東電社長「廃炉計画を検討」 柏崎刈羽1〜5号機、地元に説明
2018/8/2 18:38 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3372905002082018EA1000/
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長(左)と会談する東京電力の小早川智明社長=2日午後、新潟県柏崎市
東京電力ホールディングスの小早川智明社長は2日、柏崎刈羽原子力発電所がある新潟県を訪問し、柏崎市の桜井雅浩市長と会談した。
市長から要請されている同原発1〜5号機の廃炉計画の策定について小早川社長は「回答に向けて検討している」と明言した。
東電はまず6、7号機の再稼働を目指す方針で、一定の回答を示すことで地元の理解を得たい考えだ。
柏崎刈羽原発は1カ所の発電能力が世界最大の原発で、新型の6、7号機は2017年12月に国の安全審査に「合格」した。
だが、桜井市長は17年6月、旧型の1〜5号機について2年以内の廃炉計画の策定を東電に要請し、6、7号機の再稼働を認める前提条件とした。
小早川社長が柏崎市に廃炉計画を回答する方針を示したのは初めて。
桜井市長は会談後、「(小早川社長は)廃炉計画という言葉を使った。昨年よりも率直な感触を得た」と評価した。
東電は市の要望を聞いた上で、19年6月までに1〜5号機の存廃を含めた計画を伝えるとみられる。
同原発のなかでも2〜4号機は07年の新潟県中越沖地震以来、稼働していないため、東電社内でも「再稼働は厳しい」との声もある。
桜井市長は廃炉計画の要請について「いたずらに減らすことを目的にしていない」とするが、6、7号機の再稼働と引き換えのようにして旧型の機種を廃炉するとの観測がくすぶる。
一方、東電が同原発の一部にしろ廃炉を判断するのは容易ではない。
17年5月に策定した再建計画では6、7号機を優先的に稼働させた後に、それ以外の機種も順次再稼働させる収支計画を立てている。
同原発は1基につき年400億〜900億円の収支改善が見込め、東電は再稼働をテコに福島第1原発事故の廃炉・賠償費用を捻出する計画だ。
一部でも廃炉に踏み切れば再建計画全体が揺らいでしまう。
小早川社長は2日、新潟県庁も訪れ、6月に当選した花角英世知事と初会談した。
花角知事は米山隆一・前知事が進めていた県独自の福島第1原発事故の検証がなければ再稼働を認めない方針を受け継いでいる。
小早川社長は「(検証作業に)最大限協力する」と伝え、これに対して花角知事は「(検証は)県民の理解促進につながる。しっかり進めたい」と答えた。
2018/8/2 18:38 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3372905002082018EA1000/
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長(左)と会談する東京電力の小早川智明社長=2日午後、新潟県柏崎市
東京電力ホールディングスの小早川智明社長は2日、柏崎刈羽原子力発電所がある新潟県を訪問し、柏崎市の桜井雅浩市長と会談した。
市長から要請されている同原発1〜5号機の廃炉計画の策定について小早川社長は「回答に向けて検討している」と明言した。
東電はまず6、7号機の再稼働を目指す方針で、一定の回答を示すことで地元の理解を得たい考えだ。
柏崎刈羽原発は1カ所の発電能力が世界最大の原発で、新型の6、7号機は2017年12月に国の安全審査に「合格」した。
だが、桜井市長は17年6月、旧型の1〜5号機について2年以内の廃炉計画の策定を東電に要請し、6、7号機の再稼働を認める前提条件とした。
小早川社長が柏崎市に廃炉計画を回答する方針を示したのは初めて。
桜井市長は会談後、「(小早川社長は)廃炉計画という言葉を使った。昨年よりも率直な感触を得た」と評価した。
東電は市の要望を聞いた上で、19年6月までに1〜5号機の存廃を含めた計画を伝えるとみられる。
同原発のなかでも2〜4号機は07年の新潟県中越沖地震以来、稼働していないため、東電社内でも「再稼働は厳しい」との声もある。
桜井市長は廃炉計画の要請について「いたずらに減らすことを目的にしていない」とするが、6、7号機の再稼働と引き換えのようにして旧型の機種を廃炉するとの観測がくすぶる。
一方、東電が同原発の一部にしろ廃炉を判断するのは容易ではない。
17年5月に策定した再建計画では6、7号機を優先的に稼働させた後に、それ以外の機種も順次再稼働させる収支計画を立てている。
同原発は1基につき年400億〜900億円の収支改善が見込め、東電は再稼働をテコに福島第1原発事故の廃炉・賠償費用を捻出する計画だ。
一部でも廃炉に踏み切れば再建計画全体が揺らいでしまう。
小早川社長は2日、新潟県庁も訪れ、6月に当選した花角英世知事と初会談した。
花角知事は米山隆一・前知事が進めていた県独自の福島第1原発事故の検証がなければ再稼働を認めない方針を受け継いでいる。
小早川社長は「(検証作業に)最大限協力する」と伝え、これに対して花角知事は「(検証は)県民の理解促進につながる。しっかり進めたい」と答えた。