0001ギズモ ★
2023/04/23(日) 16:54:41.69ID:MTZuB5F99会見するカウアン・オカモト氏(C)日刊ゲンダイ
あの時、新聞やテレビが報じていたら…ジャニーズの少年たちの「性被害」は拡大しなかったはず(元木昌彦)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20230423-00000008-nkgendai-ent
元SMAPや嵐のメンバー、近藤真彦や田原俊彦、東山紀之たちは、元Jrのカウアン・オカモト(26)が話した、ジャニー喜多川(享年87)による「性的虐待」を、どんな気持ちで聞いたのだろうか。
カウアンは、週刊文春(4月13日号)で、「当時80歳のジャニー喜多川から15回~20回、性的虐待を受けていた」と実体験を告白し、4月12日に日本外国特派員協会で会見を開いた。
彼は性被害に遭ったという意識は特にないというが、
「ただ……構造的に腐敗してるなと思います。相手もご老体なので、拒もうと思えば拒める。圧倒的に強姦されているわけじゃなくて、社会的に強姦されているというか。ジャニーさんと性交渉することでキャリアがステップアップする、という幻想が僕たちの中になければ、たぶん起こってない」
「タレントたちの評価が、完全にブラックボックス化されちゃっているからこそできたことですよね。圧倒的にセンスがあるし、新しいものをつくっていく人だから、みんな『NO』と言えなかったと思うんですけど」
さらに、「(性被害を受けた)ほかのジュニアたちも出てきたほうがいい」と呼び掛けた。
カウアンはこの場所で会見した理由を、「日本のメディアは取り上げないが、ここで話せば、世界(のメディア=筆者注。以下カッコ内は同じ)で取り上げてくれる」「(僕がジャニーズに入ろうとしている時)テレビ(や新聞)がこの問題を取り上げていたら、(ジャニーズに)入所しなかったと思う」と、日本の大メディアの“怠慢”も痛烈に批判した。
あわてた新聞は渋々会見があった事実を取り上げ、NHKもちょっぴり報じたが、民放は完黙。
朝日新聞は4月15日付の「社説」でもこの問題を取り上げ、ジャニー喜多川に少年たちへのセクハラ行為があったことは、2004年に最高裁で確定していたとしながら、
「ほかの経営陣や従業員は知らなかったのか。04年の判決確定後に組織としてどんな対応をとったのか。こうした疑問も尽きない」
と書いている。だが、朝日がジャニー喜多川の性加害問題を報道したことがあったか?
「喜多川氏による性被害の証言は以前から出ていたが、一部の週刊誌などが中心だった。メディアの取材や報道が十分だったのか。こちらも自戒し、今後の教訓としなければならない」(朝日の社説)
よくこんなことがヌケヌケと言えるものだと感心する。あんたんところの取材も報道も不十分だったどころか、そうした「卑劣な行い」(朝日)を知っていながら何もしなかったではないか。だから朝日は嫌われるのだ。
初期のジャニーズ事務所を代表するグループ、フォーリーブスの中心メンバーだった北公次(北という芸名は喜多川からつけられたという。享年63)は、1989年に出した「光GENJIへ 最後の警告」(データハウス)の中でこう書いている。
「異常な少年愛。ジャニーさんのそれは性癖に問題があり、そこには通じる愛もなく、了解もなく、やさしさもない、たんなるわがままな欲望だけが潜んでいるのだ」
文春がジャニー喜多川の性加害問題を報じるのは、これが出た翌年である。新聞とテレビが後に続いていれば、その後も多くの少年たちがジャニー喜多川の“欲望の餌食”になることはなかったことは間違いない。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「週刊フライデー」元編集長)