9/19(火) 15:01配信
重傷者の診断・治療を同時に…「ハイブリッドER」導入病院で死亡率3割減
重傷患者の診断と治療を同時に行える新たな救命治療室「ハイブリッドER」を2011年に世界に先がけて導入した大阪急性期・総合医療センター(大阪市)で、患者の死亡率が約3割減ったことがわかった。国内外から注目を集めている。
事故などで救急搬送された重傷患者は、コンピューター断層撮影法(CT)の画像などで体内の出血部位を確認し、止血する必要がある。だが、治療室とCT室を行き来する数十分間で状態が悪化し、出血部位がわからないまま開腹手術をすることもあった。
ハイブリッドERでは、患者を治療するベッドのそばで、CTや血管撮影の機器が移動して体内の様子を映し出す。医師は正確に止血し、手術もできる。
同センターの藤見聡・高度救命救急センター長らが導入前と導入後の重傷患者計700例を分析。緊急手術開始までの時間は68分から47分に、28日後の死亡率は22%から15%に改善できた。出血死の割合も8%から3%に下がった。
国内ではこれまで関東や九州などの8病院が導入。海外の学会では「日本式ER」などと紹介され、韓国・釜山(プサン)大病院が一昨年に導入したという。中森靖・関西医大診療教授(救命救急)は「従来は医師のカンや経験に基づくことも多かったが、ハイブリッドERでは正確な治療ができる。さらに多くの施設に広がれば」と期待している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170919-00050044-yomidr-sctch