0001新種のホケモン ★
2020/08/12(水) 12:26:59.34ID:CAP_USERちょっとありえないぐらい不謹慎なタイトルですが、最後まで読んでいただけると真意がご理解いただけるかと思います。
8月10日夜、香港民主派活動家のアイドル的存在であった周庭(アグネス・チョウ)さんが中国当局に逮捕されてしまい、世界中のSNSで「#周庭氏の逮捕に抗議します」や「#FreeAgnes」タグがトレンド入りするなど大きな反応がありました。
その後、私もFINDERS編集部から何か書いてくれと言われて、とにかく「逮捕された先で当局から酷い扱いを受けないように皆で中国政府にプレッシャーをかけよう」という記事を書こうと思って準備していたら思いの外はやく保釈が決まったわけですが…とにかくほっとしました。
「こんなことは中国じゃ毎日のようにどこかで起きていること」なのに、普段それには見向きもしないで周庭さんのときだけ騒ぐのはオカシイ!!
という批判はある意味正しいと思いますが、かなり声高にそういう批判をしているSNSアカウントですら、思いの外早い保釈決定に「ほっとした」気持ちを吐露している人は多かったように思います。
かくいう私も、日本語が達者で日本のメディアでしょっちゅう自分の言葉で話していた若い女性が、「中国当局の権力」によって逮捕されるという絵自体に、自分でも意外なぐらい心が乱された気持ちになりました。
私の妻はこういう「政治的」な話にあまり関わらないノンポリタイプなのですが、その妻ですら「仮面ライダー電王と欅坂46が好きで、嵐のメンバーで一番好きなのは二宮くん」という「自分とあまりに同じ好み」の周庭さんのことは他人事とは思えない気持ちになって心配していました。
保釈された直後のご本人のコメント動画はSNSに結構あがっていますが、流暢な日本語で
「拘束されているときに、ずっと“不協和音(欅坂46の)”という日本語の歌の歌詞が頭の中で浮かんでいました」
とか言っちゃう若い女性の、日本国内における世論喚起力はそれ自体馬鹿にできない物凄いものがあるのではないかという感じがします。
最近中国当局が「米中の綱引きの中で日本政府や日本世論が急激に米国側に傾きつつあるのをかなり気にしている」様子を感じるんですが、今回の周庭さんの迅速な保釈決定にも、ひょっとするとそういう日本世論への影響力は考慮されていたかもしれません。
周庭さんは香港民主派の中心人物の一人ではあるものの、いわゆる「リーダー」ではないこともあって、世界的な注目はむしろ同時期にメディア企業「ネクスト・デジタル」経営者の黎智英(ジミー・ライ)氏が逮捕されたニュースの方に集まっていたようですが、 日本における注目は断然周庭さんの方が大きかったですよね。
政治的な左右に関わらず、一般人からいろんな政党関係者まで、普段はスルーしていたこの問題に突然のように声を上げている様子がSNSで見られた。
そういう「反応の差」は政治的に大真面目なロジックから言えばいくらでも批判できることのようにも思うわけですが、ただ香港ひいては中国全体の民主化問題や、世界大戦の可能性すら否定できない米中対立の激化の中で日本人の私たちにできること、を考えるときに、ある種この「かわいいは正義」的な感情の動きの大きさを否定せずに考えることが必要かもしれない、と、今回の件を通じて私は考えるようになりました。
(続く)
倉本圭造
経営コンサルタント・経済思想家
FINDERS 8/12(水) 11:08
https://news.yahoo.co.jp/articles/777c8648cf51899d5f47b12e6302da1cfc580c70
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