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4月10日 14時25分
自衛隊の日報問題をめぐり、小野寺防衛大臣は、新たにイラクの救援業務とハイチへの海外派遣の2件の日報が確認されたことを明らかにしたうえで、国会答弁で「保存されていない」としてきた文書ではなく、不整合はないという認識を示しました。
小野寺防衛大臣は、イラク派遣の日報問題を受けて、今月7日に防衛省・自衛隊のすべての機関と部隊に対し、海外に派遣された自衛隊の日報を含む定時報告の探索を徹底して行うよう通達を出しています。
これについて、小野寺防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、平成15年に実施された「イラク被災民救援国際平和協力業務」と、平成22年から実施された「ハイチ国際平和協力業務」の2件の日報が、内部部局と海上自衛隊でそれぞれ確認されたことを明らかにしました。
そのうえで、「イラク特措法に基づく活動の日報ではなく、国会答弁との関係で直ちに不整合があるとは思っていないが、情報公開請求も含めて過去のものにさかのぼって対象になるかどうかしっかり精査し、問題があれば適正に対処する」と述べました。
また小野寺大臣は、海上自衛隊と航空自衛隊が、去年7月の通達を過去の日報すべてを調査する指示とは受け止めていなかったことに関連して、「去年7月に再発防止策として官房長文書が発出され、それをしっかり認識してもらうために8月に行政文書管理細則を改正しており、過去にさかのぼってしっかり報告せよということは十分認識されていると思う」と述べました。
さらに小野寺大臣は、去年2月に、稲田元防衛大臣が、日報が保存されていないか調査を指示したとしていることについて、「防衛省では日々、大臣から口頭による指示がなされるが、これに該当するものだ。一方で、指示を受けて関係部署に送信されたメールは必ずしも正確に大臣の意図を伝達したものとはいえない可能性があり、改善の余地があった」と述べました。
稲田元防衛相「確認するよう指示 対応は遺憾」
陸上自衛隊のイラク派遣の日報が確認された当時、防衛大臣を務めていた自民党の稲田元防衛大臣は、記者団に対し、「事務方から、『探したが確認できなかった』という報告を受けて、その旨を国会で答弁しているが、その後、『本当にイラクの日報はなかったのか、しっかり確認するように』と指示した。それを受けた統合幕僚監部の幹部も、私からの捜索指示を伝達したと聞いている。指示に対して適切な対応が取られなかったことは非常に遺憾だ。公文書は大切なものなので、しっかりとした管理が必要だ」と述べました。