米国でのウルトラマン著作権関連訴訟で円谷プロが勝訴――契約書は偽造とカリフォルニア連邦地裁認定
海外展開の後押しに
4/24(火) 14:04配信 IGN JAPAN
http://jp.ign.com/entertainment/24202/news/
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180424-00000007-ignjapan-ent
ウルトラマン (C)円谷プロ
『レディ・プレイヤー1』に続編があれば、原作小説『ゲームウォーズ』のクライマックスシーンが今度こそそのまま映像化されるかもしれない。
円谷プロダクションは4月24日、日本だけでなく海外でも、『ウルトラマン』のキャラクターに基づく作品や商品を展開するすべての権利を有していることが、アメリカでの裁判によって確認されたと発表した。
アメリカ合衆国カリフォルニア中央地方裁判所は4月18日、海外での『ウルトラマン』利用の権利を主張するユーエムが、その根拠としてきた1976年4月4日付けの契約書は、偽造されたものであるという判決を下したことによるもの。
日本やタイ、中国で行われた裁判では、一部に契約書を有効とする判決も出ていたが、利用権を昭和の初期シリーズに限定した内容となっており、著作権については円谷プロダクションに帰属していることが認められている。
アメリカでの円谷プロダクションの勝訴は、『ウルトラマン』シリーズの海外展開を後押しするものとなりそうだ。
問題となっている1976年3月4日付けの契約書とは、『ウルトラマン』シリーズの日本国外での利用権を、タイ人実業家のサンゲンチャイ・ソンポテ氏に許諾するというもので、当時の円谷プロダクション代表者だった円谷皐が署名したという。
ユーエムはこの契約を承継したと主張し、円谷プロダクションでは裁判で、円谷皐が本当に署名した契約書か、それとも偽造されたものかを争っていた。
タイでは筆跡鑑定が行われ偽造とされ、円谷プロダクションが勝訴したものの、日本の裁判では筆跡鑑定が行われず、原本の確認も行われないまま円谷プロダクションが敗訴し、中国でも敗訴となっていた。
米国の裁判では、ディスカバリーと呼ばれる手続きを通して、双方の当事者がそれぞれに資料や通信履歴を出し、裁判所の側でそれらを調査・分析した。
証人による証言や筆跡鑑定の専門会による証言なども行われたが、ソンポテ氏は米国訴訟の訴状受け取りを拒否し、出廷も拒否したという。
こうした手続きを経て、裁判所は契約書は真性ではなく効力はないと判断。円谷プロダクション側の全面勝訴となったという。
円谷プロダクションは判決を受けて以下のようなコメントを公表した。
「上記判決は、当社の主張を全面的に認めるものです。
今回の全面勝訴判決は、長い時間と膨大な労力をかけた精緻な証拠開示手続に加え、
多数の証人の証言、筆跡鑑定の専門家の鑑定意見等を経て出されたもので、極めて信頼性の高いものであると考えます。
この判決を踏まえて、今後はさらにウルトラマン作品の積極的な海外展開を進めていく所存でございます。
お取引様、ご関係者様、ウルトラマンシリーズファンの皆様におかれましては、今後とも変わらぬご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」
『ウルトラマン』については、スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』が原作としたアーネスト・クラインの小説『ゲームウォーズ』で大活躍しながら、映画には出てこないことが話題となっていた。
一部には係争の影響があったのではといった見方も出ていたが、円谷プロダクションでは法務担当者が「必ずしも係争だけではなく、ライセンスの中の話。打診があったのは確かだが、その時に合意しなかった」と説明した。
ただ、今後打診があれば検討はしていく考えも明らかにしており、訴訟リスクが下がったことで、ウルトラマンの活躍が見られる可能性も高まったと言えそうだ。
海外展開の後押しに
4/24(火) 14:04配信 IGN JAPAN
http://jp.ign.com/entertainment/24202/news/
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180424-00000007-ignjapan-ent
ウルトラマン (C)円谷プロ
『レディ・プレイヤー1』に続編があれば、原作小説『ゲームウォーズ』のクライマックスシーンが今度こそそのまま映像化されるかもしれない。
円谷プロダクションは4月24日、日本だけでなく海外でも、『ウルトラマン』のキャラクターに基づく作品や商品を展開するすべての権利を有していることが、アメリカでの裁判によって確認されたと発表した。
アメリカ合衆国カリフォルニア中央地方裁判所は4月18日、海外での『ウルトラマン』利用の権利を主張するユーエムが、その根拠としてきた1976年4月4日付けの契約書は、偽造されたものであるという判決を下したことによるもの。
日本やタイ、中国で行われた裁判では、一部に契約書を有効とする判決も出ていたが、利用権を昭和の初期シリーズに限定した内容となっており、著作権については円谷プロダクションに帰属していることが認められている。
アメリカでの円谷プロダクションの勝訴は、『ウルトラマン』シリーズの海外展開を後押しするものとなりそうだ。
問題となっている1976年3月4日付けの契約書とは、『ウルトラマン』シリーズの日本国外での利用権を、タイ人実業家のサンゲンチャイ・ソンポテ氏に許諾するというもので、当時の円谷プロダクション代表者だった円谷皐が署名したという。
ユーエムはこの契約を承継したと主張し、円谷プロダクションでは裁判で、円谷皐が本当に署名した契約書か、それとも偽造されたものかを争っていた。
タイでは筆跡鑑定が行われ偽造とされ、円谷プロダクションが勝訴したものの、日本の裁判では筆跡鑑定が行われず、原本の確認も行われないまま円谷プロダクションが敗訴し、中国でも敗訴となっていた。
米国の裁判では、ディスカバリーと呼ばれる手続きを通して、双方の当事者がそれぞれに資料や通信履歴を出し、裁判所の側でそれらを調査・分析した。
証人による証言や筆跡鑑定の専門会による証言なども行われたが、ソンポテ氏は米国訴訟の訴状受け取りを拒否し、出廷も拒否したという。
こうした手続きを経て、裁判所は契約書は真性ではなく効力はないと判断。円谷プロダクション側の全面勝訴となったという。
円谷プロダクションは判決を受けて以下のようなコメントを公表した。
「上記判決は、当社の主張を全面的に認めるものです。
今回の全面勝訴判決は、長い時間と膨大な労力をかけた精緻な証拠開示手続に加え、
多数の証人の証言、筆跡鑑定の専門家の鑑定意見等を経て出されたもので、極めて信頼性の高いものであると考えます。
この判決を踏まえて、今後はさらにウルトラマン作品の積極的な海外展開を進めていく所存でございます。
お取引様、ご関係者様、ウルトラマンシリーズファンの皆様におかれましては、今後とも変わらぬご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」
『ウルトラマン』については、スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』が原作としたアーネスト・クラインの小説『ゲームウォーズ』で大活躍しながら、映画には出てこないことが話題となっていた。
一部には係争の影響があったのではといった見方も出ていたが、円谷プロダクションでは法務担当者が「必ずしも係争だけではなく、ライセンスの中の話。打診があったのは確かだが、その時に合意しなかった」と説明した。
ただ、今後打診があれば検討はしていく考えも明らかにしており、訴訟リスクが下がったことで、ウルトラマンの活躍が見られる可能性も高まったと言えそうだ。