(台北中央社)蔡英文(さいえいぶん)総統は25日、台北市内で、戦後の台湾で起こった最大の悲劇「2・28事件」と台湾原住民(先住民)をテーマとした学術シンポジウムに出席した。蔡氏は、異なる種族が持つ同事件の記憶が全て人々の耳や目に届いてこそ、移行期の正義が目指す歴史の真相究明を達成できると述べ、同事件をめぐる台湾原住民(先住民)の観点が「おろそかにされることはない」と強調した。
2・28事件は、1947年2月28日に発生した、国民党政権と市民との大規模衝突事件。外省人(中国大陸出身者)を主とする同党の強権的な支配に対する本省人(台湾出身者)の不満が爆発して台湾中に抗議デモが広がったが、軍によって武力鎮圧され、多数の死傷者、行方不明者が出た。その後台湾は長い白色テロ時代に突入し、この事件について語ることはタブー視されてきたが、民主化が進むにつれて真相究明への機運が高まった。現在2月28日は台湾の「平和記念日」に制定されており、これに合わせた関連イベントも多く開催されている。
蔡氏は、最近増えている先住民目線の研究や展示会は、同事件が単なる外省人と本省人との衝突ではなく、先住民にも影響を及ぼしていたことを伝えるものだとした上で、これらの多元的な歴史の記憶を明らかにすることは事件がもたらした影響をより深く、より完全に理解することにつながると指摘。「政府にとってこの事件はもうタブーではない」と述べ、謙虚に歴史と向き合い、同じ過ちを二度と繰り返してはならないと力説した。
(温貴香/編集:塚越西穂)
中央社フォーカス台湾 2021/02/25 14:29
https://japan.cna.com.tw/news/apol/202102250003.aspx
蔡英文総統
2・28事件は、1947年2月28日に発生した、国民党政権と市民との大規模衝突事件。外省人(中国大陸出身者)を主とする同党の強権的な支配に対する本省人(台湾出身者)の不満が爆発して台湾中に抗議デモが広がったが、軍によって武力鎮圧され、多数の死傷者、行方不明者が出た。その後台湾は長い白色テロ時代に突入し、この事件について語ることはタブー視されてきたが、民主化が進むにつれて真相究明への機運が高まった。現在2月28日は台湾の「平和記念日」に制定されており、これに合わせた関連イベントも多く開催されている。
蔡氏は、最近増えている先住民目線の研究や展示会は、同事件が単なる外省人と本省人との衝突ではなく、先住民にも影響を及ぼしていたことを伝えるものだとした上で、これらの多元的な歴史の記憶を明らかにすることは事件がもたらした影響をより深く、より完全に理解することにつながると指摘。「政府にとってこの事件はもうタブーではない」と述べ、謙虚に歴史と向き合い、同じ過ちを二度と繰り返してはならないと力説した。
(温貴香/編集:塚越西穂)
中央社フォーカス台湾 2021/02/25 14:29
https://japan.cna.com.tw/news/apol/202102250003.aspx
蔡英文総統