勇者「あれ、仲間って君だけ?なんか情報と違うけど…、まあいいか。それじゃ早速旅にでましょうか」
女魔法使い「あ、ちょっと待ってください、勇者さん、今装備している武器と防具ってその」
勇者「え、ああ、武器はヒノキの棒で、防具はこれ、お鍋の蓋かな?まあ、初期装備ってことで」
女魔法使い「そ、それじゃレベルは」
勇者「え?当然レベルは1だよ?これから冒険始めるんだから、当たり前…」
女魔法使い「じゃ、じゃあ歳は!?」
勇者「えっと35であと2か月したら36に…」
女魔法使い「おっさんやんっ!」
女魔法使い「伝説では異世界からくる勇者様は、歳は十代、超イケメンで
はじめからめちゃくちゃ強くて、くっそ強力な武器持ってるって話でしたけど…」
女魔法使い「少なくとも貴方よりちょっと前に来た勇者さんはそんな感じでしたし」
勇者「ああ、僕らよりちょっと若い世代の勇者はそんなかんじかもね。
けど、まあ勇者っていろんなタイプいるからさ…、ってあれ、俺が来るより前に
もほかに勇者来たの…?」
女魔法使い「ええ、超イケメンで強そうなのが。
私の同期の戦士と僧侶と武道家はその勇者と一足先に
旅に出ちゃいましたよ。
はあ…、わたしも最初に来た勇者さんについていけばよかった…まさか次に来る勇者さんが、こんな普通のおっさんとは」
勇者「ええ…、いやひどいな君。けど、なんで皆と一緒にその若い勇者と旅にでなかったの」
女魔法使い「…、なんかその勇者、自信に満ち溢れてて、女癖悪そうだったからいけ好かなくて」
勇者「君、全方位に口悪いな…、まあいいけど、一応、俺と一緒に魔王討伐のために
パーティ組んでくれるってことでいいんだよね」
女魔法使い「ええ、もう仕方ありませんからあなたについていきますよ…はあ」
最初の村
女魔法使い「ここが最初の村ですね。ええと、まずはどうしたらいいんだろ…、
書物とかだとなんかギルトとかに行って、依頼とかを引き受けたりとかそういう…」
勇者「まずは情報収集だな」
女魔法使い「え?」
勇者「あ、すみませーん、お爺さんちょっと」
村人A「ふぉっふぉ、ここは最初の村じゃよ」
勇者「そっか、ありがとうございます、あ、そこの、すみません」
村人B「剣や防具は持ってるだけじゃなくちゃんと装備しないと意味ないよ」
勇者「なるほど、ありがとうございます」
女魔法使い「ええ…?」
女魔法使い「なにやってんですか、そんなしらみつぶしに村の人に声掛けて」
勇者「こういうのはまず村の人から情報を得て冒険のヒントを得るんだよ。常識じゃないか…、よし次は」
勇者「すみませーん」がちゃ
女魔法使い「ちょ、ちょっとそこ人んちでしょ、だ、だめですよちょっと!」
村人C「東にある塔に魔法のカギを守ってる魔物がいるそうだよ」
勇者「うん、なるほど。ありがとうございます。よっと」ぱりーん
女魔法使い「いや何家のツボ勝手に割ってるんですか!」
勇者「みてみ。ツボから薬草でてきた。もらっておこう」
女魔法使い「いやちょっとっ!?」
…
フィールド
勇者「とりゃっ!」
スライム「ぴぎーっ!」
スライムを倒した!
勇者「よし、もう一回りこの辺りを歩くか」
女魔法使い「ええっと、その勇者さん。なんでさっきからフィールドうろうろしてるんですか?さっき
村人の方が言ってた東の塔に行くんじゃないんですか?」
勇者「いやあ。まずはレベルあげしないと。あとはモンスターを地道に倒してお金貯めて装備品も整えてからじゃないと
すぐ死んじゃうからさ」
女魔法使い「ええ…なんですかそれ。サクサク冒険すすめられないんですか?なんか勇者さんおっさんだからか
こころなしかフィールド歩く速度も遅いし…」
勇者「僕も君もまだまだレベル低いし、当初は5人パーティって聞いてたのに2人しかいないし。もう少し慎重
にいかないとだめだよ。地道にコツコツいこう」
女魔法使い「はあ…、なんだろう。こんなの伝説に聞いてた冒険と違う。伝説だと、
こんな地道な感じじゃなくて…勇者さまがドカーンって感じで、一気に魔物を倒して…」
どかあああん!
