長崎市にサッカースタジアムの建設を検討しているサッカーJ1のV・ファーレン長崎の親会社、ジャパネットホールディングスなどのグループが、三菱重工業の長崎市内の工場跡地の取得に向けて優先交渉権を獲得しました。
これは、24日、三菱重工業が明らかにしたものです。
三菱重工業は、JR長崎駅の北にある幸町工場の跡地、およそ7ヘクタールの活用策を公募し、複数の企業やグループが提案書を出していましたが、審査の結果、V・ファーレン長崎の親会社のジャパネットホールディングスを事業主とするグループが優先交渉権を獲得したということです。
V・ファーレンは諌早市にホームスタジアムがありますが、交通アクセスに課題を抱えていて、ジャパネットホールディングスは外資系の総合不動産サービス会社と組んで、交通の便が良い幸町工場の跡地に5年後をめどに2万人以上を収容できるサッカースタジアムを建設する計画を提案しています。
三菱重工業は、今後、具体的な交渉を進めてことしの夏ごろには土地の売買契約を結びたいとしています。
ジャパネットホールディングスはスタジアムとともに、ホテルなどの商業施設も整備することを提案していて、26日、佐世保市の本社で記者会見を開いて、詳しい計画を明らかにするとしています。
長崎県の中村知事は「イベントの開催などでさまざまな機能を発揮していただくことで交流人口や定住人口の拡大に結びつくのではないかと期待している。スタジアム周辺の市民の生活に出来るだけ影響がないように県としても道路整備など協力出来ることがあれば検討していかなければならない」と話していました。
長崎市の田上市長は「夢のある内容だ。周辺都市からの交通アクセスにすぐれており、スタジアムなどの開発の効果は長崎市だけでなく周辺の都市にも及ぶと考える。今後は『ジャパネットホールディングスグループ』と協議しながら、県全体の活性化につながるよう取り組んでいきたい」とコメントしています。
これまでV・ファーレン長崎の試合を見に行ったことがないという長崎市の20代の男性は、「これまでは少し遠い諫早市にスタジアムがあったが、近くなったら応援に行きたい。たくさんの人が来て長崎駅周辺の活性化にもつながると思う」と話していました。
また長崎市の82歳の女性は、「地域の活性化のためには望ましいことだと思う。県民みんなで応援する環境ができるのでよかった」と話していました。
一方、現在のスタジアムがある諫早市に比較的近い島原市の44歳の男性は、「諫早市は地理的に長崎県の中心にあるので長崎市は遠く感じる。試合を見にいかなくなるかもしれない」と話していました。
今週土曜日のV・ファーレン長崎との試合を観戦するため長崎を訪れたサンフレッチェ広島の30代の男性サポーターは、「便利な場所にスタジアムができるのはうらやましい。広島と長崎は被爆地で、ともに平和を望んでいる町どうしなので、いい試合を楽しみにしている」と話していました。
04月24日 17時17分
長崎 NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20180424/5030000497.html