博報堂が行った発表によると、1993年と2023年を比較した調査で「一人で過ごす方が好き」と回答した人が半数を超えて56.3%になったという。
驚くべきは特定の年代や既婚、未婚に限らずすべての年代で一人好きが増加したというのだ。この変化の背景を考えたい。
時代は代わりインターネットが登場したことで、現代人は多くの時間をインターネット空間で過ごすように変化した。こども家庭庁の調査によると、
平日一日あたりのインターネットの利用時間は高校生で6時間14分、中学生で4時間42分で動画視聴が90%以上となっている。
また、兄弟がいても同じコンテンツを一緒に楽しむのではなく、それぞれ別々のコンテンツを消費する。
また、同調査によると「会社のお昼休みの行動」という項目でも、同僚ではなく一人で食べたいという人が急増している。このことから分かるのはコミュニティの変化である。
1993年頃は会社で働く社員は戦友、とか家族と言われた。
自分は大学卒業後、複数の会社でサラリーマンをしていたがその一つの会社で「オレ達は一日の内で家族よりも長い時間を過ごすので、家族みたいなもんだ」と言われたことがある。
この一人好きが増えたという調査を見て感じたのは、「人生が楽しくなった」ということだ。娯楽が少なく、一人で過ごしても楽しくなかった時代に比べれば、
今は一人でも無限大に楽しめる娯楽で溢れている。筆者も日中は事務所を借りて一人で過ごしているが、仕事や学ぶことが多くて大変忙しく、
このまま一生飽きない遊園地にいるような感覚である。1993年にタイムスリップしても本があるので一人で楽しめる自信はあるが、それでも現代の方が楽しい娯楽に溢れているのは間違いない。
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