https://www.sankei.com/smp/west/news/180906/wst1809060089-s1.html
伊藤ハム、停電で工場稼働見合わせ 海産物、物流止まり欠品の恐れ
2018.9.6 21:11
北海道の地震によって、関西に拠点を置く企業も部品や原材料の調達など、被害の長期化を懸念している。
豆の加工食品を手がけるフジッコでは、ヨーグルトを製造する北海道工場(千歳市)が停電で生産を停止し、設備の状況確認も遅れている。北海道から豆を仕入れており、地震の影響が長引けば原材料確保がままならなくなるため、担当者は「取引先の被害を把握することが先決」と困惑。同社では、台風21号が関西を直撃した4日から兵庫県内の工場で停電が発生するなど生産に支障が出ており、「供給態勢を整えたばかりだったのに」と表情を曇らせた。
パナソニックは、千歳市で電子部品、帯広市で自動車部品を生産。両工場を中心に従業員約2200人の安否確認を急いだ。数人が負傷したがいずれも軽傷で、設備への被害はなかったという。同社では4日に台風21号の影響を避けるため近畿の一部拠点を休業とし、関西国際空港閉鎖に伴い振り替え輸送を検討していた矢先で、対応に追われた。
伊藤ハムは、小樽市のハム・ソーセージ加工工場と札幌市の食肉加工工場が停電で稼働を見合わせた。原料を保存する冷凍庫は「停電後も密閉状態に保てば、しばらくは温度を保てる」(同社広報)という。コクヨも、北海道の地震により札幌市白石区にあるグループ会社の物流拠点で、停電や荷くずれが起きた。
流通業界も、被害の状況を注視する。「産地が限られた海産物は直接影響を受ける」と懸念するのが、高島屋大阪店(大阪市中央区)。食品売り場では北海道産のホタテやサケなどを扱っているが、このまま物流が止まれば数日後には欠品する可能性があるという。