土星探査機「カッシーニ」が4月26日に、初めて土星本体と環の間をダイブするように飛行した際にとらえた動画が公開された。
土星探査機「カッシーニ」は先月末より、最終ミッション「グランドフィナーレ」を実施している。土星本体と環の間に広がる約2000kmの隙間を22回潜り抜けるという計画の第1回目が4月26日に行われ、その際にとらえた1時間分の観測画像から作られた動画が公開された。
動画の最初に見えるのは土星の北極の渦だ。そこからカッシーニは南下し、六角形模様の端を通り過ぎて進んでいく。飛行高度は土星雲頂から約7万2400kmから6700km、1ピクセルあたりのサイズは8.7kmから810mとなる。画像が回転していくのは、機体を守るために探査機の進行方向に皿型のアンテナを向けるように姿勢を変更したためである。
「六角形の外側の境界や極域の渦の中心である台風の目の壁に、シャープな端が多く見られることに驚きました。異なる緯度において端同士が混ざることがないのは、何かのメカニズムが働いているのでしょう」(カッシーニ画像チーム 佐柳邦男さん)。
「初ダイブの画像は素晴らしいものでしたが、私たちのカメラのセッティングは保守的でした。6月29日にやってくる同様の機会には、さらに良い映像が撮れるようにアップデートを行う計画です」(カッシーニ撮像チーム Andrew Ingersollさん)。
ソース/AstroArts
http://www.astroarts.com/article/hl/a/9105_cassini
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