台湾国防部(国防省)は10日、中国の軍用機延べ37機が同日午前5時20分(日本時間同6時20分)以降、
台湾周辺で活動したのを確認したと発表した。うち延べ36機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越え西太平洋に向かい、
中国軍の空母「山東」との「海空合同訓練」を実施したとしている。
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台湾国防部によると、10日確認された軍用機は戦闘機「殲16」や爆撃機「轟6」、早期警戒機「空警500」など。
フォーカス台湾の報道では、顧立雄(こ・りつゆう)国防部長(国防相)は同日、山東はバシー海峡の南方でフィリピン北部にある
バリンタン海峡を通過して西太平洋へ航行したと説明したという。
防衛省統合幕僚監部も9日、沖縄県・宮古島の南東約520キロの太平洋上で、山東など計4隻が航行しているのを確認したと発表した。
戦闘機やヘリコプターの発着艦も確認していた。
今回の中国軍の動きについて、元陸上自衛隊中部方面総監の山下裕貴氏は「日常的な発着艦の練成が主目的だろう。
ただ、中国軍が恒常的に中間線を越えるようになったことは、訓練か侵攻かの判断が難しくなり、
いつ攻撃に転じてもおかしくない状況といえる。
頼清徳政権への圧力に加え、バシー海峡、バリンタン海峡での活動は、日本とフィリピンの防衛協力に対する圧力の可能性もある。
日台連携のため最低限の防衛上のシステムを共有できる特別法などの整備に向けた具体的議論が必要ではないか」と語る。
一方、海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が4日、中国浙江省沖の中国領海を一時航行したとして、
中国政府が日本側に深刻な懸念を伝達していたことが分かった。
国連海洋法条約では領海を航行できる「無害通航権」が認められており、法的問題はないとみられる。
中国側は沖縄県・尖閣諸島周辺などで海軍や海警局の艦船による日本領海への侵入を繰り返している。
2024.7/11 15:10
https://www.zakzak.co.jp/article/20240711-PPGU33TDDNMIZERJ7VJ5SU6AHQ/
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