北朝鮮で来月、外国の観光客やメディアも受け入れて開催される予定だった航空ショーが、急きょ中止されたことがわかり、国連安全保障理事会の制裁決議で各国による航空燃料の輸出が原則禁止されている中、燃料の浪費を避けたい思惑があるのではないかという見方が出ています。
北朝鮮は去年9月、東部ウォンサン(元山)の空港で朝鮮人民軍の空軍や国営のコリョ(高麗)航空の航空機20機以上が参加する航空ショーを開催し、外国人観光客や地元の住民などおよそ1万5000人を前に、ミグ29戦闘機が離陸して空中で旋回したり軍用ヘリコプターが編隊を組みながら低空飛行したりする様子が披露されました。
北朝鮮はことしも来月23日から2日間の日程で開催するとして観光当局のホームページを通じて外国人観光客のツアー参加を呼びかけていましたが、複数の外交筋などによりますと、ことしの航空ショーは急きょ中止されることが決まったということです。
北朝鮮の国営テレビはことし6月、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、空軍の飛行競技大会が開かれた際の映像を放送していました。
このため北朝鮮は来月の航空ショーも外国メディアも受け入れて予定どおりに開催することで、国連安全保障理事会の制裁決議で各国による航空燃料の輸出が原則禁止されている中でも国際的な圧力に屈しないという姿勢を重ねてアピールするものと見られていました。
外交筋はNHKの取材に対し「中止の理由ははっきりしない」としていますが、北朝鮮の国内事情に詳しい関係者からは燃料の浪費を避けたい思惑があるのではないかという見方が出ています。
北朝鮮による核実験やミサイル発射を受けて、国連の安全保障理事会は北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を断つために繰り返し制裁措置を強化してきました。
このうち、北朝鮮が去年9月、5回目の核実験を強行したのに対し、安保理は去年11月、国連の加盟国が北朝鮮から輸入する石炭の量を従来の半分以下に制限することなどを盛り込んだ制裁決議を採択しました。
また、ことし6月には、北朝鮮が、新型の中距離弾道ミサイル「火星12型」や「北極星2型」などを3週連続で発射したことを受け、北朝鮮の4つの団体と14の個人に対して、海外への渡航を禁止し、資産を凍結する制裁を科しました。
さらに、北朝鮮が先月、ICBM=大陸間弾道ミサイルだとする「火星14型」の発射を2回にわたって強行したことから、安保理は今月5日、石炭や鉄鉱石、それに海産物などの輸出を、上限や例外を設けることなく一切禁止するという制裁決議を全会一致で採択しました。
これについて、アメリカのトランプ大統領は「過去最大の経済制裁だ」と評価するなど北朝鮮に対する国際社会の圧力が一段と強まっていました。
一方、北朝鮮は「アメリカと敵対勢力が仕立て上げた制裁決議は、わが国の自主権に対する侵害だ。断固たる報復で対処し、全面的に排撃する」という政府声明を出すなど強く反発していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170827/k10011114601000.html
北朝鮮は去年9月、東部ウォンサン(元山)の空港で朝鮮人民軍の空軍や国営のコリョ(高麗)航空の航空機20機以上が参加する航空ショーを開催し、外国人観光客や地元の住民などおよそ1万5000人を前に、ミグ29戦闘機が離陸して空中で旋回したり軍用ヘリコプターが編隊を組みながら低空飛行したりする様子が披露されました。
北朝鮮はことしも来月23日から2日間の日程で開催するとして観光当局のホームページを通じて外国人観光客のツアー参加を呼びかけていましたが、複数の外交筋などによりますと、ことしの航空ショーは急きょ中止されることが決まったということです。
北朝鮮の国営テレビはことし6月、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、空軍の飛行競技大会が開かれた際の映像を放送していました。
このため北朝鮮は来月の航空ショーも外国メディアも受け入れて予定どおりに開催することで、国連安全保障理事会の制裁決議で各国による航空燃料の輸出が原則禁止されている中でも国際的な圧力に屈しないという姿勢を重ねてアピールするものと見られていました。
外交筋はNHKの取材に対し「中止の理由ははっきりしない」としていますが、北朝鮮の国内事情に詳しい関係者からは燃料の浪費を避けたい思惑があるのではないかという見方が出ています。
北朝鮮による核実験やミサイル発射を受けて、国連の安全保障理事会は北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を断つために繰り返し制裁措置を強化してきました。
このうち、北朝鮮が去年9月、5回目の核実験を強行したのに対し、安保理は去年11月、国連の加盟国が北朝鮮から輸入する石炭の量を従来の半分以下に制限することなどを盛り込んだ制裁決議を採択しました。
また、ことし6月には、北朝鮮が、新型の中距離弾道ミサイル「火星12型」や「北極星2型」などを3週連続で発射したことを受け、北朝鮮の4つの団体と14の個人に対して、海外への渡航を禁止し、資産を凍結する制裁を科しました。
さらに、北朝鮮が先月、ICBM=大陸間弾道ミサイルだとする「火星14型」の発射を2回にわたって強行したことから、安保理は今月5日、石炭や鉄鉱石、それに海産物などの輸出を、上限や例外を設けることなく一切禁止するという制裁決議を全会一致で採択しました。
これについて、アメリカのトランプ大統領は「過去最大の経済制裁だ」と評価するなど北朝鮮に対する国際社会の圧力が一段と強まっていました。
一方、北朝鮮は「アメリカと敵対勢力が仕立て上げた制裁決議は、わが国の自主権に対する侵害だ。断固たる報復で対処し、全面的に排撃する」という政府声明を出すなど強く反発していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170827/k10011114601000.html