女魔法使い・勇者「え?」
魔物達「ぐあああ!!」
魔物のむれを倒した
若勇者(17)「あれ…、俺また何かやっちゃいました?」
女戦士「きゃああ!勇者…、つ、強すぎっ!なに…いまの強力な呪文」
女武道家「い、いまのこの辺りのフィールドじゃ一番強い魔物なのに…、やっぱさすがだわ…」
女僧侶「伝説通りの実力ですぅ…、わたし…勇者さまのこと好きになっちゃいそうです…はうう…ん?」
女僧侶「ってあれ?魔法使いじゃないですか…?なんでこんなところに…?」
女魔法使い「あ、えっと…うん、久しぶり」
女戦士「たしか、お前別の勇者が来るのを待つとか言って私たちについてこなかったよな…?」
女武道家「え?てか、お前と一緒にいるおっさん…ってえ?それ、まさか」
女魔法使い「うん、えっとねっ!あ、あの、この人はその、そう。
た、たまったま、そこで会った普通の冒険者のおっさんで」
勇者「ああ、この子たちが最初言ってた君の同期か。
初めまして。ぼくも異世界から派遣されました勇者なんです。よろしくお願いしますね」
女僧侶・女戦士・女武道家「えっ」
女戦士「え、ええ…いやいや、だ、だって。装備品ひのきのぼうでお鍋の蓋って…え?」
女武道家「てか、見た目も…け、結構歳言ってますよね?そのレベルも…」
勇者「ああ、歳は今年36で、レベルは6になったばっかりかな。
今は、レベル上げと資金集めでスライムを倒してて…」
女僧侶・女戦士・女武道家「ええ…」
若勇者「ふっ」
女僧侶「ちょ、ちょっと、魔法使い、こっちきなさいっ!…あなた、なんであんなおっさんと冒険してるの?」
女戦士「あたしらに着いてこなかったことは、もう水に流すからさ。やめときなさいって?あれ、勇者違う。ただのおっさん」
女武道家「今からでもいいからこっちの勇者に頭下げて、私たちとパーティ組も?ね?」
女魔法使い「え…、いやけど…わたし」
……
勇者「いや、まさか俺以外に異世界に派遣されてた勇者がいたなんて知らなかったよ?見たところまだ若いけど学生さん?
パーティは別になりそうだけど、魔王討伐を目指すもの同士、がんばろう」
若勇者「はは…、僕はあなたとなれ合う気はないけど?魔王は僕が難なく倒すんで、
あなたは指をくわえてみていてください、おっさん。さ、みんな行きましょう」
女僧侶「ああ…まって、勇者さまっ」
女戦士「そ、それじゃあね、女魔法使いっ」
女武道家「私たちについてきたくなったら、すぐ連絡ちょうだいね」
………
女魔法使い「ああ…、行っちゃった。なんだろう…なんかすごくみじめな気持ちに」
勇者「いやあ、強そうな勇者だったね。なんかすごい装備してたな。剣もごつくて」
女魔法使い「そうですね。あなたのひのきのぼうと違ってね」
勇者「魔物のむれも一撃で倒してて。ありゃレベルが今の時点で40超えてるかな」
女魔法使い「そうですね、わたしはレベル8で、あなたはレベル6ですけどね」
勇者「それに思った以上に若かったね。いやまあ、
俺もついこの間まではあのくらいの歳だったんだけど」
女魔法使い「歳2倍以上違うのに何いってんすか、おっさんっ!」
勇者「まあ、若くて勢いがあるのはいいことかな。けど…」
勇者「さしずめ神々からいろいろ特典もらって自信満々な感じだけど、
足元救われなきゃいいけどな。難なく倒せないから魔王なわけだし」ぼそっ
女魔法使い「え?」
勇者「あ、話し込んでたらもう夕方か、そろそろ村に戻ろうか」
女魔法使い「え、いや、さっきもう一回りこの辺りを歩くかって」
勇者「夜になると魔物の動きが活発化するからね。ここまでにしておこう。
大丈夫、地道にコツコツ冒険を進めることが大事だよ」
女魔法使い「はあ…」
勇者と魔法使いの冒険は、地道かつ慎重で、勢いはなかった…
しかし、堅実かつ妙に手慣れた戦略で、少しづつではあるが冒険は軌道にのっていった。
数か月後…とある砂漠の町
宿屋
女魔法使い「勇者さん、言われた通り薬草と毒消し、その他もろもろの道具、買い込んで
おきましたよ」
勇者「ああ、ご苦労さん」
女魔法使い「あとは、村人からも情報収集すみです。ここから北のほうにダンジョン化した
古い王家の墓があるそうです。人んち入って、適当にツボやタンスも物色すみです」
勇者「手慣れてるなあ」
女魔法使い「はっ、何言ってんですか、全部あなたに教わったことですよ」
女魔法使い「…、しかしまあ。私はあなたを少し誤解していたようですね。
ただの中年のおじさんだとおもってたのに、若い勇者にはない老獪さと変な経験値がある感じです」
