https://www.bbc.com/japanese/45910359
記者失踪事件 サウジ擁護の「ボット」がSNS上で活動か
2018年10月19日
クリス・ベル、アリステア・コールマン BBCニュース&BBCトレンディング
サウジアラビア人記者ジャマル・カショジ氏の失踪事件をめぐり、事件についてのSNS上の論調を特定の方向に向けようとしているアカウントが確認されている。人間ではなくプログラムが投稿を自動で行う「ボット」アカウントとみられる。
カショジ記者は2日、トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館に入ったのが確認されたのを最後に、行方がわからなくなった。同記者は既に死亡していると推定されている。
トルコ当局は、サウジ政府に批判的だったカショジ記者が総領事館内で殺害されたものと主張する。
この事件をめぐり、サウジアラビアの事実上の指導者、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子への支持を表明するアラビア語ハッシュタグが、ツイッター上で拡散している。また同様に拡散している別のハッシュタグ付き投稿は、カタールのニュースチャンネル、アルジャジーラを非難し、「国家の敵のフォローを解除しろ」とツイッター利用者に呼びかけた。
こうしたツイートは、人間とみられるアカウントによるものもあるが、プログラムが自動投稿する「ボット」らしいアカウントからも発信されている。
14日には、「我々は皆、ムハンマド・ビン・サルマンを信じている」という内容のアラビア語ハッシュタグが、ツイッターの国際トレンド(世界中で関連投稿数が多い話題)に出現した。
このハッシュタグを使った投稿数は、25万ツイートに上った。さらに、「我々のリーダーを支持しなくては」という内容のアラビア語ハッシュタグも、6万回以上使用された。
また17日には、「国家の敵のフォローを解除しろ」という内容のアラビア語ハッシュタグがついたツイートが大量に投稿された。この日の過去24時間以内には、「いんちきチャンネル、アルジャジーラ閉鎖のための運動」という言葉も10万回近くツイートされた。
アルジャジーラはカタール政府が資金援助するニュース企業で、サウジアラビアは過去に閉鎖を要求している。サウジアラビアを含む中東の近隣5カ国は2017年、カタールとの国交を断絶した。
カタール断交危機の間も、ソーシャルメディア上での会話を操作するため、両陣営がボット網を利用したとされる。
(リンク先に続きあり)