ロシアによるウクライナ侵攻は、北京冬季オリンピック・パラリンピックに合わせて国連で採択された休戦決議の期間中に引き起こされた。国際オリンピック委員会(IOC)は24日、ロシアが決議に違反したとして「強く非難する」とする声明を発表した
決議は開催国・中国を中心に、ロシアを含む173の加盟国が共同提案して各国に休戦を求めているが、法的拘束力はない。IOCはトーマス・バッハ会長が20日の北京冬季五輪閉会式のあいさつで、アスリートが示した平和と連帯を政治指導者にも求めたと強調した。
五輪を巡っては、2008年の北京夏季五輪開会式当日にロシアとグルジア(ジョージア)の軍事衝突が始まったほか、14年のソチ冬季パラリンピックの直前にも開催国のロシアによるクリミア半島への軍事介入があった。
五輪期間中の休戦決議は古代オリンピックの故事にちなむもので、昨年12月に採択された北京冬季五輪の決議の期間は五輪開幕7日前の1月28日からパラリンピック閉幕7日後の3月20日まで。中国の人権状況を懸念する日米豪印は加わっていない。