勇者「なんかあまり褒められてないような…」
女魔法使い「けどまあ、あの若い勇者は、私たちよりはるか先の大陸を冒険してて、
最近四天王の1人を倒したとかなんとか」
勇者「へえ、さすがだな」
女魔法使い「あと、女にもモテモテで行く先々で女の子パーティに加えて
イチャイチャしてるみたいです。ハーレムっていうんですかね」
勇者「へえ、さすが、若いなあ」
女魔法使い「……、すみませんね、こちらは私みたいなの一人で。
やっぱうらやましいですか?」
勇者「いやー、もうおじさんって言われる歳だしな。さすがにもう、そんなんはないかな」
女魔法使い「そういえば勇者さんは、そういう女関係には割とまじめですね。
この町、ぱふぱふとかいういかがわしい店もあるみたいですけど、目つぶってあげますから
行きたきゃ行ってもいいですよ」
勇者「いや君僕のことなんだと思ってるの…、てかそんな店いったことバレたら殺されちゃうよ」
女魔法使い「え?殺されるって、だれに」
勇者「だれって、奥さんに」
女魔法使い「え?」
勇者「ほら、ここの写真に写ってるのが俺の奥さんでこれが息子と娘ね。
下の娘はようやく歩けるようになって…ってあれ?どうしたの?そんな驚いた顔して」
女魔法使い「え!?あ、ああ…、いや…、意外だったから。てっきり独り者かと…」
勇者「まあ、確かにこんな仕事してほとんど家にいないけどね」
女魔法使い「こんな仕事って…、手慣れてると思ったらやっぱり、冒険歴長いんですね。
そうやっていろいろな世界を渡り歩いて勇者やってるわけですか?」
勇者「うん。まあ。魔王討伐に貢献した度合いに応じて神々から報酬がもらえるんだ。
それで生活してる」
女魔法使い「けど熟練者のの割には、初めて会った時、武器もレベルも全然だったじゃないですか」
勇者「別の世界で身につけた実力や道具とかは、基本、それ以外の世界に持ち込んじゃダメなルールなんだよ。ルールを破ると神々からペナルティが課される」
勇者「まあ、その代わり冒険前に神々から特典もらえたりする制度はあるけど、
俺は事情があってその特典ももらえなくて…、まあそのあたりはややこしいから省略」
女魔法使い「ふーん」
勇者「ったく、家族養うためにがんばって異世界で勇者稼業してるのに、たまに家帰ると邪魔者扱いで
嫌になるけどさ…けどまあ、これも仕事だし家族のためにがんばらないとな…」
女魔法使い「ふーん、そっか…、妻子持ちか…ふーん」
勇者「え?どしたの」
女魔法使い「べ、べつにっ…!なんでもありませんよ。それよりどうするんですか?このままじゃ
まずいのでは!?あの若い勇者に魔王討伐を先越されたら、家族を養う報酬の取り分がどんどんなくなっちゃいますよ!?」
勇者「うん、まあそうだけど。まあ、そろそろあっちも伸び悩むころだとおもうけどね」
女魔法使い「え…?」
その後…
とある洞窟
女戦士「はあ、はあ…なによこのダンジョン。また行き止まりよ」
女武道家「…やっぱり引き返したほうが…」
女盗賊「け、けど、周りが暗すぎてどっち引き返したらいいか…道もわからない」
女遊び人「やだあ〜ナニコレ、前がみえないわ〜、早く宿にもどりましょうよぉ」
女商人「くそ…真っ暗じゃどうしょうもないじゃない」
女僧侶「わんわん」
若勇者「……くそっ!なんなんだよこのダンジョンっ!真っ暗で全然進めないじゃないか、
なんだよこれ、クソゲーだなおい!」
若勇者「……って、あれ?急に周りが明るくなったぞ…?一体」
……
勇者「いやいや…、たいまつも持たずにこんな暗いダンジョン入れば、そりゃ暗くて行き詰まるでしょ…」
若勇者「え!!…あ、あんたは…!」
女魔法使い「たいまつなんて…、序盤の村でお爺さんからもらえるアイテムなのに…、貴方たち、
なんで持ってないんですか」
勇者「仲間の一人も、なんか呪いで犬になったままだし……、ええと、治してあげたら」
女魔法使い「ええ。ほら、僧侶。この鏡、みてください、ほら」
僧侶「わんわん…、えっ!も、元の姿ににもどったわっ」
女遊び人「僧侶が元に戻ったわ!ある町で魔王から突然、犬の呪いをうけたまま治し方わからなかったのにっ!
呪いを解く鏡があるだなんて知らなかったわ」
僧侶「そんな…、途中で犬になった仲間スルーして、先に進まないでくださいよ…」
勇者「こんな初歩的なことで息詰まるなんて。
勢いにまかせて、村人からの情報収集やいろんなイベントやダンジョン攻略をすっとばしてきた罰だな」
若勇者「な、なんだとぉ!」
若勇者「レベル一桁のくせにっ、俺に上から目線でモノ言ってんじゃねえっ!
