アメリカ南部テキサス州で大雨や洪水による大きな被害をもたらしたハリケーンで、経済的な損失額は日本円にして最大で12兆円近くに上るという試算が明らかにされ、アメリカの自然災害としては過去有数の規模になる可能性が出ています。
アメリカのハリケーン「ハービー」は、石油関連施設が集積するメキシコ湾岸を直撃し、記録的な大雨が降った最大都市のヒューストンなど広範な地域が冠水しました。
これについて、アメリカの調査会社ムーディーズ・アナリティックスは先月31日、経済的な損失額は最大で1080億ドル(およそ11兆9000億円)に上る可能性があるとする試算を発表しました。
これは19兆円を超える経済損失を記録した2005年のハリケーン「カトリーナ」に次ぐ規模だということで、アメリカの自然災害としては過去有数の規模になる可能性が出ています。
被害のうち最も大きいのは「住宅」で6兆円余り、「商業不動産」が2兆2000億円、「自動車」が1兆3000億円となっています。
また、別の調査会社によると、洪水の被害を受けた住宅の70%は保険に加入していないと見られるということで、個人消費の一時的な停滞などによって堅調なアメリカの景気に悪影響を及ぼすという見方も出ています。
配信9月1日 11時53分
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170901/k10011122131000.html