◆袴田巌さんのズボン 色を表すタグをサイズと誤認か 「検察側は意図的に証拠を隠した」
死刑判決の決め手になったのは、犯行時に着ていたとされた「5点の衣類」だ。
このうちズボンのタグに書かれていた「B」の文字は、本来は色を表すのに、サイズを示すとされてきた。
再審請求後に誤認が明らかになり、弁護側は「検察側は重要な証拠を意図的に隠した」と批判している。
「いつ、色がサイズにすり替わったのか」。
このズボンを製造したアパレル会社の男性役員(82)=名古屋市=は首をかしげる。
男性は約50年前、県警の警察官に「(タグの)Bは仕入れた生地を整理するためのもので、色を意味する」と説明したが、知らない間に話が食い違っていた。
裁判では、袴田巌さんが履けるサイズだったかどうかが焦点に。
控訴審で実験が行われたが、袴田さんは太もも付近までしか履けなかった。
控訴審判決は、ズボンは肥満体用の「B体」だったとして、事件当時は履けていたと認定。
逮捕後に袴田さんの体重が増えた上、ズボンがみそに漬かって縮んだため、履けなくなったと結論付けた。
Bが色を示すと明らかになったのは、男性の供述調書が弁護側に開示された平成22年。
男性は「履けたことにしたかった(捜査当局の)誰かが、話をすり替えたのだろうか」と話した。
静岡地裁の再審開始決定は、男性の調書などを基にズボンはより細身の「Y体」だったと指摘。
「ズボンが、弁護側が主張するように捏造された証拠だとすれば、サイズと体格との食い違いを説明できる」とした。
一方、検察側はズボンのサイズが小さいことを認めた上で「サイズも考えずに捏造したとすれば、あまりにずさんで不自然だ」として、捏造はあり得ず、袴田さんのものだとの主張を維持している。
■写真
犯行時に着ていたとされたズボンのタグ。「寸法」の下にうっすらと「B」の文字が書かれている
袴田さんの再審をめぐる経過
浜松市内を散歩する袴田巌さん=1月29日
産経ニュース 2018.3.1 10:36
http://www.sankei.com/affairs/news/180301/afr1803010007-n1.html
http://www.sankei.com/affairs/news/180301/afr1803010007-n2.html
死刑判決の決め手になったのは、犯行時に着ていたとされた「5点の衣類」だ。
このうちズボンのタグに書かれていた「B」の文字は、本来は色を表すのに、サイズを示すとされてきた。
再審請求後に誤認が明らかになり、弁護側は「検察側は重要な証拠を意図的に隠した」と批判している。
「いつ、色がサイズにすり替わったのか」。
このズボンを製造したアパレル会社の男性役員(82)=名古屋市=は首をかしげる。
男性は約50年前、県警の警察官に「(タグの)Bは仕入れた生地を整理するためのもので、色を意味する」と説明したが、知らない間に話が食い違っていた。
裁判では、袴田巌さんが履けるサイズだったかどうかが焦点に。
控訴審で実験が行われたが、袴田さんは太もも付近までしか履けなかった。
控訴審判決は、ズボンは肥満体用の「B体」だったとして、事件当時は履けていたと認定。
逮捕後に袴田さんの体重が増えた上、ズボンがみそに漬かって縮んだため、履けなくなったと結論付けた。
Bが色を示すと明らかになったのは、男性の供述調書が弁護側に開示された平成22年。
男性は「履けたことにしたかった(捜査当局の)誰かが、話をすり替えたのだろうか」と話した。
静岡地裁の再審開始決定は、男性の調書などを基にズボンはより細身の「Y体」だったと指摘。
「ズボンが、弁護側が主張するように捏造された証拠だとすれば、サイズと体格との食い違いを説明できる」とした。
一方、検察側はズボンのサイズが小さいことを認めた上で「サイズも考えずに捏造したとすれば、あまりにずさんで不自然だ」として、捏造はあり得ず、袴田さんのものだとの主張を維持している。
■写真
犯行時に着ていたとされたズボンのタグ。「寸法」の下にうっすらと「B」の文字が書かれている
袴田さんの再審をめぐる経過
浜松市内を散歩する袴田巌さん=1月29日
産経ニュース 2018.3.1 10:36
http://www.sankei.com/affairs/news/180301/afr1803010007-n1.html
http://www.sankei.com/affairs/news/180301/afr1803010007-n2.html