一発ぶん殴ってやるっ!…え!?」
女武道家「そんな、あのおっさん、勇者の攻撃を受け止めたわっ!」
勇者「どうやら努力も怠ってた罰みたいだな。
最初に会った時から、レベルも全然あがってない。ちなみに俺のレベルはいま50な」
若勇者「なん…だと…!」
勇者「俺なんかに攻撃を受け止められるようじゃ、この先やっていけんだろうし。
それにこのダンジョンの奥にある扉は、別のダンジョンにある鍵を入手しないと開かない仕組みだ。
それもどうせ持ってないだろう」
勇者「悪いこと言わないからダンジョン引き返したほうがいいと思うよ、
ほら、予備で持ってるたいまつやるから」
若勇者「くっ…!」
勇者「神々からの特典まかせでやっていけるのは本当最初だけなんだ。
異世界だろうが現実世界だろうが、人生そんなおいしい話ないから。
必ずどこかの段階で頑張り時が来るってこと、覚えておいたほうがいい」
勇者「わかったら、少しは地道に頑張ってから俺たちに追いついてくるんだな」
若勇者「ち、ちくしょおおっ!!」
女魔法使い「若い勇者たち、ダンジョンを引き返したみたいですね」
勇者「ああ、よし、今のうち、俺たちは先に進もう。しかし、
ようやく彼らの冒険を追い抜いたか。まあ、一応生活のため、競い合いでもあるから、悪く思わないでほしいな」
女魔法使い「しかし、とんでもないハッタリ言いましたね。勇者さん、まだレベル20かそこらなのに
レベル50だなんて見え張って…」
勇者「ああ、事前に魔法で基礎体力あげてもらって、一瞬でも彼の攻撃を受け止めることができてよかった。
あのまま、あの若い勇者と取っ組み合いになってたら、正直殺されてたな、はは」
女魔法使い「ダンジョンの奥の扉で鍵が必要なんてのも嘘ですし」
勇者「時間稼ぎだよ。まあ、これくらいいいじゃない。こっちはアラフォーのおっさんなんだから。
多少、狡猾にやらないと、神々の特典をもらったあの若い勇者と、魔王討伐の競争はできないよ」
勇者「なんだかんだ彼には若さがあるからね」
女魔法使い「ふーん…」
女魔法使い「…けど、勇者さんには若い人にはない知恵と経験とか、判断力とか、そういうがあるじゃないですか」
勇者「はは、まあ君たちよりは長く生きてる分ね。けど、そんなの若さにはかなわないしな。
それにそういうの、地味で今の若い子は好きじゃないだろ?」
女魔法使い「いえ、私は嫌いじゃないですけど…、それにまあ、年の割には
若くみえますけど…、ていうかまあ…」
勇者「よし、それじゃ先に進むか。たいまつ持ってもらう役、まかせていいかな」
女魔法使い「え?あ、ああ…そですね、はいはい」
……ダンジョン近くの村
女僧侶「村に戻ってきたはいいけど…、これからどうすれば…」
女武道家「あのおっさん、確か、ダンジョンの奥に行くのに鍵がいるとかなんとか」
女戦士「そういえば…、けどそんな話知らないわ。冒険って
目の前のモンスター蹴散らすだけじゃないの??ねえ、…勇者、いったいどうすれば」
若勇者「くそっ…くそっ…!!」
女戦士「勇者…」
若勇者「(なんだよくそ…、もらった特典の能力で無双できるとおもったのに!
努力とかなんとか…、元の世界の俺の親みたいなこといいやがって…)」
若勇者「(……ちくしょう!
おれだって、俺だって!きっかけさえあれば、元の世界でだってうまくやれたんだ!
普通に学校行って、部活して、彼女作って…、人並みになれたんだ…!)」
若勇者「(…おれだって…)」
女戦士「勇者、あの…私たち、これからどうすれば」
若勇者「………、戻ろう…」
女武道家「え?」
若勇者「戻ろう。最初の町に。それで、周りの人に話を聞きながら、
情報を集めていこう。すっ飛ばしてきた町や村の困ってる人を助けながら」
女遊び人「え、ええ何それぇ!?そんなのやだよ、勇者ちゃんが無双するっていうから
、後ろついてくだけでいいっていうから、パーティに入ったのにっ!」
女盗賊「わたしもそうよ。なんで今さら、戻るのよっ、意味わかんないっ!
