8月21日から10日間の予定で、米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が韓国で実施される。
4月に続く今年2回目の合同軍事演習だが、野外演習の前回と違い、今回は指揮所演習である。
シミュレーションが主体であり、北朝鮮の核施設・ミサイル基地攻撃を想定したものだ。
とはいえ、米太平洋軍司令部(司令官・ハリス海軍大将)は、原子力空母「カール・ビンソン」(米第3艦隊所属・母港カリフォルニア州サンディエゴ)と、同「ロナルド・レーガン」(米第7艦隊所属・母港横須賀)の2隻、原子力潜水艦「ミシガン」(同・母港ワシントン州バンゴール)を日本海海域に出動させる。
米韓合同訓練には、国防総省国家偵察局が運用する衛星利用測位システム(GPS)に対する北朝鮮の妨害電波発信源攻撃など、「エリント(電子機器)オペレーション」が含まれている。
というのは、かつてグアムのアンダーセン空軍基地から発進したB2ステルス戦略爆撃機が、北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)上空を旋回して領空外に戻るまで北朝鮮側から何ら反撃されることがなかった。
ところが、B2爆撃機の“堂々たる”領空侵犯を後に知った北朝鮮は短期間で米側のGPSを含むスパイ衛星運用を攪乱(かくらん)させる電磁波兵器を開発したというのである。
こうしたことから、強い危機感を抱いた米側が今回、北朝鮮の攪乱電波発信源を特定・撃破する訓練を行うのだ。
それは同時に、北朝鮮側の強い反発を生み、米韓合同軍事演習期間中、警戒最高レベル「特別警戒勤務1号」が発動されることになる。「朝鮮半島有事」勃発が懸念される。
東京都下の横田米空軍基地にある在日米軍司令部(司令官・マルティネス空軍中将)には、日米共同統合作戦調整センターがある。
同センターで、米陸・海・空軍情報連絡官と自衛隊の陸・海・空幕情報官の連携、そして「エリント情報」の日米共有が行われている。
つまり、米韓合同軍事演習の後方支援基地として在日米軍司令部が参加するということである。
北朝鮮はすでに日本を射程に入れた中短距離弾道ミサイル「ノドン」や「スカッド」を実戦配備している。
そして、その具体的な攻撃対象は青森県の三沢、山口県の岩国、沖縄県の嘉手納の各米空軍基地と、第5空軍司令部を置く横田米空軍基地である。
北朝鮮の挑発が日本に向けられる可能性は排除すべきではない。(ジャーナリスト・歳川隆雄)
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170815/soc1708150014-n1.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170815/soc1708150014-n2.html
在日米軍司令部がある横田米空軍基地
4月に続く今年2回目の合同軍事演習だが、野外演習の前回と違い、今回は指揮所演習である。
シミュレーションが主体であり、北朝鮮の核施設・ミサイル基地攻撃を想定したものだ。
とはいえ、米太平洋軍司令部(司令官・ハリス海軍大将)は、原子力空母「カール・ビンソン」(米第3艦隊所属・母港カリフォルニア州サンディエゴ)と、同「ロナルド・レーガン」(米第7艦隊所属・母港横須賀)の2隻、原子力潜水艦「ミシガン」(同・母港ワシントン州バンゴール)を日本海海域に出動させる。
米韓合同訓練には、国防総省国家偵察局が運用する衛星利用測位システム(GPS)に対する北朝鮮の妨害電波発信源攻撃など、「エリント(電子機器)オペレーション」が含まれている。
というのは、かつてグアムのアンダーセン空軍基地から発進したB2ステルス戦略爆撃機が、北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)上空を旋回して領空外に戻るまで北朝鮮側から何ら反撃されることがなかった。
ところが、B2爆撃機の“堂々たる”領空侵犯を後に知った北朝鮮は短期間で米側のGPSを含むスパイ衛星運用を攪乱(かくらん)させる電磁波兵器を開発したというのである。
こうしたことから、強い危機感を抱いた米側が今回、北朝鮮の攪乱電波発信源を特定・撃破する訓練を行うのだ。
それは同時に、北朝鮮側の強い反発を生み、米韓合同軍事演習期間中、警戒最高レベル「特別警戒勤務1号」が発動されることになる。「朝鮮半島有事」勃発が懸念される。
東京都下の横田米空軍基地にある在日米軍司令部(司令官・マルティネス空軍中将)には、日米共同統合作戦調整センターがある。
同センターで、米陸・海・空軍情報連絡官と自衛隊の陸・海・空幕情報官の連携、そして「エリント情報」の日米共有が行われている。
つまり、米韓合同軍事演習の後方支援基地として在日米軍司令部が参加するということである。
北朝鮮はすでに日本を射程に入れた中短距離弾道ミサイル「ノドン」や「スカッド」を実戦配備している。
そして、その具体的な攻撃対象は青森県の三沢、山口県の岩国、沖縄県の嘉手納の各米空軍基地と、第5空軍司令部を置く横田米空軍基地である。
北朝鮮の挑発が日本に向けられる可能性は排除すべきではない。(ジャーナリスト・歳川隆雄)
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170815/soc1708150014-n1.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170815/soc1708150014-n2.html
在日米軍司令部がある横田米空軍基地