昨年11月の輸出が前年同月比で14.3%減少し、12カ月連続でマイナスを記録したというニュースが昨日(2日)の新聞に掲載された。韓国政府は米中貿易戦争など外部環境悪化のせいにしているが、ライバル国である中国(0.9%減)、日本(9.2%減)よりも減少幅がはるかに大きい。半導体、自動車、機械、石油化学、石油製品という5大主力輸出品目がいずれも大幅な減少を示した。製造業が競争力を失う危機に陥ったことは否定できない。韓国経済の主軸が揺らいでいるのだ。
輸出だけでなく、雇用、不動産、物価、財政などの分野の暗いニュースが紙面を埋め尽くしている。雇用分野では最低賃金を受け取れていない勤労者が16.5%となり、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足前の13%に比べ大きく増えた。特に飲食・宿泊業従事者は43%が最低賃金を受け取れずにいる。文在寅政権は庶民層のためだとして、最低賃金を2年間で29%引き上げたが、現実が伴わなかった。現実とかけ離れた政策はむしろ最下位層をさらに貧困に追い込む。
基礎年金、子ども手当拡大など現金支給型の福祉が急増した結果、国民1人当たりの政府債務が1400万ウォン(約128万円)を超えたとも報じられた。文在寅政権発足前の1人当たり1224万ウォンから16%も膨らんだ。バラマキ福祉のせいで雇用基金が枯渇の危機に直面すると、共働き夫婦のための公共保育園の予算を全額削減するというニュースも伝えられた。見せかけの雇用をつくり出すために税金を無駄遣いし、本当に必要な保育施設への投資を中断した格好だ。
ソウルのマンション価格は11月も急騰し、過去1年余りで最高の上昇率を示した。分譲価格上限制と大学の定期募集枠拡大方針がソウルの住宅価格をコントロール不能な状況へと追い込んでいる。11月の農産物を除くコア物価の上昇率が過去20年で最低だったとも伝えられた。「デフレ」の悪夢が周囲に漂い始めた。これらは全てわずか1日の間に相次いだニュースだ。
2日が例外というわけではない。雇用・所得の停滞、負債急増、競争力低下など暗いニュースが紙面に載らない日はほとんどない状況だ。手遅れになる前に方向転換し、新たな活力を生み出さなければならない。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/12/03/2019120380006.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/12/03 09:00