それだったら、私、パーティ抜けるわ」
女商人「わたしもっ!」
若勇者「ごめん…。けど、それでも、俺の方針は変わらない」
若勇者「うまい話しなんかなかった…、悔しいけど、おっさんの言うとおりだ。
地道に、やっていこう…」
女戦士・女僧侶・女武道家「勇者…」
…
それから…年月が経ち
魔王城
勇者「はあ、はあ…、、やっと来たか。魔王のいる扉の前まで来たな」
女魔法使い「長かったですね。これでいよいよラストバトルというわけですか…、ようやくですね」
勇者「うん。ええっと、装備品、道具、準備はいいかな。足りてないものなかったっけ?」
女魔法使い「大丈夫ですよ、準備万端です」
勇者「そっか、それじゃさっそく」
若勇者「まて!」
女魔法使い「あちゃー…」
勇者「あれ、なんだ。追いついてきたのか。さすがだね若いの。
最初の町からやり直したってきいたけど」
(勇者チーム:今までの戦歴)
・四天王 2人討伐
・中ボス 8人討伐
・小ボス 35人討伐
・ダンジョン 52制覇
若勇者「ふっざけんな!ダンジョンの奥に鍵が必要とか嘘ばっかつきやがって!
あれでだいぶ足止めくらったんだぞ!卑怯な真似しやがって!」
女戦士「そうよ、絶対許さないわっ!」
女武道家「汚いおっさん!あんたなんか勇者じゃない!」
女僧侶「魔王の前にあんたしばきまわしたいわっ!」
(若勇者チーム:今までの戦歴)
・四天王 2人討伐
・中ボス 20人討伐
・小ボス 28人討伐
・ダンジョン 39制覇
勇者(レベル52)「ハーレム目的で連れてた仲間が何人かいなくなってまあ…、
ちゃんと冒険者らしくなったね。で、どうする?」
若勇者(レベル71)「魔王を倒すのは俺たちの役目だっ!あんたは後ろで指をくわえてみてろっ!」
勇者「うん、じゃ、そうしようかな」
若勇者「はは、ここへきて怖気づいたか!よし、みんな行こうっ!」
女戦士(レベル44)「ええっ!」
女武道家(レベル36)「汚いおっさん!そこで私たちの戦いぶりをみてな!」
女僧侶(レベル40)「魔王倒したらあんたの番だからねっ!」
女魔法使い(レベル58)「え?いいんですか?魔王討伐の手柄、奪われちゃいますよ」ひそひそ
勇者「うん、正直レベル50そこらの俺ら二人で魔王倒せるほど甘くないと思うし。
彼らに先に魔王と戦ってもらって、HP削ったところでスキをついて魔王倒す策に変更しよう」ひそひそ
女魔法使い「うわあ…」
…
魔王「くっく、勇者よよくここまで来たな。だがここまでだ。
わがうでの中で息絶えるが良い!」
若勇者「お前を倒して世界を平和にしてみせるっ!行くぞみんなっ!とりゃあ、ギガスラッシュ!」
女戦士「ああ、どりゃああ!烈破斬!」
女武道家「ていやっ、正拳突き!」
女僧侶「回復はまかせて!ヒール!」
魔王「ぬうう!やりよるっ!」
……
どぎゃあ!がぎい!
勇者「がんばれー、若いのー」
女魔法使い「……はあ、なんか緊張感ないな。ようやく魔王戦なのに。
あ、そういえば、勇者さん。魔王を討伐したら、どうするんですか?」
女魔法使い「……、って、やっぱ、故郷に帰って奥さんのもとに…
むぐぐっ、ふぁ、ふぁにするんですか、むーむーっ!」
勇者「その先はいわないように」
女魔法使い「ぷはっ、…え?なんでですか?」
勇者「ジンクスだよ。戦場でその手のセリフいうとフラグが立つからさ。
さすがに魔王が相手だと、何があるかわかんないからね」
若勇者「ギガスラッシュ!」
魔王「ぐあああああ!」
どさっ…
若勇者「はあ、はあ…、や、やった、勝った!魔王を打ち取ったぞっ!!はは、みたかおっさん!」
勇者「ばか!、油断するな!魔王がそう簡単に負けるわけないだろ!!
魔王ってのは一度倒したって、変身して第2戦なんてお約束なんだよ!」
若勇者「え?」
魔王「ぐごごごご…やってくれたな…、ガキが」
若勇者「え…?なんだ、この化け物…、ひっ、ぎゃあああ!」
若勇者「」
女戦士「いやあああ!!ゆ、勇者がああ!一撃で…、そんな…」
女僧侶「そんな…、わたしまだ蘇生呪文…使えないのに…」
勇者「げえ…、なんだあの魔王。思ってたのと違う。想像よりずっと強いぞ…
くっ、やばい!俺たちもすぐ戦闘に参加しようっ!」
女魔法使い「は、はいっ!けど、まずどうすればっ!」
勇者「あの若い勇者、世界樹の葉で蘇生させてっ!あの魔王見た目からしてだめだわ、
正直、俺らじゃ勝てないしっ、彼に復活してもらって勝ってもらうしかない!
