フランス東部ストラスブールにある欧州議会で、ハンガリー情勢をめぐる審議中に手を頭に乗せる同国のオルバン・ビクトル首相
ハンガリーに関する報告書をまとめたユディス・サルジェンンティーニ氏は、欧州議会での投票の後に喝采を浴びた
欧州議会は12日、ハンガリーが欧州連合(EU)の基本理念に違反したとして制裁手続きに入ることを決定した。EU法の下でこうした決議が行われるのは初めて。
ハンガリーのビクトル・オルバン首相率いる現政権は、報道やマイノリティーを標的にしたり、法の支配を侵したりしたとして非難されている。オルバン首相はこの疑惑を否定している。
投票では欧州議員の3分の2以上が、賛成票を投じた。今後、各国首脳がこの提案を承認すれば、ハンガリーには制裁が課せられる。
ただ最も重い議決権停止措置については、ポーランドが拒否権を発動する可能性が高く、実現する公算は低い。
BBCのニック・ソープ・ブダペスト特派員は、オルバン氏は欧州の保守派からますます孤立しているものの、ナショナリスト政党からは支持を得ていると説明している。
ハンガリーにかけられた疑惑とは?
オルバン政権は発足直後から、移民に対して厳しい政策を敷いている。「不法移民を助ける」というスローガンの下での弁護士や活動家による難民申請者支援を罰則化した。
さらに、司法や選挙制度にも圧力を掛けているほか、汚職がまん延していると報じられている。
投票が行われた後、欧州議会はハンガリーについて以下の点を懸念していると表明した。
憲法および選挙制度▽個人情報とデータ保護▽表現と宗教の自由▽学問の自由、団結の自由▽難民、ロマ人やユダヤ人といった少数民族に対する権利平等
オルバン氏は11日に欧州議会で政権を擁護する演説を行い、制裁をほのめかすのはハンガリーに対する「脅迫」であり侮辱だと述べた。
また、オランダ緑の党のユディス・サルジェンティーニ欧州議員がまとめた報告は「職権乱用」で、「事実を深刻に取り違えている」と批判した。
サルジェンティーニ氏によるハンガリー与党のフィデス・ハンガリー市民連盟についての報告では、現政権の一連の行動が「明らかにEUの理念に違反している」と疑問を呈している。
次の段階は?
EU法第7条では、加盟国がEUの基本原則に違反した時、制裁としてさまざまな権利を停止することができる。
しかしハンガリーは現在、全ての制裁から逃れられる「予防」措置に直面しているという。大まかに言うとハンガリーに対する決定は加盟28カ国の首脳に委ねられている。
一方で、欧州議会が7条に基づく提案を決定したのは初めてで、次の段階がいつ、どのように行われるのかは不明だ。
最も深刻な結末は議決権停止だが、これが実現する確率は低いとみられている。
欧州委員会は昨年12月、ポーランドに対しても制裁の手続きに着手した。この件はまだ欧州議会で審議されていない。
各国の反応は?
ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外相は今回の決議に怒りを表明し、「親移民派」の政治化による「取るに足らない復讐」だと述べた。
EU離脱派のナイジェル・ファラージュ欧州議員(英国)も、決定が「EUによる権威主義的な支配」を表していると話した。
反イスラムを掲げるオランダのポピュリスト議員ヘルト・ウィルダース氏はツイッターで、「ハンガリーは全てのEU加盟国のお手本で、オルバン氏は英雄でありノーベル賞に値する」と発言した。
一方、報告書をまとめたサルジェンティーニ氏は、この決議はEUが市民の権利のために立ち上がるべきだという重要なメッセージだと述べた。
「オルバン政権は独立系メディアを黙らせ、重要な裁判官を交代させ、学問を制限することで、欧州の理念への非難を先導した」
「政府に近い関係者は、ハンガリーとEUの納税者の金で自分たちや友人、家族を肥え太らせてきた。ハンガリー国民はもっと良い生活を与えられるべきだ」
(続きはソース)
https://www.bbc.com/japanese/45505329
http://www.afpbb.com/articles/-/3189426
ハンガリーに関する報告書をまとめたユディス・サルジェンンティーニ氏は、欧州議会での投票の後に喝采を浴びた
欧州議会は12日、ハンガリーが欧州連合(EU)の基本理念に違反したとして制裁手続きに入ることを決定した。EU法の下でこうした決議が行われるのは初めて。
ハンガリーのビクトル・オルバン首相率いる現政権は、報道やマイノリティーを標的にしたり、法の支配を侵したりしたとして非難されている。オルバン首相はこの疑惑を否定している。
投票では欧州議員の3分の2以上が、賛成票を投じた。今後、各国首脳がこの提案を承認すれば、ハンガリーには制裁が課せられる。
ただ最も重い議決権停止措置については、ポーランドが拒否権を発動する可能性が高く、実現する公算は低い。
BBCのニック・ソープ・ブダペスト特派員は、オルバン氏は欧州の保守派からますます孤立しているものの、ナショナリスト政党からは支持を得ていると説明している。
ハンガリーにかけられた疑惑とは?
オルバン政権は発足直後から、移民に対して厳しい政策を敷いている。「不法移民を助ける」というスローガンの下での弁護士や活動家による難民申請者支援を罰則化した。
さらに、司法や選挙制度にも圧力を掛けているほか、汚職がまん延していると報じられている。
投票が行われた後、欧州議会はハンガリーについて以下の点を懸念していると表明した。
憲法および選挙制度▽個人情報とデータ保護▽表現と宗教の自由▽学問の自由、団結の自由▽難民、ロマ人やユダヤ人といった少数民族に対する権利平等
オルバン氏は11日に欧州議会で政権を擁護する演説を行い、制裁をほのめかすのはハンガリーに対する「脅迫」であり侮辱だと述べた。
また、オランダ緑の党のユディス・サルジェンティーニ欧州議員がまとめた報告は「職権乱用」で、「事実を深刻に取り違えている」と批判した。
サルジェンティーニ氏によるハンガリー与党のフィデス・ハンガリー市民連盟についての報告では、現政権の一連の行動が「明らかにEUの理念に違反している」と疑問を呈している。
次の段階は?
EU法第7条では、加盟国がEUの基本原則に違反した時、制裁としてさまざまな権利を停止することができる。
しかしハンガリーは現在、全ての制裁から逃れられる「予防」措置に直面しているという。大まかに言うとハンガリーに対する決定は加盟28カ国の首脳に委ねられている。
一方で、欧州議会が7条に基づく提案を決定したのは初めてで、次の段階がいつ、どのように行われるのかは不明だ。
最も深刻な結末は議決権停止だが、これが実現する確率は低いとみられている。
欧州委員会は昨年12月、ポーランドに対しても制裁の手続きに着手した。この件はまだ欧州議会で審議されていない。
各国の反応は?
ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外相は今回の決議に怒りを表明し、「親移民派」の政治化による「取るに足らない復讐」だと述べた。
EU離脱派のナイジェル・ファラージュ欧州議員(英国)も、決定が「EUによる権威主義的な支配」を表していると話した。
反イスラムを掲げるオランダのポピュリスト議員ヘルト・ウィルダース氏はツイッターで、「ハンガリーは全てのEU加盟国のお手本で、オルバン氏は英雄でありノーベル賞に値する」と発言した。
一方、報告書をまとめたサルジェンティーニ氏は、この決議はEUが市民の権利のために立ち上がるべきだという重要なメッセージだと述べた。
「オルバン政権は独立系メディアを黙らせ、重要な裁判官を交代させ、学問を制限することで、欧州の理念への非難を先導した」
「政府に近い関係者は、ハンガリーとEUの納税者の金で自分たちや友人、家族を肥え太らせてきた。ハンガリー国民はもっと良い生活を与えられるべきだ」
(続きはソース)
https://www.bbc.com/japanese/45505329
http://www.afpbb.com/articles/-/3189426