◆「客足に心配…」硫黄山噴火、観光関係者ら大型連休前に不安募らす
春の観光シーズンを直撃した天災に、関係者は表情を曇らせた。
宮崎県えびの市にある、霧島連山・えびの高原(硫黄山)で19日に発生した噴火。
周辺の宿泊施設などでは、3月から続く、同じ霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)の噴火で客足が遠のく影響があったばかり。
「これ以上、被害が広がらないことを信じるしかない」。
月末からの大型連休を前に、懸念する声が広がった。
「今回の噴火時は建物の中におり、音や振動にも気がつかなかった。
幸い、施設に噴石が飛ぶなどの被害は出ていない。ただ、これからどうなるか…」
硫黄山から約1キロ西にある宿泊施設「えびの高原荘」スタッフの男性はこう振り返り、不安を募らせた。
3月1日から新燃岳が断続的に噴火した影響で、キャンセルなどが相次いだが、ここ数日は回復傾向にあったという。
それだけに男性は「これ以上影響が出ないことを信じたい」と話していた。
また、硫黄山から北西約3・5キロにある「白鳥(しらとり)温泉上湯(うえゆ)」で勤務する女性によると、噴火後にえびの市から指示があり、安全確保のために施設を閉めたうえ、約10人の宿泊客を車で下山させた。
女性は「噴火が起きたばかりで情報がなく、落ち着いて推移を見守りたい」と話した。
えびの市観光協会の田村智幸さん(30)はこの日午前、別の山から硫黄山の状況を見ていたといい、「普段よりも煙の量が多いと思っていたが、まさか噴火するとは…」と驚いた様子。
「旅館やホテルのキャンセルが出ないか心配だ」と案じていた。
写真:噴煙を上げる霧島連山・硫黄山(手前)。
奥は新燃岳=19日午後5時19分、宮崎県えびの市(共同通信社機から)
産経WEST 2018.4.19 20:00
http://www.sankei.com/west/news/180419/wst1804190076-n1.html