http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170828/k10011115041000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_008
ミャンマー西部では、今月、警察署など30か所を襲撃した少数派のイスラム教徒の武装勢力と治安当局の対立が拡大し、これまでの死者は巻き添えになった住民も含めて100人を超える事態になっています。
ミャンマー西部ラカイン州では、今月25日、少数派のイスラム教徒「ロヒンギャ」の武装勢力が警察署や軍の施設など30か所以上を相次いで襲撃しました。
これを受けて、ミャンマーの治安当局は、襲撃後に周辺の村に逃げ込んだ武装勢力の掃討作戦を進めていて、ミャンマー政府によりますと、これまでに武装勢力80人を殺害したということです。また、当局の側でも警察官ら12人が死亡するなど、死者は全体で100人を超え、政府に協力したとして武装勢力に殺害された住民も含まれるとしています。
仏教徒が多数派を占めるミャンマーでは、ロヒンギャの住民たちが国籍や移動の自由を与えられないなど差別的な扱いを受けています。武装勢力側は今回の襲撃についてインターネット上に声明を出し、「罪のない市民に対して治安当局が残虐な仕打ちを続けるので自衛の行動に出た」と主張しています。
ミャンマーでは、去年10月に行われた武装勢力の掃討作戦で軍や警察が無抵抗のロヒンギャの住民を殺害した疑いがもたれていて、国際的な人権団体などからは再び住民が巻き込まれるのではないかと懸念の声が出ています。
多数の住民が隣国に避難
今回の掃討作戦を受けて、ロヒンギャの住民2000人が隣国のバングラデシュに避難するなど影響が広がっています。
掃討作戦が行われている地域と隣り合う隣国のバングラデシュには、ロヒンギャの人たちおよそ2000人がほとんど荷物を持たずに避難してきています。逃げてきた人たちはほとんどが女性や子どもで、不安そうな表情でテントの下で休んだり、食事をしたりしていました。
バングラデシュの国境警備隊の隊員は「けさ、ミャンマー側で銃声や爆発音が聞こえた。みんな、おびえた様子だ」と話していました。
また、ミャンマー政府によりますと、襲撃や掃討作戦となった地域に住む仏教徒などイスラム教徒以外の住民数千人が別の地域に避難を余儀なくされているということです。
ローマ法王「私は常にロヒンギャのそばに」
ローマ法王のフランシスコ法王は27日、バチカンのサンピエトロ広場で開かれた日曜礼拝で、ロヒンギャの武装勢力と治安当局の対立について、「悲しいニュースだ」と述べるとともに、ロヒンギャの住民たちに必要な権利が与えられるよう国際社会に支援を呼びかけました。
フランシスコ法王は、これまでも、ロヒンギャの住民が差別的な扱いを受けているとミャンマー政府を非難していて、この日も「私は常にロヒンギャの人たちのそばにある」と述べました。
8月28日 4時10分
ミャンマー西部では、今月、警察署など30か所を襲撃した少数派のイスラム教徒の武装勢力と治安当局の対立が拡大し、これまでの死者は巻き添えになった住民も含めて100人を超える事態になっています。
ミャンマー西部ラカイン州では、今月25日、少数派のイスラム教徒「ロヒンギャ」の武装勢力が警察署や軍の施設など30か所以上を相次いで襲撃しました。
これを受けて、ミャンマーの治安当局は、襲撃後に周辺の村に逃げ込んだ武装勢力の掃討作戦を進めていて、ミャンマー政府によりますと、これまでに武装勢力80人を殺害したということです。また、当局の側でも警察官ら12人が死亡するなど、死者は全体で100人を超え、政府に協力したとして武装勢力に殺害された住民も含まれるとしています。
仏教徒が多数派を占めるミャンマーでは、ロヒンギャの住民たちが国籍や移動の自由を与えられないなど差別的な扱いを受けています。武装勢力側は今回の襲撃についてインターネット上に声明を出し、「罪のない市民に対して治安当局が残虐な仕打ちを続けるので自衛の行動に出た」と主張しています。
ミャンマーでは、去年10月に行われた武装勢力の掃討作戦で軍や警察が無抵抗のロヒンギャの住民を殺害した疑いがもたれていて、国際的な人権団体などからは再び住民が巻き込まれるのではないかと懸念の声が出ています。
多数の住民が隣国に避難
今回の掃討作戦を受けて、ロヒンギャの住民2000人が隣国のバングラデシュに避難するなど影響が広がっています。
掃討作戦が行われている地域と隣り合う隣国のバングラデシュには、ロヒンギャの人たちおよそ2000人がほとんど荷物を持たずに避難してきています。逃げてきた人たちはほとんどが女性や子どもで、不安そうな表情でテントの下で休んだり、食事をしたりしていました。
バングラデシュの国境警備隊の隊員は「けさ、ミャンマー側で銃声や爆発音が聞こえた。みんな、おびえた様子だ」と話していました。
また、ミャンマー政府によりますと、襲撃や掃討作戦となった地域に住む仏教徒などイスラム教徒以外の住民数千人が別の地域に避難を余儀なくされているということです。
ローマ法王「私は常にロヒンギャのそばに」
ローマ法王のフランシスコ法王は27日、バチカンのサンピエトロ広場で開かれた日曜礼拝で、ロヒンギャの武装勢力と治安当局の対立について、「悲しいニュースだ」と述べるとともに、ロヒンギャの住民たちに必要な権利が与えられるよう国際社会に支援を呼びかけました。
フランシスコ法王は、これまでも、ロヒンギャの住民が差別的な扱いを受けているとミャンマー政府を非難していて、この日も「私は常にロヒンギャの人たちのそばにある」と述べました。
8月28日 4時10分