・油価の上昇で日本への輸出が30.8%増(アラブ首長国連邦)
日本とアラブ首長国連邦(UAE)との2018年の貿易は、日本の輸出が前年比7.7%増、輸入が30.8%増と、ともに好調に推移した。油価の上昇を反映して輸入が大きく拡大したことにより、貿易赤字は2兆1,745億4,798万円に大きく拡大した。
UAEとの2018年の貿易を日本の財務省貿易統計(通関ベース、確定値)でみると、日本からUAEへの輸出額は、8,717億3,445万円(前年比7.7%増)と前年の9.8%減から反転した。一方、輸入は3兆462億8,243万円(同30.8%増)と前年の19.8%増を上回った。この結果、貿易赤字は1兆5,192億1,505万円から2兆1,745億4,798万円に大きく拡大した。
日本からの輸出を牽引したのは、輸出の7割弱を占める輸送用機器(5,842億9,072万円)で、乗用車が31.7%増(4,787億4,759万円)と好調だった。特に、シリンダーサイズが3,000cc以上のものが36.5%増(3,775億7,500万円)と輸出拡大に寄与した。拡大要因としては、平均輸出単価が約380万円で3.5%低下している一方、輸出数量が41.7%増加していることから、UAEの国内市場の需要が強いためと考えられる。日本にとってUAEは3,000cc以上の乗用車輸出市場として15.6%を占め、米国に次ぐ2番目に大きな市場となっている。
次いで、輸出を牽引したのは一般機械のポンプ・遠心分離機で、コンプレッサー類が15.6%増(159億2,148万円)。航空機類では、航空機もしくはヘリコプターの部品が27億9,500万円、127.2%増(数量では3.1倍)が増加した。
紙類・紙製品(筆記用)が20億4,687万円(119.7%増)などが増加したが、その他は多くの品目で前年の水準を下回った。
2017年は食料品が炭酸飲料の増加で好調だったが、2018年は輸出数量が半減したことを反映して、32億1,217万円(49.5%減)に急減した。
これは、2017年10月に物品税が導入され、炭酸飲料に50%課税された影響が顕在化したものとみられる。
中東地域は、概して価格選好が強い地域と言われ、特に消費財などは価格変動の影響を強く受ける傾向がある。
輸入を牽引したのは、輸入の96.6%を占める鉱物性燃料だ。とりわけ、総輸入額の74.9%を占める原油・粗油が、2兆2,814億2,199万円と30.0%増加したことが大きい。これは、数量では1.3%減少したものの、価格がキロリットル当たり2017年の3万8,823円から2018年は5万1,183円に31.8%上昇したことによる。
UAEは、日本の鉱物性燃料の輸入先として、サウジアラビア、オーストラリアに次ぐ。原油・粗油の輸入元としては、サウジアラビアに次いで第2位だ。この他では、規模は小さいものの非鉄金属が輸入拡大に貢献した。これは、アルミニウム合金が838億1,500万円と12.5%増と好調に推移したことを受けたものである。アルミニウム合金の輸入先としてUAEは、ロシア、オーストラリアに次いでいる。
2018年は航空機・航空機部品の輸入が16億7,672万円と急増(1,511倍)した。これは、10月29日に日本が打ち上げたロケットにUAE製の地球観測衛星が搭載されていたことによる。同国はUAE宇宙局(UAESA)を2014年に設立して宇宙開発を進め、2020年には火星探査機を飛ばす計画を持っている。
・Japan-United Arab Emirates Relations (Basic Data)
https://www.mofa.go.jp/region/middle_e/uae/data.html
2019年3月29日 JETRO
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/bd862514c3147b98.html
日本とアラブ首長国連邦(UAE)との2018年の貿易は、日本の輸出が前年比7.7%増、輸入が30.8%増と、ともに好調に推移した。油価の上昇を反映して輸入が大きく拡大したことにより、貿易赤字は2兆1,745億4,798万円に大きく拡大した。
UAEとの2018年の貿易を日本の財務省貿易統計(通関ベース、確定値)でみると、日本からUAEへの輸出額は、8,717億3,445万円(前年比7.7%増)と前年の9.8%減から反転した。一方、輸入は3兆462億8,243万円(同30.8%増)と前年の19.8%増を上回った。この結果、貿易赤字は1兆5,192億1,505万円から2兆1,745億4,798万円に大きく拡大した。
日本からの輸出を牽引したのは、輸出の7割弱を占める輸送用機器(5,842億9,072万円)で、乗用車が31.7%増(4,787億4,759万円)と好調だった。特に、シリンダーサイズが3,000cc以上のものが36.5%増(3,775億7,500万円)と輸出拡大に寄与した。拡大要因としては、平均輸出単価が約380万円で3.5%低下している一方、輸出数量が41.7%増加していることから、UAEの国内市場の需要が強いためと考えられる。日本にとってUAEは3,000cc以上の乗用車輸出市場として15.6%を占め、米国に次ぐ2番目に大きな市場となっている。
次いで、輸出を牽引したのは一般機械のポンプ・遠心分離機で、コンプレッサー類が15.6%増(159億2,148万円)。航空機類では、航空機もしくはヘリコプターの部品が27億9,500万円、127.2%増(数量では3.1倍)が増加した。
紙類・紙製品(筆記用)が20億4,687万円(119.7%増)などが増加したが、その他は多くの品目で前年の水準を下回った。
2017年は食料品が炭酸飲料の増加で好調だったが、2018年は輸出数量が半減したことを反映して、32億1,217万円(49.5%減)に急減した。
これは、2017年10月に物品税が導入され、炭酸飲料に50%課税された影響が顕在化したものとみられる。
中東地域は、概して価格選好が強い地域と言われ、特に消費財などは価格変動の影響を強く受ける傾向がある。
輸入を牽引したのは、輸入の96.6%を占める鉱物性燃料だ。とりわけ、総輸入額の74.9%を占める原油・粗油が、2兆2,814億2,199万円と30.0%増加したことが大きい。これは、数量では1.3%減少したものの、価格がキロリットル当たり2017年の3万8,823円から2018年は5万1,183円に31.8%上昇したことによる。
UAEは、日本の鉱物性燃料の輸入先として、サウジアラビア、オーストラリアに次ぐ。原油・粗油の輸入元としては、サウジアラビアに次いで第2位だ。この他では、規模は小さいものの非鉄金属が輸入拡大に貢献した。これは、アルミニウム合金が838億1,500万円と12.5%増と好調に推移したことを受けたものである。アルミニウム合金の輸入先としてUAEは、ロシア、オーストラリアに次いでいる。
2018年は航空機・航空機部品の輸入が16億7,672万円と急増(1,511倍)した。これは、10月29日に日本が打ち上げたロケットにUAE製の地球観測衛星が搭載されていたことによる。同国はUAE宇宙局(UAESA)を2014年に設立して宇宙開発を進め、2020年には火星探査機を飛ばす計画を持っている。
・Japan-United Arab Emirates Relations (Basic Data)
https://www.mofa.go.jp/region/middle_e/uae/data.html
2019年3月29日 JETRO
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/bd862514c3147b98.html