2021年11月6日 6時15分 ボクシング
ボクシング男子の世界選手権は5日にセルビアで決勝が行われ、バンタム級の坪井智也選手とウエルター級の岡澤セオン選手がともに判定で勝って金メダルを獲得しました。
ボクシングの世界選手権で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてです。
ボクシング男子の世界選手権は5日、セルビアのベオグラードで決勝が行われ、日本選手ではバンタム級の坪井選手とウエルター級の岡澤選手が出場しました。
坪井選手はバンタム級の決勝でカザフスタンの選手と対戦し、左右の連打を仕掛けるなど序盤から積極的に攻めました。
最終の第3ラウンドには強烈な右のフックを見せるなど、最後まで攻撃の手を緩めず、判定で勝って金メダルを獲得しました。
ウエルター級の決勝では、ことしの東京オリンピックに出場した岡澤選手がアメリカの選手と対戦しました。
岡澤選手は軽やかな動きで巧みなディフェンスを見せるなど接戦の中で持ち味を発揮し、判定で勝って坪井選手に続く金メダルを獲得しました。
日本ボクシング連盟によりますと、世界選手権でこれまでの日本選手の最高成績は、2011年にミドル級の村田諒太選手が獲得した銀メダルで、坪井選手と岡澤選手は日本選手として初めて金メダルを獲得しました。
坪井「応援のおかげ」 岡澤「もっと強くなる」
バンタム級で金メダルを獲得した坪井智也選手は「あまり実感は湧かないが、たくさんの方の応援のおかげでいい成績が残せたと思う。相手の圧力とやりづらさを感じたが、2ラウンド目から1発ずつしっかり当てていったことがポイントにつながった」と話していました。
ウエルター級で金メダルを獲得した岡澤セオン選手は「本当に厳しい試合で、なかなか突破口を開けなかった」と振り返ったうえで「まだまだ足りない部分が多かったので、もっと強くなっていいボクシングを見せたい」とさらなる飛躍を誓いました。
2回戦で敗れた東京オリンピックのあとの再出発の大会で結果を残したことについて「オリンピックからの期間は本当につらかったが、すごく練習を頑張ってきた。勝ててよかった」と涙ながらに話していました。
岡澤 再起のパリ五輪へ弾みのつく金メダル
ボクシングの世界選手権、ウエルター級で金メダルを獲得した岡澤セオン選手。快挙の裏には東京オリンピックで味わった悔しさがありました。
25歳の岡澤選手はおととし2019年のアジア選手権で日本選手として36年ぶりに準優勝を果たし、オリンピック初出場となった東京大会でもウエルター級でメダル獲得が期待されていました。
しかし、2回戦でこの大会の金メダルを獲得したキューバの選手に判定負けを喫し、メダルへの夢は早々とついえました。
「いろいろな人が作ってくれた舞台で、結果で恩返しできず残念だ。強くなって必ずパリ大会に戻ってきたい」試合後、岡澤選手は巻き返しを誓っていました。
パリオリンピックに向けた再出発の舞台となった今回の世界選手権。
「東京オリンピックで結果の大事さを身にしみて感じた。金メダルしか見ていない」
岡澤選手はそう意気込んで臨んでいました。
大会では持ち味でもある機敏なディフェンスを駆使して勝ち上がり、決勝では接戦を制し、バンタム級の坪井智也選手に続く金メダルを獲得しました。
オリンピックで味わった悔しさをバネに、世界選手権で金メダルを獲得した岡澤選手。パリに向けて弾みのつく結果を手にしました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211106/k10013336551000.html