1sage2022/01/21(金) 14:33:08.970
「自分は日本を救う聖戦士。そう信じていた。
今にして思うと、オウム真理教に引き込まれた人と似ているかもしれない」
「元ネトウヨ」という、北海道に住む食品販売関係のパート従業員の男性
(二五)が、自らを振り返る。
ネトウヨになったのは、高校一年生の時。
家にも学校にも居場所がなかったのが原因という。
教育熱心な家庭に育ち、家族の学歴も高い。
でも、自分は勉強が苦手で進学校に進めなかった。
「家では『落ちこぼれ』と言われた。
学校でも、家族は優秀なのにおまえは…とばかにされた」
見下され、劣等感にさいなまれる日々。
そんな時、ネットでネトウヨが作ったという太平洋戦争時の日本を正当化する動画を目にした。
「その考え方に興味を持ち、ネットの動画やサイト、右系論客の本を通じてどんどん引き込まれた」
高校生だった男性の目には、日本はどこか貶(おとし)められている気がしていた。
日本や与党の批判をする「左系知識人」が悪人に思えた。
自分も一人の日本人として、この国のことを真剣に考えたい―。
募る思いは「日本を救わなくては」という切迫感になった。
右翼的な書き込みをつづるブログを立ち上げ、共感できるサイトにリンクを張った。
ネトウヨが作る動画に称賛を、反日的とみなした動画には批判や悪口を投稿。
「マスコミの情報や学校で教えることは間違っている」
と家族に訴え、友だちにネトウヨの考えを植え付けようとした。
田母神(たもがみ)俊雄氏や桜井よしこ氏などの本を読みあさってはうなずき、麻生太郎氏ら愛国的発言をする政治家に感銘。
ネトウヨや右系論客は「聖戦士」に見え、自分もその一人だと思うと、自己肯定感や自尊心がよみがえった。
大学に進んでも、相変わらず家では孤立し、大学でも人間関係がうまくいかない。
「それがネトウヨ信仰を助長させた。
現実社会で付き合いはなくても、ネトウヨのブログやサイトを見ると、一人じゃないと思えた」。
二〇一二年末、衆院選で再び自民党が与党に。安倍晋三氏が首相に返り咲くと「大喜びした」。
だが、ほどなく自民党や首相に違和感を持った。きっかけは、環太平洋連携協定(TPP)。
「自民党は衆院選などで反対を公約にしていたはず。ところが一転して交渉参加に翻った。
TPPに参加したら日本の経済は落ちぶれると考えていたので、裏切られた気がした」。
消費税の増税、イスラエルとの関係強化、まやかしのアべノミクス、カジノ解禁…。
男性は「政策に失望し、徐々に疑うようになった。
首相や自民党の実態を知り、傲慢(ごうまん)さにあきれた」と語気を強める。
時を同じくして、彼らを熱狂的に支持するネトウヨも疑うように。
「ネトウヨが流す情報もデマがあると分かり、ばかばかしくなった。
自分に対しても、いい年して何やっているのかと思うようになりネトウヨをやめたくなった」。
ただ、完全に抜け出すには三年近くかかった。
https://globalethics.wordpress.com/2019/02/20/
今にして思うと、オウム真理教に引き込まれた人と似ているかもしれない」
「元ネトウヨ」という、北海道に住む食品販売関係のパート従業員の男性
(二五)が、自らを振り返る。
ネトウヨになったのは、高校一年生の時。
家にも学校にも居場所がなかったのが原因という。
教育熱心な家庭に育ち、家族の学歴も高い。
でも、自分は勉強が苦手で進学校に進めなかった。
「家では『落ちこぼれ』と言われた。
学校でも、家族は優秀なのにおまえは…とばかにされた」
見下され、劣等感にさいなまれる日々。
そんな時、ネットでネトウヨが作ったという太平洋戦争時の日本を正当化する動画を目にした。
「その考え方に興味を持ち、ネットの動画やサイト、右系論客の本を通じてどんどん引き込まれた」
高校生だった男性の目には、日本はどこか貶(おとし)められている気がしていた。
日本や与党の批判をする「左系知識人」が悪人に思えた。
自分も一人の日本人として、この国のことを真剣に考えたい―。
募る思いは「日本を救わなくては」という切迫感になった。
右翼的な書き込みをつづるブログを立ち上げ、共感できるサイトにリンクを張った。
ネトウヨが作る動画に称賛を、反日的とみなした動画には批判や悪口を投稿。
「マスコミの情報や学校で教えることは間違っている」
と家族に訴え、友だちにネトウヨの考えを植え付けようとした。
田母神(たもがみ)俊雄氏や桜井よしこ氏などの本を読みあさってはうなずき、麻生太郎氏ら愛国的発言をする政治家に感銘。
ネトウヨや右系論客は「聖戦士」に見え、自分もその一人だと思うと、自己肯定感や自尊心がよみがえった。
大学に進んでも、相変わらず家では孤立し、大学でも人間関係がうまくいかない。
「それがネトウヨ信仰を助長させた。
現実社会で付き合いはなくても、ネトウヨのブログやサイトを見ると、一人じゃないと思えた」。
二〇一二年末、衆院選で再び自民党が与党に。安倍晋三氏が首相に返り咲くと「大喜びした」。
だが、ほどなく自民党や首相に違和感を持った。きっかけは、環太平洋連携協定(TPP)。
「自民党は衆院選などで反対を公約にしていたはず。ところが一転して交渉参加に翻った。
TPPに参加したら日本の経済は落ちぶれると考えていたので、裏切られた気がした」。
消費税の増税、イスラエルとの関係強化、まやかしのアべノミクス、カジノ解禁…。
男性は「政策に失望し、徐々に疑うようになった。
首相や自民党の実態を知り、傲慢(ごうまん)さにあきれた」と語気を強める。
時を同じくして、彼らを熱狂的に支持するネトウヨも疑うように。
「ネトウヨが流す情報もデマがあると分かり、ばかばかしくなった。
自分に対しても、いい年して何やっているのかと思うようになりネトウヨをやめたくなった」。
ただ、完全に抜け出すには三年近くかかった。
https://globalethics.wordpress.com/2019/02/20/