【北京=西見由章】国営新華社通信によると、中国初の空母「遼寧」が25日、母港の山東省青島を出港した。「関係海域で機動訓練を実施する」とし、目的地を明らかにしていないが、7月1日に返還20周年記念式典が開かれる香港に初寄港するとみられる。
遼寧はミサイル駆逐艦「済南」と「銀川」、ミサイル護衛艦「煙台」の3隻と艦隊を組んで出発。「多数の殲(J)15戦闘機とヘリ」を艦載しており、複数の海域にまたがり艦載機の発着艦訓練などを行う。
遼寧の艦隊が香港に向かう場合、台湾海峡を通過する可能性があり、台湾当局は警戒を強めている。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は23日付で「遼寧が香港に寄港する可能性は非常に大きい」との専門家の談話を掲載。
別の関係者は、遼寧の寄港は香港市民の「民族一体感」を高めると同時に「分裂(香港独立)活動をたくらむ国外勢力を震え上がらせる」効果もあるとした。
遼寧は昨年末に宮古海峡を越えて西太平洋に初進出。今年1月に南シナ海で訓練を実施後、台湾海峡を通過して青島に帰港した。
一方、中国当局は25日、習近平国家主席が29日から7月1日まで香港を訪問すると発表した。返還20周年記念式典と新政府の発足式に出席し、香港を視察するとしている。
http://www.sankei.com/world/news/170625/wor1706250022-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/170625/wor1706250022-n2.html
航行する中国の空母「遼寧」(共同)