9/15(金) 7:10配信
イスラエル人でありながらパレスチナ自治区に住み、イスラエル占領下で苦しむ人々を取材してきた女性ジャーナリストのアミラ・ハスさん(61)が来日し、米軍普天間飛行場の移設問題で揺れる沖縄を取材した。移設阻止を目指し国際世論に訴える沖縄側は、著名ジャーナリストの発信力に期待している。
アミラさんは14日、那覇市の県庁で記者会見し「沖縄に米軍基地があることは知っていたが、これほど大きな基地を目の当たりにして衝撃を受けた。沖縄の基地は日本政府が自ら招いた『占領』だと感じた」と話した。
12日には太平洋戦争末期の沖縄戦で集団自決が起きた読谷(よみたん)村のチビチリガマを取材し、偶然にも荒らされたガマの第一発見者の一人となった。普天間飛行場の移設工事が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議活動や、移設を容認する住民の話も聞いた。「沖縄で抱いた印象や聞いた言葉をジャーナリストとしてどう伝えるか考えている」と言う。
アミラさんはイスラエルの大手新聞「ハーレツ」の特派員。両親がナチスのホロコースト生存者で、母親が連行される様子をドイツ人女性らが無関心に見ていたと聞き「自分は傍観者になりたくない」とパレスチナ社会の中に身を置き占領の実態を伝えてきた。記事は英語やフランス語、ドイツ語、日本語などに翻訳されている。
今年はイスラエルがパレスチナ人の住むヨルダン川西岸などを占領して50年の節目。アミラさんを日本に招いた一人で、自身も長年パレスチナ問題を取材するフリージャーナリストの土井敏邦さん(64)は「日本人にパレスチナ問題を身近に感じてもらうとともに、沖縄の状況を世界に訴える機会になる」。沖縄キリスト教学院平和研究所の牧師、金井創さん(63)も「市民の目線に立ち、見聞きしたことを世界に伝えてほしい」と期待を寄せた。【川上珠実】
◇辺野古移設阻止、国際世論に活路
沖縄では国際世論に訴えることで移設阻止に向けた活路を見いだそうとする動きが活発化しており、翁長雄志(おながたけし)知事は2015年9月、スイスの国連人権理事会で「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている状況を世界中から関心をもって見てほしい」と演説した。理事会では沖縄平和運動センターの山城博治議長も今年6月に演説している。
こうした活動は政府方針に影響を与えるには至っていないものの注目を集めつつあり、ドイツの国際平和団体「国際平和ビューロー」は今年のショーン・マクブライド平和賞を、移設反対の市民や政党でつくる「オール沖縄会議」に授与することを決めた。【川上珠実】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000010-mai-soci
イスラエル人でありながらパレスチナ自治区に住み、イスラエル占領下で苦しむ人々を取材してきた女性ジャーナリストのアミラ・ハスさん(61)が来日し、米軍普天間飛行場の移設問題で揺れる沖縄を取材した。移設阻止を目指し国際世論に訴える沖縄側は、著名ジャーナリストの発信力に期待している。
アミラさんは14日、那覇市の県庁で記者会見し「沖縄に米軍基地があることは知っていたが、これほど大きな基地を目の当たりにして衝撃を受けた。沖縄の基地は日本政府が自ら招いた『占領』だと感じた」と話した。
12日には太平洋戦争末期の沖縄戦で集団自決が起きた読谷(よみたん)村のチビチリガマを取材し、偶然にも荒らされたガマの第一発見者の一人となった。普天間飛行場の移設工事が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議活動や、移設を容認する住民の話も聞いた。「沖縄で抱いた印象や聞いた言葉をジャーナリストとしてどう伝えるか考えている」と言う。
アミラさんはイスラエルの大手新聞「ハーレツ」の特派員。両親がナチスのホロコースト生存者で、母親が連行される様子をドイツ人女性らが無関心に見ていたと聞き「自分は傍観者になりたくない」とパレスチナ社会の中に身を置き占領の実態を伝えてきた。記事は英語やフランス語、ドイツ語、日本語などに翻訳されている。
今年はイスラエルがパレスチナ人の住むヨルダン川西岸などを占領して50年の節目。アミラさんを日本に招いた一人で、自身も長年パレスチナ問題を取材するフリージャーナリストの土井敏邦さん(64)は「日本人にパレスチナ問題を身近に感じてもらうとともに、沖縄の状況を世界に訴える機会になる」。沖縄キリスト教学院平和研究所の牧師、金井創さん(63)も「市民の目線に立ち、見聞きしたことを世界に伝えてほしい」と期待を寄せた。【川上珠実】
◇辺野古移設阻止、国際世論に活路
沖縄では国際世論に訴えることで移設阻止に向けた活路を見いだそうとする動きが活発化しており、翁長雄志(おながたけし)知事は2015年9月、スイスの国連人権理事会で「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている状況を世界中から関心をもって見てほしい」と演説した。理事会では沖縄平和運動センターの山城博治議長も今年6月に演説している。
こうした活動は政府方針に影響を与えるには至っていないものの注目を集めつつあり、ドイツの国際平和団体「国際平和ビューロー」は今年のショーン・マクブライド平和賞を、移設反対の市民や政党でつくる「オール沖縄会議」に授与することを決めた。【川上珠実】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000010-mai-soci