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アップル元社員、自動運転車の企業秘密窃盗容疑で逮捕
2018年7月11日 13:16
発信地:サンフランシスコ/米国 [ 米国 北米 ]
【7月11日 AFP】米アップル(Apple)元社員の技術者が9日、中国の新興企業に転職する前に自動運転車に関する企業秘密を盗んだ容疑で逮捕された。
米連邦捜査局(FBI)が提出した訴追請求状によると、張暁浪(Xiaolang Zhang)容疑者は2015年12月にアップルに入社し、自動運転車のハードウエアとソフトウエアを開発するチームに加わった。訴追請求状によるとプロジェクトは「厳重に管理された企業秘密」だったという。
張容疑者は家族と中国に行くため4月に育児休暇を取得。休暇を終え4月末に出社すると、中国にいる病気の母親に付き添うため帰国したいと上司に話し、退職を申し出た。張容疑者は中国・広州(Guangzhou)の自動運転車の新興企業、小鵬汽車(Xiaopeng Motors、XMotorsとも)に入社する予定だと話したという。
張容疑者の様子を不審に感じた上司はアップルのセキュリティーチームに連絡。セキュリティーチームは張容疑者に会社から貸与されていたすべてのスマートフォンやパソコンを返却させ、会社の敷地から立ち去らせた。
アップルのセキュリティーチームは、張容疑者による社内ネットワークへのアクセスが育児休暇から戻る前の数日間に急激に活発になっていたことを突き止めた。張容疑者は、秘密情報のデータベースを検索して自動運転車のプロトタイプなどに関する技術文書のファイルをダウンロードした疑いが持たれている。
訴追請求状によると、育児休暇中の張容疑者がある土曜日の夜、自動運転車の開発施設に侵入する様子もアップル社の監視カメラで撮影されていた。張容疑者はその後、開発施設からリナックス(Linux)サーバー1台と複数の回路基板を持ち出したことを認めており、アップルのいくつかのファイルを妻のパソコンに送ったことも明らかになっている。
張容疑者は5月初旬にアップルを「自発的に辞職」し、FBIは6月に張容疑者の自宅を捜索した。その際、張容疑者はFBIに対し、自分はシリコンバレー(Silicon Valley)にある小鵬汽車の拠点で働いていると話したという。シリコンバレーのある米カリフォルニア州サンノゼ(San Jose)の空港でFBIの捜査員に逮捕された時、張容疑者は「ぎりぎりに予約した往復航空券」で中国に行こうとしていた。
有罪になれば禁錮10年と25万ドル(約2800万円)の罰金が科される可能性がある。アップルの担当者はAFPの取材に対し、知的財産の秘密保持と保護には真剣に取り組んでおり、逮捕された男とその共犯者に責任を取らせるため当局と協力してあらゆる必要な措置を取ると回答した。(c)AFP