https://news.infoseek.co.jp/article/sankein_wst1712070002/
韓国が不法占拠を続ける「竹島」(島根県隠岐の島町)をめぐり、今年3月に次期学習指導要領で日本固有の領土であることなどを盛り込むよう改訂が告示された。韓国の攻勢に対し、日本政府もようやく重い腰を上げた形だ。一方、平成17年に「竹島の日」を制定した島根県は、すでに独自の「竹島教育」に取り組んでいる。11月に開いた県主催の「竹島問題を考える講座」では、県教委教育指導課の田村康雄指導主事が竹島の教育を取り巻くこうした国の動きや島根県の取り組みについて講演した。主な内容は次のとおり。
教育の役割大きい「竹島への関心度」
内閣府が竹島に関する世論調査を7月に実施し、結果が先日発表された。「竹島に関心がある」と答えたのは59・3%。3年前の前回調査では、66・9%だった。逆に、「関心がない」と答えたのは37・2%で、前回は30・7%。「関心あり」が7%減り、「関心なし」が7%増えたという結果だ。
関心のない人に理由を尋ねたところ、「自分の生活にあまり影響がないから」が64・7%で最も多かった。また、竹島が島根県に属していることを知っていたのは、58・0%。どちらの数字も寂しさを感じる。
その一方、「竹島のことを何で知ったか」という質問に対し、「学校の授業で知った」と答えたのは8・3%だったが、18〜29歳に限れば35・0%。この数字をみると、教育に携わる者としては、教育の役割が大きいと改めて思う。
学習指導要領改訂で与えられた法的根拠
教育基本法が平成18年に改正され、第2条に「教育の目標」として「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という項目が新たに加わった。
「他国を尊重する」という態度は大事なことだが、それは「他国の言いなりになる」ことではない。グローバル化が進む今の世の中で、まずは自分たちの国のことをしっかり学び、領土問題でいえば私たちの主張をきちっと他国の人たちに伝えることができる−ということが求められている。
今回、小・中学校の学習指導要領が今年3月に改訂され、竹島に関する記述が盛り込まれた。これまでにも、学習指導要領の意味や解釈などの詳細について説明した「学習指導要領解説」に竹島が取り上げられていた。だが、文部科学省が定めた教育課程の基準で法的拘束力を持つ学習指導要領に登場したことに意味がある。学校教育で「竹島」を扱う法的根拠が与えられたのだ。
ようやく重い腰を上げた日本政府
学習指導要領以外にも、国の動きが少しずつ出てきた。平成25年2月、内閣官房領土・主権対策企画調整室のウェブサイトが開設された。この年は、島根県が主催する「竹島の日」の記念式典に政府関係者が初めて出席。前年には、韓国大統領として当時の李明博大統領が竹島に初めて上陸したこともあり、国がようやく重い腰を上げてくれたような気がする。
25年7月には「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」が報告書を発表。その中で、「教育現場との連携も含め、国内啓発を強化する必要がある」「竹島問題に関する国内世論の啓発が極めて重要である」とあり、こうしたことも今回の学習指導要領改訂につながった。
26年度には、内閣官房の主催で、領土・主権に関する教員向けのセミナーが始まった。全国の教員が竹島について授業で取り上げられるよう、学校現場を指導する教育委員会の担当者らが参加。3年続けて島根県で開催されたが、今年は初めて埼玉県で開かれた。
新学習指導要領を先取りする島根県の取り組み
竹島問題を考える中で、大きな柱は3つあると考えている。1つ目は専門的な立場から議論していく「研究」。2つ目は県内外に竹島を紹介する「啓発」。そして3つ目が教育。
島根県が17年に制定した「竹島の日」条例では、第3条で「県は、竹島の日の趣旨にふさわしい取り組みを推進するため、必要な施策を講ずるよう努める」と規定。県教委はこれを根拠として、「竹島教育」「領土教育」をさらに進めようと取り組んでいる。
竹島をめぐる問題は、実際に発生している領土問題であり、島根県政にとっても大きな重点課題。もちろん島根県だけの問題ではないが、全国に広めていくと同時に、県内でももっと関心を高めていく必要があり、教育の場で扱うことに大きな意義がある。
