伊藤万理華「全部私が抱きしめてあげる」。自分を味方につける生き方 - She is [シーイズ]
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「調査隊コラム:好きなものの愛し方は人の数だけ。」vol.4
SPONSORED:『出会えた“好き”を大切に。』
インタビュー・テキスト:羽佐田瑶子 撮影:小林真梨子 インタビュー・編集:野村由芽
Dec 18.2020
好きだけど、私よりも好きな人がいるかもしれない。好きな気持ちをうまく表現できない。そんな思いに悩まされて、友だちに堂々と話せなかったり自信を持てなかったりする人は多いと思います。自分のための「好き」なのに、どうして誰かと比べて、苦しくなってしまうのでしょう。
ファッション、アート、映画、苔や鉱物と、好きなものが多岐にわたる伊藤万理華さん。アイドルグループ乃木坂46卒業後は、俳優として活動しながら2度個展を開催し、「好き」を表現し続けています。しかし、そうした活動にたどり着くまでには、様々な葛藤があったそう。「自分を見失わないために、“好き”を自分から発信することを忘れたくない」と伊藤さん。軽やかに踊るようにたたずみながらも、客観性と主観性のいいバランスで自身の情熱を見つめる伊藤さんに話を聞いた、『出会えた“好き”を大切に。』調査隊コラム4回目です。
言葉では表現できないものに興味がある。
父がグラフィックデザイナー、母がファッションデザイナーという環境の中で、自身の「好き」を育んできた伊藤万理華さん。好きなジャンルはボーダレスですが、ずっと好きなものは「ファッション」。ミシン部屋があったような家庭で、当たり前に存在していたものを「好き」だと自覚するにはきっかけがありました。
伊藤:生まれた時から身近に可愛いお洋服やインテリアがあったので、「ファッション」は特別な趣味ではなく、生活の一部として捉えていました。でもグループ(2011年から2017年まで乃木坂46に在籍)に所属して、多くの人の中で自分にしかないもの、自分が好きなものは何か考えた時に「自分にとって当たり前だと思っていた生活は特殊なのかもしれない」と気づいて。そこからブログに私服を載せるようになって、まわりの方々からも自然とファッションの印象が強くなっていったのではないかと思います。
母のお下がりを着たり、古着屋さんを巡ったり、「ファッション」を好きでいるうちに、だんだん愛で方も変わっていきます。
伊藤:お洋服の愛で方が変わったきっかけは、ファッションに関わるクリエイターさんやデザイナーさんと対談する機会が増えたことです。ブランドを立ち上げた物語、デザイナーさんご自身の背景。お洋服が生まれる背景を知った時に、その奥深さに感動しました。私はファッションの専門用語も知らないし知識も多くないけれど、作り手のお話を聞くのがとても楽しくて、その方々のまなざしを通してファッションを愛でることが好きです。
あとは、文章を書くことや本を読むことがあまり得意ではないので、言葉では表現できないものに興味があります。踊りや絵、映像、写真などで表現することに興味がありますし、そうした表現をしている人に惹かれます。それに、私自身がいいなと思ったものを自分を通して世の中に伝えられる方法は、被写体になることだと今は思っていて。だから好きなものを「表現」するのが、好きなことだとも言えますね。