http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170630/cpc1706301943001-n1.htm
2017.6.30 19:43
京都大は30日、人の再生医療に用いる胚性幹細胞(ES細胞)の作製が文部科学省と厚生労働省に認められたと発表した。医療用ES細胞の作製が認められるのは国内初。ES細胞をあらかじめ作って備蓄しておくストック事業を開始し、本年度中にも研究機関に提供したいとしている。
厚労省の委員会が6月上旬、計画を大筋で了承していた。
ES細胞は受精卵から作られ、人工多能性幹細胞(iPS細胞)と同様にさまざまな組織に成長できるため、医療応用が期待されている。迅速に提供できるよう京大はストック事業の計画を進めていた。
計画では京都市内の病院で不妊治療をした夫婦に、廃棄する受精卵の提供を呼び掛け、ES細胞を作製する。京大の末盛博文准教授は「早く研究機関に届けられるようにしたい」としている。
ES細胞は受精卵を壊して作るため倫理的問題が指摘され、利用は基礎研究に限られていたが、2014年に新指針ができ臨床研究ができるようになった。