日本郵船、二酸化炭素排出ゼロのコンセプト船を発表
2018/11/14 14:38
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37740140U8A111C1X12000/
日本郵船は14日、運航中の二酸化炭素(CO2)排出量をゼロに抑えたコンセプト船を発表した。燃料電池を利用した電気推進装置を備えるほか、船体重量の軽量化や太陽光パネルの採用などで船舶の脱炭素化を進める。コンセプト船をもとに、2050年までに技術の確立を目指す。
コンセプト船の名称は「NYKスーパーエコシップ2050」。自動車専用船をモデルとしている。船体形状の工夫や炭素繊維などの複合材を活用した軽量化といった取り組みで、運航に必要な燃料由来の必要エネルギーを減らす。重油が燃料の現行船と比べて67%の削減を目標としている。
主動力は水素による燃料電池。これに太陽光発電や排熱回収なども組み合わせてCO2排出量をゼロに抑える。
推進機構にはプロペラではなく、イルカの尾のように羽根を振って船を動かす「フラッピングフォイル」を採用する。プロペラよりも推進効率を高められるという。
コンピューター制御で船の傾斜を抑える安定装置も装備する。船体が軽いため、風や波で大きく振れたときには両脇に取り付けられた「浮き」で船を安定させる。
日本郵船は09年にも、30年までに実現を目指す技術を盛り込んだコンセプト船を発表した。当時は風力も推進力の一部として検討していたが、今回は「コストに見合った推進効率が得られない」(北山智雄経営委員)との理由で見送った。
ライバルの商船三井は風力の活用の研究を進めており、脱炭素化に向けた取り組みで方向性の違いが明確になった。
今後は必要な技術要素の研究と実用化に向けた開発を進める。船舶の脱炭素化を巡っては国際海事機関(IMO)が4月に、50年までに08年比で「最低でも半減させる」との目標を掲げている。今後も海運会社や造船企業による新技術の開発が活発になりそうだ。
(福冨隼太郎)
2018/11/14 14:38
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37740140U8A111C1X12000/
日本郵船は14日、運航中の二酸化炭素(CO2)排出量をゼロに抑えたコンセプト船を発表した。燃料電池を利用した電気推進装置を備えるほか、船体重量の軽量化や太陽光パネルの採用などで船舶の脱炭素化を進める。コンセプト船をもとに、2050年までに技術の確立を目指す。
コンセプト船の名称は「NYKスーパーエコシップ2050」。自動車専用船をモデルとしている。船体形状の工夫や炭素繊維などの複合材を活用した軽量化といった取り組みで、運航に必要な燃料由来の必要エネルギーを減らす。重油が燃料の現行船と比べて67%の削減を目標としている。
主動力は水素による燃料電池。これに太陽光発電や排熱回収なども組み合わせてCO2排出量をゼロに抑える。
推進機構にはプロペラではなく、イルカの尾のように羽根を振って船を動かす「フラッピングフォイル」を採用する。プロペラよりも推進効率を高められるという。
コンピューター制御で船の傾斜を抑える安定装置も装備する。船体が軽いため、風や波で大きく振れたときには両脇に取り付けられた「浮き」で船を安定させる。
日本郵船は09年にも、30年までに実現を目指す技術を盛り込んだコンセプト船を発表した。当時は風力も推進力の一部として検討していたが、今回は「コストに見合った推進効率が得られない」(北山智雄経営委員)との理由で見送った。
ライバルの商船三井は風力の活用の研究を進めており、脱炭素化に向けた取り組みで方向性の違いが明確になった。
今後は必要な技術要素の研究と実用化に向けた開発を進める。船舶の脱炭素化を巡っては国際海事機関(IMO)が4月に、50年までに08年比で「最低でも半減させる」との目標を掲げている。今後も海運会社や造船企業による新技術の開発が活発になりそうだ。
(福冨隼太郎)