彼のパーティにも下がってもらったほうがいい」
女魔法使い「え、けど、彼を蘇生している間、誰が時間稼ぎをするんですか…、
誰が魔王と戦うんですか!?世界樹の葉すりおろすの、結構時間かかりますけどっ」
勇者「いやそれは…、まあ…、…、仕方ないか…」
魔王「ぐごごご…、残りは、どいつだ…」
勇者「こっちだ魔王!ここからは俺が相手だ!」
魔王「ぐごごご…、貴様らが何人挑んでこようと同じことだ…、そこの若い勇者と同じように
血祭りに…ぐあっ、なんだこれは、前が見えないっ」
勇者「目つぶし草だっ!こっちは、メダパニ草!しばらく酔っぱらってろ!」
魔王「うごごご…、なんだそれは…、ひ、卑怯だぞ…小癪なっ!ぐあっ!」
魔王「(なんじゃこいつ、レベルは大したことないが…、なんというか戦い慣れておる……、
異形の姿をしたワシにも動じておらんし…なんかこう…、いろいろ手慣れておるっ…!)」
勇者「はあ、はあ…、1対1で魔王と戦うなんて…初めて勇者したとき
以来か、懐かしいな…はは…。いやもう、こんな無茶する歳じゃないんだけど…」
………
若勇者「…」
女僧侶「ぐす…だめだわ…、もう回復魔法じゃ目を覚ましてくれない)」
女魔法使い「…魔王の言う通り、相変わらず小癪な戦いする人ですね。
ええっと、それじゃさっそく世界樹の葉をすりおろして…と」
女戦士「ね、ねえ、あのおっさん大丈夫なの?」
女僧侶「魔王相手じゃ、時間稼ぎにもならないんじゃあ…」
女武道家「や、やっぱ私たちも戦ったほうが…おっさんが死んじゃう」
女魔法使い「大丈夫ですよ。ていうかですね、あんましおっさんおっさんいって、舐めないでください」
女魔法使い「あの人、私たちより、知識も経験も判断力も上ですし。
魔王相手だろうが、この人を蘇生する間くらいは時間を稼いでくれますよ」
女魔法使い「なんだかんだあの人も、勇者なんですから」
……
勇者「はあ…はあ…、うぐ…」
魔王「ぐごごご…、一人でこの魔王相手によくぞここま持ちこたえたな」
魔王「だが、貴様のそのちょこざいな戦い方ではこの魔王は倒せん…、残念だったな、はは」
勇者「はは…、もういい年でね、奥さんも子供も2人いるし…、昔はそこそこ
ヤンチャもしたけど…、いつまでも若くて無茶な戦い方はできないさ。気力もそこそこ萎えてるしな」
勇者「だからもう、ある程度、おいしいところは、若い子にゆずってもいい気にもなってるのさ」
魔王「ぐごごご…、何をわけのわからぬことを…うっ!なんだ、体が動かな…!」
勇者「ほんの1ターンだけ、魔族を動けなくする魔法。俺がいつもレベル52で覚える独自の魔法。
なんとかここまでレベルあげといてよかったよ…」
勇者「なあ、一応、先輩がここまで時間稼いだんだから。ちゃんと一発で仕留めてよ」
魔王「え?」
若勇者「はあ、はあ…、いわれなくたって、やってやるよ!」
若勇者「ギガスラッシュ!!!」
魔王「なんだとぉ…、ぐあああああああ!!」」
女戦士「や、やったわ!とうとう、魔王を倒した!」
女武道家「これで世界は平和になるのねっ、ほんとによかったわ!」
女僧侶「ふえええ!勇者っ!よかったよお!!」
若勇者「……やった…、ついにやったぞ!」
……
勇者「あー、つかれた…」
女魔法使い「お疲れ様でした、今、薬草の準備しますから。ちょっと待ってくださいね」
勇者「ありがとう、手際よくなったなあ…」
女魔法使い「貴方の教えですからね、それにしてもほんとに…え?あれ、急に周りが明るく…?」
女神「ふふ…」
女魔法使い「え?急に目の前に女の人が!だ、だれですかあの人!?」
勇者「あー…」
女神「おめでとうございます、勇者一行のみなさん。よくぞ魔王を倒してくださいました。
これでこの世界に平和が訪れました」
女僧侶「え?え?だ、だれ?あなた」
若勇者「あんたは確か…、俺をこの世界に飛ばした女神…」
女神「ええ、よく覚えていてくれましたね」
女武道家「ええっ、め、女神様っ!?」
女戦士「そんな方が私たちの目の前に来てくださるだなんて…」
勇者「(…さっそくおでましか)」
女神「若い勇者よ、よく魔王討伐という苦難を乗り越え、使命を果たしてくれました。
初めての冒険というのに素晴らしいことです」
若勇者「え?いやけど…、魔王を倒せたのは俺だけの力じゃあ…、パーティの支えがあってのことだし。
それに、そこにいるおじさんが…」
女神「いえ、そんなおっさんは、関係ありません。ところで、知ってましたか?実は、魔王軍の手によって侵略の
危機に瀕してる世界は、この世界以外にもごまんとあるのです」
若勇者「え?」
女神「実はわたしは、そんな世界を救うため、様々な勇者を派遣する女神。あなたをこのまま
元の世界に返すこともできますが、初めての冒険でここまでのことがやれたのです」
女神「どうでしょうか?このまま、あたらしい世界へ冒険に旅立ってみたいと思いませんか?
