日刊スポーツ
2021年11月28日14時21分]
IBFスーパーフェザー級の新王者となり、喜ぶ尾川堅一(ゲッティ=共同) 尾川堅一(2021年11月撮影)
<プロボクシング:IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇27日(日本時間28日)◇米ニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデン・Huluシアター
IBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(33=帝拳)が米ニューヨークの大舞台で世界王座を手にした。
同級2位アジンガ・フジレ(25=南アフリカ)とIBF世界同級王座決定戦に臨み、計3度のダウンを奪い、3−0の判定勝利を飾った。「スポーツの殿堂」マディソン・スクエア・ガーデンで日本人世界戦初勝利を挙げた。所属ジムに初めてIBF王座をもたらした。
「プレッシャーをかけて相手を下がらせた。手数が少なかったのは反省でした練習していた右、クラッシュライトが出た」と振り返る尾川の右は切れ味抜群だった。5回に踏み込んでの右フックであごを打ち抜き、ダウンを奪った。6回以降も前に続けて9回には右強打でぐらつかせ、最終12回に右で2度のダウンを追加。試合を決定づけた。
17年12月、米ラスベガスでIBF世界同級王座決定戦に臨み、テビン・ファーマー(米国)に判定勝利してベルト奪取したが、その後の禁止薬物の陽性反応が出て無効試合に。1年間の資格停止処分を受け、19年2月にリング復帰し、再起戦していた。再び手にしたIBFベルトを手にすると「やっぱり4年前、ファーマーとの試合で子供たちにベルトを…。すみません」とリング上で涙を流した。最後には米出発前に激励の手紙を届けてきた息子3人の名前を呼び、ベルト奪取を報告した。
再起後もIBF同級王座挑戦者決定戦がフジレ陣営の都合で消滅し、コロナ禍で21年2月に指令を受けた今回のIBF同級王座決定戦も対戦相手や日程変更に見舞われた。数多くの困難を乗り越えての世界王座到達だった。「言われた試合をこなして、どんどん米国、全世界で試合をして日本人が強いところ、尾川堅一をアピールしたいです」。強くなって世界舞台に戻ってきた。
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