【エルサレム時事】マティス米国防長官は23日、中東・欧州歴訪の一環としてトルコを訪問し、ジャニクリ国防相と会談した。シリアのクルド人組織への対策などが主要議題になったとみられ、「北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるトルコが治安上の懸念に対処するための支援策」(米国防総省)を探ったもようだ。長官はその後、エルドアン大統領とも会談する。
米国とトルコは、シリアで過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うクルド人組織の扱いをめぐり意見が対立し、関係がぎくしゃくしている。米国は5月、ISが首都と称するシリア北部ラッカの攻略に向け、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)への武器供与を開始。トルコは、SDFの主力を担うクルド人組織をトルコの反政府武装組織・クルド労働者党(PKK)と一体と見なし、PKKへの武器流出の懸念から反発している。
しかし、SDFは米軍が主導する有志連合の空爆支援を受けながらラッカ奪還作戦を進め、着実に成果を上げている。
一方、シリアの対トルコ国境沿いに「クルド自治国家」が形成されるのを警戒するトルコは、クルド人組織の支配下にあるシリア北西部アフリンに対する軍事作戦を開始する用意があると警告。アフリンに部隊を展開させているロシアに協力を求めており、米国としては、トルコがロシアにさらに接近する動きを食い止めたい考えだ。
配信(2017/08/23-21:19)
時事ドットコム
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