あなたは今や一流の勇者。より多くの人々を救うことができる力を兼ねそろえているはずです」
若勇者「俺が…、一流の勇者…?」
勇者「あ、あーあの、若いの。この女神のいうことはあんまり聞かないほうがいいぞ。
よく考えろよ?おとなしく元の世界に戻って、冒険で学んだ経験を生かして、普通に暮らすというほうが将来…」
若勇者「俺…、やります。女神さま。新しい世界に連れてってくださいっ!」
女神「ええ、わかりました。さ、それでは、この光のゲートの中にどうぞ」
若勇者「わかりましたっ!それじゃ、みんな。お元気で」
女僧侶「そんな、勇者、行っちゃうのっ!?」
女戦士「魔王を倒したばっかりなのに、そんな急がなくても」
女武道家「そうだ、私たちも勇者と一緒にその新しい世界に着いていくわ、いいでしょ女神様っ!」
女神「だめです。異世界ルールで、ほかの世界へは仲間やアイテムは持ち込めないのです。
持ち込んだ場合には、ペナルティがくだされるのです。そこのおっさんのように。
さ、貴方たち三人は、ここから一気に故郷の国へ戻してさしあげましょう」
若勇者「みんなありがとう、俺、次の世界でも頑張るよ」
女僧侶「ぐす…、ぐす…、勇者、今までありがとうね」
女戦士「私たち、貴方の事一生忘れないからっ、さよなら」
女武道家「ええ、お元気で」
勇者「うん、それじゃ。みんなも、お元気で…」
…………
女魔法使い「みんな行っちゃた…あの若勇者…、次の世界で
また魔王討伐をするということなんでしょうか、ねえ…女神さ…」
女神「あー、久しぶり。そういやアンタもこの世界来てたんだ。てかまだ勇者やってたんだ、頑張るね」
勇者「知ってるくせに白々しいこと言わなくていいから。いいから元の世界戻ったら報酬よこせよ。いつも振り込むの遅いんだよ」
女魔法使い「え……?」
女神「…しかし、アンタもずいぶん丸くなったわね。若い子に魔王討伐ゆずってサポートに徹するなんて。
あれ、はじめからそのつもりだったでしょ?」
勇者「もう、歳にはかなわないんだよ。並みの魔王なら今でもなんとかなるけど、今回のくらいは
正直だめだわ、…あの若いのみたいに冒険前に特典くれたら、俺ももうちょい頑張れるとおもうけど」
女神「あー無理無理。あんたペナルティあるじゃん。
まあ、その歳で今回くらいやれるなら、別にそこ拘らなくてよくない?」
勇者「いや、そりゃないでしょうが…もうそろそろ許してくれても…」
女魔法使い「え、ええっとあの…、ちょっといいですか?
二人はその…知り合いなんですか?」
勇者「ああ、俺がこんな仕事してるのはこの女神のせいだよ。
若いころブラブラしてた時、急に異世界に飛ばされてさ…なし崩し的にこの仕事を…
あーあ、あの若いの。もっと本気で止めるべきだったわ…可哀そうに」
女神「あらあら、かわいい魔法使いちゃん。こんなおっさんと二人で冒険なんて辛かったでしょ?
