http://www.bbc.com/japanese/43664512
2018/04/0
米ニューヨーク州の捜査当局は4日、先ごろ同州サフォーク郡で見つかった白骨遺体が、50年以上前に行方不明になった女性のものだと確認した。地元メディアが伝えた。
サフォーク郡の農村に住んでいたルイーズ・ピエトルウィッツ氏(当時38歳)は1966年10月、銀行口座を解約したあと、警察官だった当時の恋人ウィリアム・P・ボークン氏と共に村を離れ、それ以降は行方が分からなくなっていた。
ボークン氏は1982年に死亡した。サフォーク郡にある同氏の自宅下から3月半ばに白骨遺体が見つかり、ピエトルウィッツ氏だと確認された。
ピエトルウィッツ氏の失踪事件については、地元紙サフォーク・タイムズが昨年10月に詳細な調査記事とドキュメンタリー映像を公開したのを機に、警察が捜査を再開していた。
地元報道によると、監察医は4日、ピエトルウィッツ氏の親族から採取したDNA標本と照合した結果、遺体がピエトルウィッツ氏のものだと確認した。
ピエトルウィッツ氏の娘、サンディ・ブランピード氏は、スクールバス乗り場まで自分を連れて行ってくれたのが、母親との最後の記憶だったと話す。12歳の時だった。
「母が私をただ置き去りにしたはずはない」と、ブランフォード氏はサフォーク・タイムズに語った。
「もし母がどこかで生きていたら、電話してきたはず。一緒に暮らせるように、どこにいるか教えてくれたはず」
しかし、ピエトルウィッツ氏からの電話はなく、結局は誰も逮捕されなかった。
サフォーク・タイムズによると、ピエトルウィッツ氏は失踪する前日、1273ドル80セントを自分の個人口座から引き出し、口座を解約している。
同氏が最後に目撃された前日に、ボークン氏は警察官を辞めた。さらにその前の3日間、ボークン氏は病欠すると電話していた。
ピエトルウィッツ氏は失踪当時、夫からの虐待に苦しんでいたとされる。
サフォーク・タイムズによるとボークン氏の元妻が最近、サウソルドの町にある、ボークン氏が所有していた古い家屋の地下に死体が埋まっていると警察に通報した。
サフォーク郡警察が地中探査機を使って調べたところ、厚さ12センチあるコンクリート板の下2.1メートルの地中に埋められた白骨遺体を発見した。
ジェラルド・ギガンテ刑事部長は記者会見で「事件の証人というのは時々、それまで言えなかった情報を、後から提供してくれることがある。きっと当時は公表できないとか、脅されると感じていたのだろう。もしくは単に、良心が表に出てきた結果かもしれない」と話した。
監察医がピエトルウィッツ氏の死因を特定できるかはまだわからない。
ただブランピード氏は、ボークン氏が母親を殺害したと考えている。
ブランピード氏は米紙タイムズ・ヘラルド・レコードに「学校へ行く前に私は母を抱きしめキスをした。おそらくあの男はあの日に、母を殺したに違いない」と語った。
(英語記事 Louise Pietrewicz: Remains found in basement 50 years on)
地元紙サフォーク・カウンティ・タイムズによる調査のあと、事件は再捜査が始まった
ピエトルウィッツ氏は夫の虐待から逃れようとしていたと、娘のブランピード氏は話す
ボークン氏(中央)がピエトルウィッツ氏殺害の犯人と疑われている