ネット上に書いてある陰謀論やデマを信じ、「日本を滅ぼす」などと思い込んで、男がインターナショナルスクール「コリア国際学園」や立憲民主党・辻元清美・参議院議員の事務所、さらに創価学会の施設を連続襲撃した事件。建造物損壊などの罪で起訴されている無職・太刀川誠被告(30=犯行当時は29歳)に12月8日、大阪地裁で判決が言い渡される。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
「立憲民主党が嫌いだった」辻元事務所の防犯カメラに映った“防護服姿”の男、犯行の瞬間と被害の様子
在日コリアンに「嫌悪感」を抱いていたという被告に、検察側は懲役3年を求刑。論告のなかでは「不合理な差別は許されない。酌量の余地はない」と指摘した。もしかすれば、命を狙われていたかもしれないーー。自らのルーツだけを理由に、自分の通う学校が卑劣なヘイトクライムの「ターゲット」となった、在日コリアンの女子高生、そして保護者がいま抱える思いを聞いた。
(注:事件の実相を伝えるため、この記事には差別・暴力表現が含まれます)
まず、経緯を振り返る
起訴状などによると、被告は、2022年4月5日に大阪府茨木市のコリア国際学園に侵入し、広場に置いてあった段ボール箱にライターオイルを染み込ませ、ガスバーナーで火をつけて床を焼損させた。
「在日韓国・朝鮮人を野放しにすると日本が危険に晒される」と思い込んでいたという被告。在日コリアンに対する「嫌悪感」もあったと述べており、憎悪感情を根底に排除を煽ろうとした「ヘイトクライム」であることは明らかだ。
「コリア国際学園」は、2008年に設立された中高一貫のインターナショナルスクール。多様性に富んだ「越境人」の育成が理念で、在校生は在日コリアンや留学生らのほか、日本人もいる。なかでも、2021年に新設された「K-POP・エンターテイメントコース」の日本人生徒の人気が高い。
男は犯行を計画するまで、この学校のそうした背景はおろか、存在そのものも知らなかったようだ。裁判では「朝鮮学校と検索をかけて知って、家から比較的近くにあったので狙おうと思った」と、その理由を法廷で自ら明かしている。
朝鮮学校を狙おうと考えること自体が論外だが、実際に襲ったのが各地の朝鮮学校とは経営母体も理念も全く異なるコリア国際学園だというところが、この犯行の二重の短絡性を示している。
また、犯行を通じて関係者や生徒らの個人情報を入手し、「嫌がらせをして、日本から追い出す」目的があったと述べたほか、同園に送った謝罪文には、こうも綴っている。
「北朝鮮の拉致、ミサイルなどの情報から、在日朝鮮人は日本人に敵意をもち、財産・命を奪う存在であると思い込んでいました。会う機会もなく、独断と偏見から、力ずくで排除しないといけないと思っていました」
男はこの犯行前後の3月と5月には、同府高槻市の辻元氏の事務所と、大阪市淀川区の創価学会・淀川文化会館を狙って同様の事件を起こしている。「立憲民主党は日本を滅亡に追い込む組織」「創価学会も日本を貶める組織」だと思っていたという。
いずれも、1年ほど前に自分のアカウントを開設したTwitter上などで得た、根拠のない情報やデマ、陰謀論などを信じ込んだとみられる。
以下全文はソース先で
※判決は12月8日午前10時に、大阪地裁で言い渡される予定
12/8(木) 8:34 BuzzFeed Japan
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5557ab9d8b5db32c3053dc68f202df47ef0374c
「立憲民主党が嫌いだった」辻元事務所の防犯カメラに映った“防護服姿”の男、犯行の瞬間と被害の様子
在日コリアンに「嫌悪感」を抱いていたという被告に、検察側は懲役3年を求刑。論告のなかでは「不合理な差別は許されない。酌量の余地はない」と指摘した。もしかすれば、命を狙われていたかもしれないーー。自らのルーツだけを理由に、自分の通う学校が卑劣なヘイトクライムの「ターゲット」となった、在日コリアンの女子高生、そして保護者がいま抱える思いを聞いた。
(注:事件の実相を伝えるため、この記事には差別・暴力表現が含まれます)
まず、経緯を振り返る
起訴状などによると、被告は、2022年4月5日に大阪府茨木市のコリア国際学園に侵入し、広場に置いてあった段ボール箱にライターオイルを染み込ませ、ガスバーナーで火をつけて床を焼損させた。
「在日韓国・朝鮮人を野放しにすると日本が危険に晒される」と思い込んでいたという被告。在日コリアンに対する「嫌悪感」もあったと述べており、憎悪感情を根底に排除を煽ろうとした「ヘイトクライム」であることは明らかだ。
「コリア国際学園」は、2008年に設立された中高一貫のインターナショナルスクール。多様性に富んだ「越境人」の育成が理念で、在校生は在日コリアンや留学生らのほか、日本人もいる。なかでも、2021年に新設された「K-POP・エンターテイメントコース」の日本人生徒の人気が高い。
男は犯行を計画するまで、この学校のそうした背景はおろか、存在そのものも知らなかったようだ。裁判では「朝鮮学校と検索をかけて知って、家から比較的近くにあったので狙おうと思った」と、その理由を法廷で自ら明かしている。
朝鮮学校を狙おうと考えること自体が論外だが、実際に襲ったのが各地の朝鮮学校とは経営母体も理念も全く異なるコリア国際学園だというところが、この犯行の二重の短絡性を示している。
また、犯行を通じて関係者や生徒らの個人情報を入手し、「嫌がらせをして、日本から追い出す」目的があったと述べたほか、同園に送った謝罪文には、こうも綴っている。
「北朝鮮の拉致、ミサイルなどの情報から、在日朝鮮人は日本人に敵意をもち、財産・命を奪う存在であると思い込んでいました。会う機会もなく、独断と偏見から、力ずくで排除しないといけないと思っていました」
男はこの犯行前後の3月と5月には、同府高槻市の辻元氏の事務所と、大阪市淀川区の創価学会・淀川文化会館を狙って同様の事件を起こしている。「立憲民主党は日本を滅亡に追い込む組織」「創価学会も日本を貶める組織」だと思っていたという。
いずれも、1年ほど前に自分のアカウントを開設したTwitter上などで得た、根拠のない情報やデマ、陰謀論などを信じ込んだとみられる。
以下全文はソース先で
※判決は12月8日午前10時に、大阪地裁で言い渡される予定
12/8(木) 8:34 BuzzFeed Japan
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5557ab9d8b5db32c3053dc68f202df47ef0374c