http://www.sankei.com/premium/news/171126/prm1711260024-n1.html
イノシシなど野生動物による農作物被害を抑える“秘密兵器”として、オオカミ型ロボット「スーパーモンスターウルフ」が
本州以南で初めて、千葉県木更津市の山間地にある水田に試験配備されて4カ月が過ぎた。
この間にも、千葉ウルフの“兄弟”たちは東北や甲信など千葉県境を越えて各地で活躍。
今回のウルフ効果検証取材で、クマやシカが仰天して逃げる衝(笑)撃画像を入手した。ウルフ効果バッチリ!
■イノシシの出没減った
木更津市内の水田耕作エリアの一つ、矢那地区。雑木の生い茂る小山に挟まれるように開けた田んぼの南角に、
スーパーモンスターウルフが据え付けられたのが7月11日。
8月下旬には稲刈りも終わり、9月11日からは同地区内にある栗畑に活躍の場を移していた。
「ほぼ毎日、イノシシが田んぼで泥浴びをした跡を残していたが、ウルフの近くではなくなり、稲を倒したり
稲穂を囓ったりの被害は減った。ただ、田んぼは広く、1頭で全域は守れない」と水田所有者の竹内和雄さん(70)。
ウルフ導入をサポートしたJA木更津市(梅澤千加夫代表理事組合長)では設置以来連日、ウルフ周辺のイノシシほか
野生動物の出没状況や農作物被害の有無をチェックした。
担当者は「ウルフが動くものを感知する、中心角約60度・半径約20メートルの扇形の範囲ではイノシシ侵入が減った。
範囲外では出没の跡がある」と話し、
「ウルフの動物撃退効果はあると思うが、電気柵やわななどを組み合わせた防御策が農家には必要では」との考えを示す。
■衝(笑)撃!の撃退映像
木更津市内のウルフ設置場所では、動物撃退効果を見るために夜間も撮影できる監視カメラを併置した。
残念ながらこの4カ月間、ウルフに驚いて逃げる動物の姿を捉えられていない。
だが今回、サル対策で青森県内の果樹園に置かれたウルフの後ろのカメラがついに、クマやシカなどが、
頭を左右に振って音と真っ赤な目の色で威嚇するウルフに仰天して逃げ去る姿を収めた。
ウルフが雄たけびをあげた途端に草むらに飛び込むクマ。
一瞬凍り付いて後ずさりし、われに返って飛ぶように逃げるシカ、木の幹から果樹園に入ろうとするところ、
ウルフに驚愕(きょうがく)して飛び退くサル。動物が恐怖する瞬間を捉えた初の映像がリアルだ。
■海外からも“オファー”
ウルフの試験的導入は千葉以外でも進む。青森県のほか、栃木県足利市内のゴルフ場では、
コースを掘り起こすイノシシへの抑止力としてティーグラウンド付近に1頭が置かれ、
「掘り起こし被害が減った」(ゴルフ場支配人)。
長野県王滝村では、稲作終了まで田んぼにウルフを置き、その後は赤カブ畑などに場所を移してイノシシやサル被害に備えた。
同村担当者は「設置場所が民家や道路に近く、歩く住民から驚きの声が聞かれ、消音して置いたことも。
目が光るだけでもイノシシが出なくなった」と話す。
山梨県南アルプス市では「効果あり」と判断し、再来年度に向けて導入の予算取りをする方針という。
京都や岐阜、愛媛、福岡など西日本各地からも、制作者の太田精器(北海道、太田裕治社長)に問い合わせが続々と入っている。
さらにカナダやフランス、ベルギー、ドイツ、ブルガリアからも「現地生産できないか」との問い合わせが入り、
千葉・木更津から火が付いたウルフ人気は国際的な広がりをみせる。
太田社長は「ヨーロッパではワイン用のブドウ畑でイノシシ被害が多いようだ。日本のモノ作りへの信頼度が高いから
連絡が来るのだろう」と話し、増産につなげたい考えだ。
スーパーモンスターウルフ
本物のオオカミそっくりの外観で体長65センチ、体高50センチ。真夜中でも赤外線センサーで動くものを感知
(感知範囲は約20メートル先まで)すれば、体内に埋め込まれたスピーカーからオオカミのほえ声は無論、
猟銃発砲音や猟犬の鳴き声、動物が不快に感じる金属的な音など(約90デシベル)を発し、
同時に両眼にはめ込まれたLED(発光ダイオード)ランプが炎の色にらんらんと光る。
バッテリーにソーラーパネルをつなげて電源とする。首は左右に振るが、四肢は鉄パイプで地面に固定されている。
動画
イノシシなど野生動物による農作物被害を抑える“秘密兵器”として、オオカミ型ロボット「スーパーモンスターウルフ」が
本州以南で初めて、千葉県木更津市の山間地にある水田に試験配備されて4カ月が過ぎた。
この間にも、千葉ウルフの“兄弟”たちは東北や甲信など千葉県境を越えて各地で活躍。
今回のウルフ効果検証取材で、クマやシカが仰天して逃げる衝(笑)撃画像を入手した。ウルフ効果バッチリ!
