選挙法など法案通過の一等功臣なのに…金最高委員「息子の選挙区世襲はダメ」
息子の妻と孫、教育のために公館に転入
与党「共に民主党」指導部が、文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の息子による地域区(小選挙区)の「世襲」の可能性を事実上閉ざそうという雰囲気だ。文議長の選挙区を戦略公薦(党公認)の対象区に指定したかと思えば、最高委員が自ら「政治権力の代替わり(世襲)は国民が同意しない」と公の場で批判した。政界では「選挙法改正案と高位公職者犯罪捜査処設置法案を処理した際の『一等功臣』だった文議長が、民主党に『狡兎(こうと)死して走狗(そうく)烹(に)らる(必要な時は重宝されるが不要になればあっさり捨てられる)』の仕打ちを受けるのではないか」との声が聞かれる。
共に民主党の金海永(キム・ヘヨン)最高委員は20日、党の会議で「親が国会議員として活動している場合、その選挙区で次の任期にその子女が同じ党の公認を受けて出馬するのは国民感情を考えると納得しがたい」と述べた。文議長の息子、ソクキュン氏(49)が父の選挙区である京畿道議政府甲から出馬すると宣言したことを指して発言したものだ。金最高委員は、共に民主党の(候補を決める)党内選の規則が「権利党員(党費を納める党員)50%、一般国民50%」という点に言及し、京畿道議政府甲で党内選を実施することに反対の立場を表明した。金最高委員は「地域委員長(文議長)は普段から党員を組織する立場にあるため、(文議長の息子が)党内選に出馬すれば権利党員部門で絶対的に有利になる」と述べた。金最高委員は党指導部と事前のすり合わせをせずに発言したとしているが、この日、一部の指導部関係者は非公開の会議で「非常によくやった」と同意したという。さらに最近、共に民主党の戦略公薦管理委員会は、議政府甲の選挙区では党内選を行わずに戦略公薦の対象区とすることを決めた。ソクキュン氏が党の公認を受けるのは困難になったとの分析だ。ある野党関係者は「共に民主党が文議長を用無しとして切り捨てたのではないか」と話した。
文議長側は困惑している雰囲気だ。文議長は政府の予算案など争点の法案の処理当時「息子に選挙区を引き継がせようと、露骨に与党の肩を持っている」と野党から抗議を受けていた。それでも「私の息子は政治の授業も受けたしキャリアもある」として「実力がなければ党内選で落選するのではないか」と述べた。しかし、党内選すら行えない可能性が高まってきた。ある指導部議員は「文議長の息子が党の公認を受ければ首都圏での選挙の行方に否定的な影響を与えるだろう」として「議論しなければならないが、党内選を行う可能性は極めて低い」と述べた。
一方、文議長が議長に就任した直後の2018年7月、息子ソクキュン氏の妻と孫たちがソウル・漢南洞の公館に転入していたことが確認された。文議長の孫は19年1月、漢南小学校の児童会長になり、昨年末にソウル地域の中学校への進学を割り当てられたという。ソクキュン氏は選挙に出馬するために議政府甲の地域に残った。子どもの教育のために、また別の「親の特権」を使ったわけだ。文議長側は「5月に議長の任期が終われば孫たちも転校させる予定」と説明した。
キム・アジン記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/21/2020012180269.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/01/21 20:47
息子の妻と孫、教育のために公館に転入
与党「共に民主党」指導部が、文喜相(ムン・ヒサン)国会議長の息子による地域区(小選挙区)の「世襲」の可能性を事実上閉ざそうという雰囲気だ。文議長の選挙区を戦略公薦(党公認)の対象区に指定したかと思えば、最高委員が自ら「政治権力の代替わり(世襲)は国民が同意しない」と公の場で批判した。政界では「選挙法改正案と高位公職者犯罪捜査処設置法案を処理した際の『一等功臣』だった文議長が、民主党に『狡兎(こうと)死して走狗(そうく)烹(に)らる(必要な時は重宝されるが不要になればあっさり捨てられる)』の仕打ちを受けるのではないか」との声が聞かれる。
共に民主党の金海永(キム・ヘヨン)最高委員は20日、党の会議で「親が国会議員として活動している場合、その選挙区で次の任期にその子女が同じ党の公認を受けて出馬するのは国民感情を考えると納得しがたい」と述べた。文議長の息子、ソクキュン氏(49)が父の選挙区である京畿道議政府甲から出馬すると宣言したことを指して発言したものだ。金最高委員は、共に民主党の(候補を決める)党内選の規則が「権利党員(党費を納める党員)50%、一般国民50%」という点に言及し、京畿道議政府甲で党内選を実施することに反対の立場を表明した。金最高委員は「地域委員長(文議長)は普段から党員を組織する立場にあるため、(文議長の息子が)党内選に出馬すれば権利党員部門で絶対的に有利になる」と述べた。金最高委員は党指導部と事前のすり合わせをせずに発言したとしているが、この日、一部の指導部関係者は非公開の会議で「非常によくやった」と同意したという。さらに最近、共に民主党の戦略公薦管理委員会は、議政府甲の選挙区では党内選を行わずに戦略公薦の対象区とすることを決めた。ソクキュン氏が党の公認を受けるのは困難になったとの分析だ。ある野党関係者は「共に民主党が文議長を用無しとして切り捨てたのではないか」と話した。
文議長側は困惑している雰囲気だ。文議長は政府の予算案など争点の法案の処理当時「息子に選挙区を引き継がせようと、露骨に与党の肩を持っている」と野党から抗議を受けていた。それでも「私の息子は政治の授業も受けたしキャリアもある」として「実力がなければ党内選で落選するのではないか」と述べた。しかし、党内選すら行えない可能性が高まってきた。ある指導部議員は「文議長の息子が党の公認を受ければ首都圏での選挙の行方に否定的な影響を与えるだろう」として「議論しなければならないが、党内選を行う可能性は極めて低い」と述べた。
一方、文議長が議長に就任した直後の2018年7月、息子ソクキュン氏の妻と孫たちがソウル・漢南洞の公館に転入していたことが確認された。文議長の孫は19年1月、漢南小学校の児童会長になり、昨年末にソウル地域の中学校への進学を割り当てられたという。ソクキュン氏は選挙に出馬するために議政府甲の地域に残った。子どもの教育のために、また別の「親の特権」を使ったわけだ。文議長側は「5月に議長の任期が終われば孫たちも転校させる予定」と説明した。
キム・アジン記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/21/2020012180269.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/01/21 20:47