手と1軍チームスタッフBが、福留孝介外野手(43)ら総勢8人で集まり、19日に遠征先の名古屋市内の飲食店で会食していたと発表した。あわせて、同じくコロナ陽性の浜地、馬場両投手も、岩崎、小川の両投手を交えた4人で会食していたことも明かされた。
ところが陽性反応が出た7人の中でただ1人、1軍チームスタッフAについて公表されたのは、検体を採取した48時間前以降の行動歴のみ。19日夜の行動については伏せられたままだ。本紙が取材を進めたところ、スタッフAは名古屋市郊外の住宅街にある老舗飲食店で会食。その同席者には、矢野監督が含まれていることが分かった。
感染者と19日の会食で同席した選手は、検査結果が陰性でも一斉に出場選手登録を抹消され、10日間の隔離措置がとられた。岩崎と小川は保健所が濃厚接触者と認定。また、糸原らと一緒だった福留ら4選手も、球団の判断で濃厚接触者と同様に扱うこととした。
しかし、スタッフAと近距離で食事をしていたはずの矢野監督は、なぜか同席したこと自体も明かされることなく、1日も隔離もされずに現場で指揮を執り続けている。
本紙の問い合わせに対して14日、球団は会食の事実を認めたうえで「監督を隔離しなかったのは、大前提として厚生労働省や保健所が定める濃厚接触者でないこと。また、会食メンバーのなかで感染者が1人しか出ておらず、しかも無症状。同席者もPCR検査で陰性だったため」とした。
福留らとの扱いの違いについても改めて、「参加者のうち半数に感染、発症者がおり、PCR検査が偽陰性の可能性もあるため、感染拡大リスクが高いと判断した。選手の場合、プレー中などマスクができない場面も多く、球団として総合的な判断」と説明した。
夏場の広島遠征中に、球団がコロナ対策で定めた内規を上回る大人数で会食した際に続き、その約2か月後にチーム内で感染爆発が起きた名古屋の夜の会食でも、紙一重でウイルス禍を逃れた矢野監督。球団の独自基準による隔離措置の対象からも外され、12球団監督のコロナ離脱第1号にならずに済んだ。
当時はまだ武運に恵まれていたといえるが、今週12日の本紙報道をきっかけに広島での大人数の会食が明らかになると、13日には「球団の許可をもらっていたとはいえ、自覚の甘さ、認識の甘さがあった。申し訳ない」と謝罪。球団側の強引な擁護により不問とされたものの、同じ人数オーバーを理由に名古屋での会食に参加した福留らが処分されるのを黙って見ていたことが露見し、いまや求心力はガタ落ちだ。
チームは14日の中日戦(ナゴヤドーム)も零封負け。2連敗で3位に転落し、4位DeNAにも1ゲーム差に迫られた。逆境の虎将に武運はまだ残っているか。
夕刊フジ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c9021dbbdef7625da08cae190d245efb6c70fb6
PCR検査で一挙7人のコロナ陽性が判明した9月25日。球団はそのうち糸原、陽川、岩貞の3選手と1軍チームスタッフBが、福留孝介外野手(43)ら総勢8人で集まり、19日に遠征先の名古屋市内の飲食店で会食していたと発表した。あわせて、同じくコロナ陽性の浜地、馬場両投手も、岩崎、小川の両投手を交えた4人で会食していたことも明かされた。
ところが陽性反応が出た7人の中でただ1人、1軍チームスタッフAについて公表されたのは、検体を採取した48時間前以降の行動歴のみ。19日夜の行動については伏せられたままだ。本紙が取材を進めたところ、スタッフAは名古屋市郊外の住宅街にある老舗飲食店で会食。その同席者には、矢野監督が含まれていることが分かった。
感染者と19日の会食で同席した選手は、検査結果が陰性でも一斉に出場選手登録を抹消され、10日間の隔離措置がとられた。岩崎と小川は保健所が濃厚接触者と認定。また、糸原らと一緒だった福留ら4選手も、球団の判断で濃厚接触者と同様に扱うこととした。
しかし、スタッフAと近距離で食事をしていたはずの矢野監督は、なぜか同席したこと自体も明かされることなく、1日も隔離もされずに現場で指揮を執り続けている。
本紙の問い合わせに対して14日、球団は会食の事実を認めたうえで「監督を隔離しなかったのは、大前提として厚生労働省や保健所が定める濃厚接触者でないこと。また、会食メンバーのなかで感染者が1人しか出ておらず、しかも無症状。同席者もPCR検査で陰性だったため」とした。
福留らとの扱いの違いについても改めて、「参加者のうち半数に感染、発症者がおり、PCR検査が偽陰性の可能性もあるため、感染拡大リスクが高いと判断した。選手の場合、プレー中などマスクができない場面も多く、球団として総合的な判断」と説明した。
夏場の広島遠征中に、球団がコロナ対策で定めた内規を上回る大人数で会食した際に続き、その約2か月後にチーム内で感染爆発が起きた名古屋の夜の会食でも、紙一重でウイルス禍を逃れた矢野監督。球団の独自基準による隔離措置の対象からも外され、12球団監督のコロナ離脱第1号にならずに済んだ。
当時はまだ武運に恵まれていたといえるが、今週12日の本紙報道をきっかけに広島での大人数の会食が明らかになると、13日には「球団の許可をもらっていたとはいえ、自覚の甘さ、認識の甘さがあった。申し訳ない」と謝罪。球団側の強引な擁護により不問とされたものの、同じ人数オーバーを理由に名古屋での会食に参加した福留らが処分されるのを黙って見ていたことが露見し、いまや求心力はガタ落ちだ。
チームは14日の中日戦(ナゴヤドーム)も零封負け。2連敗で3位に転落し、4位DeNAにも1ゲーム差に迫られた。逆境の虎将に武運はまだ残っているか。
夕刊フジ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c9021dbbdef7625da08cae190d245efb6c70fb6