■イノシシの出没減った
木更津市内の水田耕作エリアの一つ、矢那地区。雑木の生い茂る小山に挟まれるように開けた田んぼの南角に、
スーパーモンスターウルフが据え付けられたのが7月11日。
8月下旬には稲刈りも終わり、9月11日からは同地区内にある栗畑に活躍の場を移していた。
「ほぼ毎日、イノシシが田んぼで泥浴びをした跡を残していたが、ウルフの近くではなくなり、稲を倒したり
稲穂を囓ったりの被害は減った。ただ、田んぼは広く、1頭で全域は守れない」と水田所有者の竹内和雄さん(70)。
ウルフ導入をサポートしたJA木更津市(梅澤千加夫代表理事組合長)では設置以来連日、ウルフ周辺のイノシシほか
野生動物の出没状況や農作物被害の有無をチェックした。
担当者は「ウルフが動くものを感知する、中心角約60度・半径約20メートルの扇形の範囲ではイノシシ侵入が減った。
範囲外では出没の跡がある」と話し、
「ウルフの動物撃退効果はあると思うが、電気柵やわななどを組み合わせた防御策が農家には必要では」との考えを示す。
■衝(笑)撃!の撃退映像
木更津市内のウルフ設置場所では、動物撃退効果を見るために夜間も撮影できる監視カメラを併置した。
残念ながらこの4カ月間、ウルフに驚いて逃げる動物の姿を捉えられていない。
だが今回、サル対策で青森県内の果樹園に置かれたウルフの後ろのカメラがついに、クマやシカなどが、
頭を左右に振って音と真っ赤な目の色で威嚇するウルフに仰天して逃げ去る姿を収めた。
ウルフが雄たけびをあげた途端に草むらに飛び込むクマ。
一瞬凍り付いて後ずさりし、われに返って飛ぶように逃げるシカ、木の幹から果樹園に入ろうとするところ、
ウルフに驚愕(きょうがく)して飛び退くサル。動物が恐怖する瞬間を捉えた初の映像がリアルだ。
■海外からも“オファー”
ウルフの試験的導入は千葉以外でも進む。青森県のほか、栃木県足利市内のゴルフ場では、
コースを掘り起こすイノシシへの抑止力としてティーグラウンド付近に1頭が置かれ、
「掘り起こし被害が減った」(ゴルフ場支配人)。
長野県王滝村では、稲作終了まで田んぼにウルフを置き、その後は赤カブ畑などに場所を移してイノシシやサル被害に備えた。
同村担当者は「設置場所が民家や道路に近く、歩く住民から驚きの声が聞かれ、消音して置いたことも。
目が光るだけでもイノシシが出なくなった」と話す。
山梨県南アルプス市では「効果あり」と判断し、再来年度に向けて導入の予算取りをする方針という。
京都や岐阜、愛媛、福岡など西日本各地からも、制作者の太田精器(北海道、太田裕治社長)に問い合わせが続々と入っている。
さらにカナダやフランス、ベルギー、ドイツ、ブルガリアからも「現地生産できないか」との問い合わせが入り、
千葉・木更津から火が付いたウルフ人気は国際的な広がりをみせる。
太田社長は「ヨーロッパではワイン用のブドウ畑でイノシシ被害が多いようだ。日本のモノ作りへの信頼度が高いから
連絡が来るのだろう」と話し、増産につなげたい考えだ。
スーパーモンスターウルフ
本物のオオカミそっくりの外観で体長65センチ、体高50センチ。真夜中でも赤外線センサーで動くものを感知
(感知範囲は約20メートル先まで)すれば、体内に埋め込まれたスピーカーからオオカミのほえ声は無論、
猟銃発砲音や猟犬の鳴き声、動物が不快に感じる金属的な音など(約90デシベル)を発し、
同時に両眼にはめ込まれたLED(発光ダイオード)ランプが炎の色にらんらんと光る。
バッテリーにソーラーパネルをつなげて電源とする。首は左右に振るが、四肢は鉄パイプで地面に固定されている。
動画