http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKCN1BF0I2
[ワシントン 3日 ロイター] - 北朝鮮による強力な核実験実施によって今年発足したばかりの米政権に対する重圧がさらに高まるなか、今回の挑発行動を受けたトランプ大統領の対応は、これまでほど場当たり的ではなく、規律あるものだった。
北朝鮮の核実験に対するトランプ大統領の対応は、危機管理に対する従来のアプローチに近いものとなっている。これは、海兵隊退役大将であるケリー大統領首席補佐官とマティス国防長官の影響力を示すものだと、複数の米当局者は指摘。トランプ大統領の早朝の一部ツイートでも、こうしたトーンが強まっている。
トランプ大統領が3日召集したミーティングは直接関係する側近幹部と軍高官に限られていた。政権当局者によると、これまでは、こうした会合にホワイトハウス側近や他の人たちが出たり入ったりしており、政策決定が混乱をきたしているとの印象を与えることにもつながった。
ミーティング終了後、同じく海兵隊退役大将であるマティス米国防長官はダンフォード統合参謀本部議長と会見に臨み、米国が軍事的解決も辞さない構えであると、北朝鮮に対し警告した。
一方、トランプ大統領自身はこれまでよりも抑制した態度を取っている。大統領は先月、北朝鮮が「世界がこれまで見たことがないような炎と怒り」に直面する可能性について明言し、緊張を高めた。攻撃を行う計画はあるかとの質問に対し、大統領は3日「そのうち分かる」と答えるにとどめた。
「ならず者国家の北朝鮮は大きな脅威となっており、北朝鮮を助けようとしているが、ほとんど成功していない中国に大恥をかかせている」と、トランプ大統領はツイッターでこう述べた。
北朝鮮が進化した水爆実験だったと主張する6度目の核実験への対応を協議するミーティングに参加したある米高官は、米国の対応はこれまでのところ、改善された組織を反映しているとロイターに語った。
「本日の会合やツイッターでの大統領のメッセージ、レックス(・ティラーソン国務長官)による同盟諸国などへの接触が初期の兆候であるなら、プロセスには少なくとも以前より規律が戻っている」
<ケリー氏には試金石>
今回の危機はまた、トランプ大統領の好戦的な衝動を抑え、同大統領に接触できる人を限定しようとしているというケリー大統領首席補佐官にとっては試金石となっている。
トランプ大統領は、ケリー新大統領首席補佐官が意思決定プロセス合理化のため、大統領執務室への情報の出入りを制限したことにいら立ちを見せることがあると、状況に詳しい複数の関係筋は明かした。
「そのようにトランプ氏を管理することなどできない」と、同氏の外部顧問を務めるある人物はこう述べ、同氏はいずれそうしたプロセスに嫌気がさすようになるとの見方を示した。
もう1人の関係筋は「ケリー氏の影響力が増大している」と指摘する。「トランプ大統領が最高司令官であることに変わりはなく、ツイッターで公権力を発揮している」と匿名を条件にこう述べた。
一方、もし不協和音を生じさせるようなことが3日にあったとすれば、それはトランプ大統領が主要同盟国である韓国に警告するようなメッセージをツイッターで発信したことだ。
「私が以前指摘した、北朝鮮との対話を図る融和政策が機能しないということを韓国はようやく認識した。彼ら(北朝鮮)は1つのことしか理解しない」と、トランプ大統領はツイッターでこう発信した。
ある元国務省幹部は、トランプ大統領がこのような発言をしたことを批判する。
「(北朝鮮からの)脅威が一段と高まっているさなかに、主要同盟国に対して不当に平手打ちをくらわすとは、不適切かつ無用であり、不和を生じさせるような行動だ」と、この元国務省幹部は匿名で語った。
(>>2以降に続きあり)
(John Walcott記者、Steve Holland記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
2017年 9月 4日 2:36 PM JST
[ワシントン 3日 ロイター] - 北朝鮮による強力な核実験実施によって今年発足したばかりの米政権に対する重圧がさらに高まるなか、今回の挑発行動を受けたトランプ大統領の対応は、これまでほど場当たり的ではなく、規律あるものだった。
北朝鮮の核実験に対するトランプ大統領の対応は、危機管理に対する従来のアプローチに近いものとなっている。これは、海兵隊退役大将であるケリー大統領首席補佐官とマティス国防長官の影響力を示すものだと、複数の米当局者は指摘。トランプ大統領の早朝の一部ツイートでも、こうしたトーンが強まっている。
トランプ大統領が3日召集したミーティングは直接関係する側近幹部と軍高官に限られていた。政権当局者によると、これまでは、こうした会合にホワイトハウス側近や他の人たちが出たり入ったりしており、政策決定が混乱をきたしているとの印象を与えることにもつながった。
ミーティング終了後、同じく海兵隊退役大将であるマティス米国防長官はダンフォード統合参謀本部議長と会見に臨み、米国が軍事的解決も辞さない構えであると、北朝鮮に対し警告した。
一方、トランプ大統領自身はこれまでよりも抑制した態度を取っている。大統領は先月、北朝鮮が「世界がこれまで見たことがないような炎と怒り」に直面する可能性について明言し、緊張を高めた。攻撃を行う計画はあるかとの質問に対し、大統領は3日「そのうち分かる」と答えるにとどめた。
「ならず者国家の北朝鮮は大きな脅威となっており、北朝鮮を助けようとしているが、ほとんど成功していない中国に大恥をかかせている」と、トランプ大統領はツイッターでこう述べた。
北朝鮮が進化した水爆実験だったと主張する6度目の核実験への対応を協議するミーティングに参加したある米高官は、米国の対応はこれまでのところ、改善された組織を反映しているとロイターに語った。
「本日の会合やツイッターでの大統領のメッセージ、レックス(・ティラーソン国務長官)による同盟諸国などへの接触が初期の兆候であるなら、プロセスには少なくとも以前より規律が戻っている」
<ケリー氏には試金石>
今回の危機はまた、トランプ大統領の好戦的な衝動を抑え、同大統領に接触できる人を限定しようとしているというケリー大統領首席補佐官にとっては試金石となっている。
トランプ大統領は、ケリー新大統領首席補佐官が意思決定プロセス合理化のため、大統領執務室への情報の出入りを制限したことにいら立ちを見せることがあると、状況に詳しい複数の関係筋は明かした。
「そのようにトランプ氏を管理することなどできない」と、同氏の外部顧問を務めるある人物はこう述べ、同氏はいずれそうしたプロセスに嫌気がさすようになるとの見方を示した。
もう1人の関係筋は「ケリー氏の影響力が増大している」と指摘する。「トランプ大統領が最高司令官であることに変わりはなく、ツイッターで公権力を発揮している」と匿名を条件にこう述べた。
一方、もし不協和音を生じさせるようなことが3日にあったとすれば、それはトランプ大統領が主要同盟国である韓国に警告するようなメッセージをツイッターで発信したことだ。
「私が以前指摘した、北朝鮮との対話を図る融和政策が機能しないということを韓国はようやく認識した。彼ら(北朝鮮)は1つのことしか理解しない」と、トランプ大統領はツイッターでこう発信した。
ある元国務省幹部は、トランプ大統領がこのような発言をしたことを批判する。
「(北朝鮮からの)脅威が一段と高まっているさなかに、主要同盟国に対して不当に平手打ちをくらわすとは、不適切かつ無用であり、不和を生じさせるような行動だ」と、この元国務省幹部は匿名で語った。
(>>2以降に続きあり)
(John Walcott記者、Steve Holland記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
2017年 9月 4日 2:36 PM JST