岩波ホール、54年の歴史に幕 ミニシアター文化の先駆け
2022/7/29 16:04産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20220729-FJQ6PBI44FKBZHG4TJN665TX7E/
昭和43年に開館し、日本のミニシアター文化を支え続けてきた東京・神田神保町の映画館「岩波ホール」が29日閉館し、54年にわたる歴史に幕を下ろす。新型コロナウイルスの影響による経営悪化が理由という。
最後の上映作品はベルナー・ヘルツォーク監督のドキュメンタリー「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」。
朝からチケット購入の行列に並んだ東京都内の自営業、鶴田浩司さん(66)は「ここでしか見られない映画が多く、大学生だった1970年代から通い続けた。来るべき時が来たということだろうが、名残惜しい」と語った。
岩波ホールは多目的ホールとして開館。昭和49年に総支配人の故高野悦子さんらが世界の埋もれた映画を紹介する運動「エキプ・ド・シネマ」を始め、巨匠監督の名作からアジアの知られざる傑作まで、芸術的で文化的な作品を日本の観客に届けてきた。
(おわり)
岩波ホール=東京都千代田区