大丈夫?変なことされなかった?」
女神「気を付けてね、このおっさん。初めての冒険で、魔王にさらわれた姫さんに惚れちゃって、
魔王倒した後、助けた姫さんをそのまま元の世界に連れてきちゃった前罪あるからね」
勇者「ちょっ…!おいやめろっ!」
女神「そのせいでこのおっさんペナルティで、異世界勇者がもらえるテンプレ的な特典
一切もらえないの。バカよね」
女魔法使い「その元の世界に連れて行ったお姫様って、ひょっとして…」
女神「確か2人目の子、できたんだっけ?おめでと、幸せそうでなりよりだわ」
勇者「2人目はだいぶ前だよ。まあ、最近は家帰ってもアイツ、子供にかかりっきりで相手してくれないけど…」
女神「寂しいなら、異世界でハーレムでも作って遊べばいいのに。アンタ意外にまじめで一途よね。
まあ、どっちみちもうその年じゃ無理か、けけけ」
勇者「うっさいなあ、いいから早く元の世界のゲート開けよっ!」
女神「ああはいはい。ちょっとまってねー」
女魔法使い「え…」
女神「一応、今日アンタが帰ってくることは、奥さんたちには伝えておいてあるから。
ゲートの先でお出迎えしてくれると思うわ。まだ愛があればだけど」
勇者「おい、怖いこと言うな」
女魔法使い「あの…、いっちゃうんですか?」
勇者「ああ、君とはなんだかんだ長い付き合いになったな。まあ、女神のいうとおり、
こんなおっさんと冒険なんて、いろいろ辛い思いもさせたけど」
女魔法使い「そ、そんなこと…、ないです。あの、ていうか、わたし、その…」
勇者「2人旅も久しぶりだったけど、君にはほんとに助けられた。感謝してるよ。
いままで、ほんとありがとう。それじゃ」
女魔法使い「あ、あのっ!勇者さんっ、…わたし、その…あなたのこと…、ちょ…待っ…!」
………
………
………
………
都内
異世界ゲート案内所
勇者「ふう…、あー久しぶりの元の世界だ」
息子「ぱぱおかえり!」
娘「ぱぱー」
勇者「ああ、ただいま。ちょっと背伸びたか、はは。ところでママは…」
奥さん「……あなた、おかえりなさい…っ」
勇者「え、おいおい、こんなところで、抱き着くなよ…」
奥さん「…あなた、会いたかった…心配したわ、今回の旅は長旅だったから…」
勇者「あ、ああ…!ごめんな心配させて…。けど、今回の報酬はそこそこもらえるはずだから。
しばらくは家にいるつもりだから…」
奥さん「ええ…、ところで」
奥さん「その後ろにいる子はどなた?」
勇者「え……?」
女魔法使い「はじめまして、勇者さんの奥さんですね。わたし、異世界のほうで
勇者さんとずっと二人で、魔王討伐の冒険してた魔法使いのものです。ずっと二人で」
女魔法使い「それで勇者さん…、私にはホントに助られたって、言ってくれて…ですね?
私ならこれからも勇者さんの冒険のお役に立てるかとおもって…、ついてきちゃった…ていうかぁ…」
勇者「な、……ばっ…」
奥さん「ふうん…へえ」
奥さん「どうやら満喫してたみたですねえ…あなた。そして、またですか。あなた」
勇者「やっ…ち、違っ…、こ、これはお前の時と違って…、この子が勝手に…っ!」
息子「ぱぱー、だれ、その女の子ー?」
娘「うわきだー?」
勇者「!?」
奥さん「帰ろうか、二人とも。パパをおいて、おうちに」にっこり
勇者「いや、ちょ、ちょっとまって、いやまじめに働いてたから、ちょ、違うっ、誤解だから、ちょ、おいっ!
ちょ、うそっ!あ、あれえええ!?」
………
………
その後…都内
勇者の個人事務所
勇者「まあ、次はこの案件で行くかな」
女魔法使い「決めたんですか、次の異世界行きは」
勇者「ああ、ひと月くらいで片が付きそうなのにする。
もう年相応のレベルのとこにしたよ。まあ、今回は一人でもなんとかなるかな」
女魔法使い「……あ、あのっ!わたしもついていっていいですか、……大学夏休みだし、1か月くらいならいけますっ!」
勇者「ええ、大学かよってたん…、もうずいぶんこっちの世界になれたね…」
勇者「しかし、まさかこっちの世界に勝手についてきちゃうとはね…、はあ。
家族の誤解解くの大変だったよ。しばらく口きいてもらえんかったし」
女魔法使い「あー、そのせつはホントすいませんでした」
勇者「ていうか元の世界に帰りたくなったいいなよ?女神にお願いしてやるから」
女魔法使い「うーん、しばらくはこの世界にいて、勇者さんの手助けしたいなって…
いろいろ勉強になりますし…」
勇者「そーお?もう、俺は君に教えることはなにもない気がするけどね。冒険の勉強するなら
あの若い勇者に着いていくのがいいと思うけどな。彼、俺なんかより立派に活躍してるらしいし」
女魔法使い「いえ、わたしは、勇者さんの手助けがしたいんです、ねえ、ついていっていいでしょ!?」
勇者「うーん、まあ、そこまで言うならいいけどさ…」
女魔法使い「やったあ!」
勇者「しかし、もの好きな子だな…、こんな枯れたおっさんからこれ以上何を学ぶ気なのか」
女魔法使い「何言ってんですか、学ぶことなんていっぱいありますよ勇者さんの狡猾さはどんどん磨きがかかってますからっ!」
勇者「褒められてない…」
女魔法使い「それに…、ふふ」
女魔法使い「異世界なら、ずっと二人きりだし…えへへ」
勇者「(なにニヤニヤしてなにたくらんでるんだか…)」
勇者「、ん−、ま、いいか。それじゃ、異世界行く前の準備とか、ぼちぼちミーティングはじめようか」
女魔法使い「はいっ!」
おしまい