2019年06月06日 アニメ 映画
劇場版アニメ「海獣の子供」の一場面 (C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会
もっと見たい方はクリック!(全24枚)
https://mantan-web.jp/article/20190606dog00m200048000c.html
五十嵐大介さんの人気マンガが原作の劇場版アニメ「海獣の子供」(渡辺歩監督)が、TOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで6月7日に公開される。圧倒的な画力と、海や生命の神秘を描いた壮大なストーリーを描いた原作を、美しい映像美と音楽、声優陣のみずみずしい演技で表現している。
原作は、五十嵐さんがマンガ誌「IKKI」(小学館、休刊)で2005〜11年に連載し、日本漫画家協会賞優秀賞(09年度)に選ばれたマンガ。自分の気持ちを言葉にするのが苦手な14歳の少女、安海琉花(あづみ・るか)の冒険を描く。琉花は、夏休み初日に部活で級友と問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失う。そんな時、ジュゴンに育てられた不思議な兄弟・海と空に出会い、港町と水族館を舞台にさまざまな冒険を繰り広げる。
「鉄コン筋クリート」などのSTUDIO4℃が製作。音楽は久石譲さんが手がけ、主題歌「海の幽霊」はシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さんが担当する。女優の芦田愛菜さんが琉花、石橋陽彩(ひいろ)さんが海、浦上晟周(せいしゅう)さんが空の声優を務め、稲垣吾郎さん、蒼井優さん、森崎ウィンさん、渡辺徹さん、田中泯さん、富司純子さんらも声優として出演する。
琉花、海、空というメインキャラクターを、同年代の芦田さんらが演じている。14歳の琉花の自分に素直になり切れないもどかしさや、海や空の若々しくはあるがどこかミステリアスなキャラクターを声で表現している。稲垣さん、蒼井さんは、琉花の両親役。娘と距離のある関係性や夫婦の関係性をリアルに演じている。現実とファンタジーが織り成す作品の世界観にすっと入り込むことができた。
何より映像の美しさに圧倒される。色とりどりの魚たちが登場する海中はとても楽しげで、一方、巨大なクジラやグロテスクな深海魚などが現れる夜の海には恐ろしさを感じた。水の音やクジラの鳴き声などを表現する音や劇伴も、ストーリーをより壮大に見せてくれる。
原作同様、一度作品に触れただけでは答えを見いだせるような物語ではなかった。謎の多い海という存在、生命がテーマ。「あれは何だったんだろう」「これはどういう意味だったんだろう」と考えさせられる作品なのでは、と感じた。見終わった後の感情も言葉にするのが難しい。自分が感じたものは何だったのか、もう一度見て確かめたくなるような作品だった。(岡本温子/MANTAN)
劇場版アニメ「海獣の子供」の一場面 (C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会
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五十嵐大介さんの人気マンガが原作の劇場版アニメ「海獣の子供」(渡辺歩監督)が、TOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで6月7日に公開される。圧倒的な画力と、海や生命の神秘を描いた壮大なストーリーを描いた原作を、美しい映像美と音楽、声優陣のみずみずしい演技で表現している。
原作は、五十嵐さんがマンガ誌「IKKI」(小学館、休刊)で2005〜11年に連載し、日本漫画家協会賞優秀賞(09年度)に選ばれたマンガ。自分の気持ちを言葉にするのが苦手な14歳の少女、安海琉花(あづみ・るか)の冒険を描く。琉花は、夏休み初日に部活で級友と問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失う。そんな時、ジュゴンに育てられた不思議な兄弟・海と空に出会い、港町と水族館を舞台にさまざまな冒険を繰り広げる。
「鉄コン筋クリート」などのSTUDIO4℃が製作。音楽は久石譲さんが手がけ、主題歌「海の幽霊」はシンガー・ソングライターの米津玄師(よねづ・けんし)さんが担当する。女優の芦田愛菜さんが琉花、石橋陽彩(ひいろ)さんが海、浦上晟周(せいしゅう)さんが空の声優を務め、稲垣吾郎さん、蒼井優さん、森崎ウィンさん、渡辺徹さん、田中泯さん、富司純子さんらも声優として出演する。
琉花、海、空というメインキャラクターを、同年代の芦田さんらが演じている。14歳の琉花の自分に素直になり切れないもどかしさや、海や空の若々しくはあるがどこかミステリアスなキャラクターを声で表現している。稲垣さん、蒼井さんは、琉花の両親役。娘と距離のある関係性や夫婦の関係性をリアルに演じている。現実とファンタジーが織り成す作品の世界観にすっと入り込むことができた。
何より映像の美しさに圧倒される。色とりどりの魚たちが登場する海中はとても楽しげで、一方、巨大なクジラやグロテスクな深海魚などが現れる夜の海には恐ろしさを感じた。水の音やクジラの鳴き声などを表現する音や劇伴も、ストーリーをより壮大に見せてくれる。
原作同様、一度作品に触れただけでは答えを見いだせるような物語ではなかった。謎の多い海という存在、生命がテーマ。「あれは何だったんだろう」「これはどういう意味だったんだろう」と考えさせられる作品なのでは、と感じた。見終わった後の感情も言葉にするのが難しい。自分が感じたものは何だったのか、もう一度見て確かめたくなるような作品だった。(岡本温子/MANTAN)