以下ソース
韓国が不法占拠を続ける「竹島」(島根県隠岐の島町)をめぐり、今年3月に次期学習指導要領で日本固有の領土であることなどを盛り込むよう改訂が告示された。韓国の攻勢に対し、日本政府もようやく重い腰を上げた形だ。一方、平成17年に「竹島の日」を制定した島根県は、すでに独自の「竹島教育」に取り組んでいる。11月に開いた県主催の「竹島問題を考える講座」では、県教委教育指導課の田村康雄指導主事が竹島の教育を取り巻くこうした国の動きや島根県の取り組みについて講演した。主な内容は次のとおり。
教育の役割大きい「竹島への関心度」
内閣府が竹島に関する世論調査を7月に実施し、結果が先日発表された。「竹島に関心がある」と答えたのは59・3%。3年前の前回調査では、66・9%だった。逆に、「関心がない」と答えたのは37・2%で、前回は30・7%。「関心あり」が7%減り、「関心なし」が7%増えたという結果だ。
関心のない人に理由を尋ねたところ、「自分の生活にあまり影響がないから」が64・7%で最も多かった。また、竹島が島根県に属していることを知っていたのは、58・0%。どちらの数字も寂しさを感じる。
その一方、「竹島のことを何で知ったか」という質問に対し、「学校の授業で知った」と答えたのは8・3%だったが、18〜29歳に限れば35・0%。この数字をみると、教育に携わる者としては、教育の役割が大きいと改めて思う。
学習指導要領改訂で与えられた法的根拠
教育基本法が平成18年に改正され、第2条に「教育の目標」として「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という項目が新たに加わった。
「他国を尊重する」という態度は大事なことだが、それは「他国の言いなりになる」ことではない。グローバル化が進む今の世の中で、まずは自分たちの国のことをしっかり学び、領土問題でいえば私たちの主張をきちっと他国の人たちに伝えることができる−ということが求められている。
今回、小・中学校の学習指導要領が今年3月に改訂され、竹島に関する記述が盛り込まれた。これまでにも、学習指導要領の意味や解釈などの詳細について説明した「学習指導要領解説」に竹島が取り上げられていた。だが、文部科学省が定めた教育課程の基準で法的拘束力を持つ学習指導要領に登場したことに意味がある。学校教育で「竹島」を扱う法的根拠が与えられたのだ。
ようやく重い腰を上げた日本政府
学習指導要領以外にも、国の動きが少しずつ出てきた。平成25年2月、内閣官房領土・主権対策企画調整室のウェブサイトが開設された。この年は、島根県が主催する「竹島の日」の記念式典に政府関係者が初めて出席。前年には、韓国大統領として当時の李明博大統領が竹島に初めて上陸したこともあり、国がようやく重い腰を上げてくれたような気がする。
25年7月には「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」が報告書を発表。その中で、「教育現場との連携も含め、国内啓発を強化する必要がある」「竹島問題に関する国内世論の啓発が極めて重要である」とあり、こうしたことも今回の学習指導要領改訂につながった。
26年度には、内閣官房の主催で、領土・主権に関する教員向けのセミナーが始まった。全国の教員が竹島について授業で取り上げられるよう、学校現場を指導する教育委員会の担当者らが参加。3年続けて島根県で開催されたが、今年は初めて埼玉県で開かれた。
新学習指導要領を先取りする島根県の取り組み
竹島問題を考える中で、大きな柱は3つあると考えている。1つ目は専門的な立場から議論していく「研究」。2つ目は県内外に竹島を紹介する「啓発」。そして3つ目が教育。
島根県が17年に制定した「竹島の日」条例では、第3条で「県は、竹島の日の趣旨にふさわしい取り組みを推進するため、必要な施策を講ずるよう努める」と規定。県教委はこれを根拠として、「竹島教育」「領土教育」をさらに進めようと取り組んでいる。
竹島をめぐる問題は、実際に発生している領土問題であり、島根県政にとっても大きな重点課題。もちろん島根県だけの問題ではないが、全国に広めていくと同時に、県内でももっと関心を高めていく必要があり、教育の場で扱うことに大きな意義がある。
以下ソース