習近平国家主席率いる中国と、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の北朝鮮が26日、異例の軍事的威嚇を強行した。中国軍機71機が同日早朝まで台湾周辺で活動し、うち47機が台湾のADIZ(防空識別圏)に一時進入した。北朝鮮の無人機計5機も同日午前、韓国の領空を侵犯し、一部は首都ソウル上空に侵入した。中国と北朝鮮が連携した可能性もありそうだ。
台湾の国防部(国防省に相当)によると、台湾のADIZに進入した中国軍機47機の多くは台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」中間線を越え、台湾側を飛行したという。一歩間違えれば、戦争になりかねない危険な行動といえる。
台湾・中央通信社の運営する日本語サイト「フォーカス台湾」は26日、飛来した中国軍機について、戦闘機「殲16」18機、「殲11」12機、「殲10」6機、「スホイ30」6機、軍事用ドローン「彩虹4号」1機、対潜哨戒機「運8」1機などと報じた。ナンシー・ペロシ米下院議長が訪台した8月上旬にも、中国軍は同様の威嚇を行ったが、当時確認された軍用機は1日当たり66機で、今回の方が多かった。
一方、韓国では26日午前10時25分ごろ、北朝鮮の無人機5機が南北の軍事境界線を越え、韓国の領空を侵犯した。北朝鮮無人機の領空侵犯は2017年以来。韓国軍は100発超の射撃を行ったが、撃墜できなかった。
無人機5機のうち1機はソウルに飛来し、約3時間も飛行した後、軍事境界線の北側に戻った。残る4機は、仁川(インチョン)国際空港の北方、江華島(カンファド)に飛来した後、位置を確認できていない。
中国軍は25日から、台湾周辺の海空域で統合軍事演習を実施していた。中国と北朝鮮が示し合わせて軍事的威嚇をした可能性はあるのか。
福井県立大学の島田洋一教授は「中国と北朝鮮が、台湾と韓国の背後にいる米軍を見据えた陽動作戦として、中国軍機による台湾ADIZ進入に合わせて、北朝鮮の無人機を韓国に飛来させた可能性は十分にある。来年1月から米下院の主導権を、東アジア向けの装備充実を主張する共和党が握るため、その前に米国を牽制(けんせい)する狙いもあったのではないか。中国と北朝鮮、ロシア、イランも加えた4カ国が連動して動いてくる可能性を想定し、日本も備えなければならない」と話した。
2022.12/27 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20221227-6VJUIL7V75NPVMHQJ6BJTW2XX4/2/
台湾の国防部(国防省に相当)によると、台湾のADIZに進入した中国軍機47機の多くは台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」中間線を越え、台湾側を飛行したという。一歩間違えれば、戦争になりかねない危険な行動といえる。
台湾・中央通信社の運営する日本語サイト「フォーカス台湾」は26日、飛来した中国軍機について、戦闘機「殲16」18機、「殲11」12機、「殲10」6機、「スホイ30」6機、軍事用ドローン「彩虹4号」1機、対潜哨戒機「運8」1機などと報じた。ナンシー・ペロシ米下院議長が訪台した8月上旬にも、中国軍は同様の威嚇を行ったが、当時確認された軍用機は1日当たり66機で、今回の方が多かった。
一方、韓国では26日午前10時25分ごろ、北朝鮮の無人機5機が南北の軍事境界線を越え、韓国の領空を侵犯した。北朝鮮無人機の領空侵犯は2017年以来。韓国軍は100発超の射撃を行ったが、撃墜できなかった。
無人機5機のうち1機はソウルに飛来し、約3時間も飛行した後、軍事境界線の北側に戻った。残る4機は、仁川(インチョン)国際空港の北方、江華島(カンファド)に飛来した後、位置を確認できていない。
中国軍は25日から、台湾周辺の海空域で統合軍事演習を実施していた。中国と北朝鮮が示し合わせて軍事的威嚇をした可能性はあるのか。
福井県立大学の島田洋一教授は「中国と北朝鮮が、台湾と韓国の背後にいる米軍を見据えた陽動作戦として、中国軍機による台湾ADIZ進入に合わせて、北朝鮮の無人機を韓国に飛来させた可能性は十分にある。来年1月から米下院の主導権を、東アジア向けの装備充実を主張する共和党が握るため、その前に米国を牽制(けんせい)する狙いもあったのではないか。中国と北朝鮮、ロシア、イランも加えた4カ国が連動して動いてくる可能性を想定し、日本も備えなければならない」と話した。
2022.12/27 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20221227-6VJUIL7V75NPVMHQJ6BJTW2XX4/2/